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陶芸Essay14

「収縮」

家の壁塗りをしながら考えた。

収縮はしないのだろうか?と。

粘土は乾燥していくときだんだん縮んでいく。

池や田圃が乾いていくとひびが入ってくるのも、縮むからだ。

縮むと言うことは、動くと言うことである。

だから乾燥するとき変形したり割れたりするのである。

陶工は土と向かい合うとき収縮と言う問題に一番気を使うかもしれない。

収縮しない土は無い物だろうかと思ったりもする。

きめの細かな土ほど収縮が大きく、粗い土は小さい。

砂を混ぜたり、焼き粉を混ぜたりして、収縮を調整することもある。

さて壁土であるが、見た目ほとんど縮んでいないようだ。

しかし水で練ってある・・・。

おそらく、石膏のように水と反応して硬化したのだろう。

石灰が多く入っているのだと思う。

石灰が多く入った土を窯で焼くと溶けてしまう。

縮まないのは良いが、溶けては困る。

やはり縮まない陶芸土はないのだろうか?         2001.3.22

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