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No.45 99/03/08
瑞穂消防署救急係長の脳出血について
救急出動が急増し、救急隊員の加重負担が問題となっている中、1月26日20時25分頃瑞穂消防署消防第一課救急係長奥山俊守さん50才(救命士)が、自宅において脳出血(橋出血)により倒れ現在においても意識レベルは三桁(重度の意識障害)です。
消防をよくする会は、急増する救急需要に対応するため、救急隊の増隊、出動が多い救急隊の4名勤務、救急隊員を広く確保するため救急標準課程の受講枠の拡大、救急医療機関の受け入れ充実等について、消防職員委員会に意見を提出する他、市長、市議会全会派等に申し入れを行ってきました。
本号は、脳出血と公務災害の関係について、「地方公務員災害補償」の実例や判例について弁護士の田原裕之さんから、また夜間勤務が及ぼす脳出血と高血圧の関連について名古屋大学名誉教授山田信也さんから執筆いただきましたので掲載します。
脳疾患と公務災害の認定
弁護士 田原裕之
はじめに
瑞穂消防署の奥山救急係長が脳出血のために倒れられたという報を聞きました。奥山係長は、救急出動が急増し、それが引き金となって脳出血を発症したとのことです。このような脳出血、一般的に言えば脳疾患は、どのような場合に「公務災害」と認定されるのでしょうか。簡単な説明をしたいと思います。
公務災害とは
地方公務員が、公務上の災害にあった場合には、公務災害として補償を受けることができます(地方公務員災害補償法1条)。この公務災害とは、「公務上」の負傷、疾病、障害、死亡を言います。そこで、どのようなものが「公務上」と言えるかが問題となるのですが、負傷の場合は、その認定は比較的容易なのですが、「疾病」の場合はその認定が困難になります。
脳疾患と公務災害
この「公務上の疾病」の範囲について、地公災基金理事長通達は、その(1)項、(2)項で具体的疾病を列挙し、その(3)項で「その他公務に起因することが明らかな疾病」を補償対象とする、と定めています。脳疾患は、(1)項(2)項に列挙されておりませんので、「公務に起因することが明らか」な場合に限って、「公務上」と認定されるという構造になっています。
はどのような場合に、「公務に起因することが明らか」と言えるのでしょうか。
まず、地公災基金の認定実務では、「災害主義」が取られています。上記地方公務員災害補償法1条でも「公務上の災害」となっています。つまり、何らかの突発的事件(つまり災害)を要件と考えているのです。先にも述べましたように、負傷の場合は比較的容易に「災害」を認定しやすいのですが、脳疾患の場合は、「災害」を特定することは通常困難です。そこで、発症から順次遡って、脳疾患発生の直接的原因があるかどうかを判定して行くわけです。通常は、発症から1週間程度以内に「通常とは異なる過重な負荷」が加わったか、を見るのですが、発症直前に通常よりも労働実態が過酷なものであった場合には比較的認定されやすいと言えます。しかし、普段から深夜勤務が継続し、その負荷が蓄積して遂に発症してしまった、というようなケースでは、直前1週間の労働実態だけから判断することは実態とかけ離れてしまいます。普段日勤勤務をしていて突然深夜勤務についた途端に発症した場合は認定されるが、普段から深夜勤務をしていた職員は認定されにくいと言う逆転した結果となるからです。
次に、素因(既往症)との関係が問題となります。普通、高血圧の人は脳出血を発症しやすいと言われています。その人は、公務が原因でなくとも単なる病気の結果で脳出血になっていたかも知れません。そのような場合に、単なる病気の結果と公務が原因となった脳出血とをどのように区別するのでしょうか。認定実務では、「相対的有力原因説」が取られていると言われています。つまり、素因と公務とが共に原因となっていると考えられる場合に、「公務が相対的に有力な原因となっている」と考えられる場合に、公務上と認定するという考え方です。
地公災基金の認定と裁判所の判断
上記のような地公災基金の認定基準は、国家公務員についての人事院の認定指針に準じたもので、民間労働者についての労働省の労災認定基準ともほぼ同一のものです。しかし、実際の認定は、民間
労働者の労災認定よりは緩やかに認定されてきました。それは、職員組合などが認定運動を進めたこと(警察官についても組織的な認定運動がされてきたといわれています)、審査委員に弁護士が加わっていることなどが影響していました。
それでも、上記の基準自体が厳格であるため、脳出血が公務災害と認定される例は限られていました。
そこで、公務外認定に対して、行政訴訟で争う例が増えてきました。最近の判例では、京都市消防局くも膜下出血死事件で、「公務上」と認める判決が出されています(大阪高裁平成6年2月23日判決)。このケースは、脳動脈瘤を持っていた職員が体力錬成訓練として1800メートルを走った直後にくも膜下出血を発症して死亡した事案です。地公災基金京都支部長は、脳動脈瘤という素因が原因であるから公務上とは言えないと判断し、一審の京都地裁も「脳動脈瘤破裂と公間に相当因果関係は認められない」と判断しました。これに対して、大阪高裁は、脳動脈瘤が体力錬成訓練のためにその自然的経過を超えて増悪した結果発症した、このような場合は、脳動脈瘤と公務が共働原因となって発生したものと言うべきであるから、死亡は公務に起因するものである」と判断したのです。この判断は、「共働原因説」という考え方に立つもので、公務と疾病の実態に即したものとして高く評価されています。
名古屋においても中学校教諭であった柏木さんが急性心筋梗塞によって死亡された事件で、名古屋地方裁判所は、公務起因性があると認定し、公務外認定を取り消しました(平成8年5月8日判決)。この判決に対して地公災基金名古屋支部は控訴しましたが、平成10年10月8日、名古屋高等裁判所は控訴を棄却し、公務災害であることが確定しました。
このようにして、地公災基金の公務外認定が裁判所の判断で覆る例が増加してきており、最近では、地公災基金の認定も(以前に比較すれば)緩やかになる傾向にあります。
結論
ですから、こうした事件では、被災者本人の勤務実態を詳細に検討し、これと被災者の素因とも合わせ検討して、公務が原因だと考えられる場合には、積極的に公務災害の認定手続を行うべきであると思います。それが、被災者本人の救済になる共に、こうした不幸な事件を今後生じさせないために勤務条件を改善していく力となると考えられるからです。
瑞穂消防署 救急係長 奥山さんが
倒れられたことを聞いての要望
山 田 信 也 (名古屋大学名誉教授)
救急隊の奥山さんが、一日14回もの救急出動が連続した勤務の明け日の夜、脳出血で倒れられたということを聞いて、もう25年も前のことになりますが、名古屋市の消防局から安全衛生の講話を依頼されたさいに、中消防署で消防と救急の仕事の実際について、いろいろと話を聞かせて頂いた時のことを思いだしました。このきっかけは、その年の2月、深夜に、名古屋城内の旧学生会館の大火災の消火作業で、「過重な激務による心筋梗塞」のために、中消防署消防副士長石田さんが殉職されたことです。
この時は、話の焦点は、消火出動と待機の勤務がどんな負担をもたらすか、が中心で、その話の中心は、24時間勤務の形態や、緊急出動のさいの大きな緊張と、大きなエネルギ−の消費などの健康への影響、健康状態を的確に把握し、健康の管理と仕事への適正な配慮をすること、などでした。
この時の私の講話は、「東海望楼」という消防局の機関雑誌(昭和48年:26巻8号)に「消防職員の労働衛生上の問題点」という題名で掲載されました。
当時は、救急隊の隊長は、救急活動と消火活動との兼務からはずし、救急専任にすることが始まってまもなくでした。隊員の人数の不足、次第に増えていく救急出動の依頼への対応が大変だということが問題になっていました。
私の理解では、救急隊の出動は、消火活動と比べてみると、24時間勤務の形態は同じであること、エネルギ−消費の点では少なくなっても、緊張の大きさや出動回数の点では、消防活動よりも大きくなっていることが考えられました。最近の救急の様子は、業務内容も深まり、出動の頻度も増え、救急隊はもちろん、受け入れの救急医療機関の負担も大変なものです。これを軽減するために、軽度の症例での救急依頼のあり方も問題にされるほど深刻になってきています。
消防・救急のように、緊張が大きかったり、エネルギ−消費が大きかったりする仕事は、一般の人では無理で、それに対応できる人でないと破綻してしまいます。わかりやすくいえば、心・身の機能が、こうした心・身の激務に耐えることが条件ですから、他の勤務の場合とは、ややことなった角度からの検討も必要でしょうがそうした人たちでも倒れるということはありうるのです。私はそうしたことを、石田さんの殉職のことから学びました。今回の奥山さんの場合の倒れられた前日から当日総長にかけての救急出動の連続の様子を聞いて、深刻な思いがします。
いずれにしても、健康をまもる、予防をするという立場から、奥山さんを始め職員の皆さんの健康状態が破綻してしまった場合の検討と、破綻には至っていないけれども、注意を要する健康状態がある場合の検討が必要です。
今回の奥山さんの救済と、こうした不幸を防ぐ努力のためにどんなことが必要か、管理に当たられる皆さんはもちろん、同僚の皆さんが、専門家の協力を得て、皆さんの仕事の実態を分析し、過重な負担をさける対策や、健康管理の成績とそれに対応する対策の実際を、充分に検討して下さることを期待しております。
働く人々の健康問題とその対策を研究している日本産業衛生学会の「循環器疾患の作業関連要因検討委員会」は、平成7年2月に、「職場の循環器疾患とその対策」という大部の報告書を発表し、職場での循環器疾患の予防対策をたてることの必要性を、労働との関係で詳しく提言しています。この報告書の中には、労災・公災裁決事例(74例)が記されており、三名の消防士の例があげられ、一例は公務上、二例は公務外となっています。
最近のいわゆる過労死裁判では、動脈硬化、動脈瘤や高血圧、労働による血圧の変化などが、労働の過重な負荷によって、どんな影響を受けたかが、よく議論されます。その中で、特に深夜交替勤務の影響は、日常の生理的な機能のリズムの乱れや睡眠・食事などへの良くない影響が中心になって、ストレス状態に陥りやすいこと、循環器の病気への影響が大きいことなどが、問題になっています。
これらの勤務の多くには、一日三交代あるいは二交代の勤務がベ−スになってい、これに労働時間延長や休日出勤も加わって長時間になったもの、これに過密な仕事、過重な責任が加わったものなどが多くあります。
消防・救急での一日24時間勤務、隔日勤務は、16時間の労働と8時間の待機・休憩とされていますが、現実は、実質的な24時間勤務です。待機・休憩に当たる時間に実質的な労働に当たることがあっても、それは時間外労働として扱われるだけです。休日配置には特別の配慮はありません。最近は4週8休が普及したといっても、それでも大変な負担のある勤務です。
こうした実態があることから、上記の産業衛生学会の委員会報告(九八年版)では、特別の項目で、「救急、
警察、保安など緊急時の危険業務に従事する労働者が、やむをえない理由で時間外労働に従事した場合は、かならず代替え休日や時間を保障することが望まし
い」と述べています。
こうした問題の原因は要員が少ないことが根本ですが、それだけ消防・救急の現状は条件が悪いということになります。
健康管理についてみると、労働省は、平成八年六月に労働安全衛生法を改正し、健康管理にあたる産業医の事業者に対する勧告権の付与、事業者の勧告尊重の義務、健康管理の結果にしたがう措置の実施などをきめました。この改正の趣旨としては「脳・心臓疾患等の成人病につながる所見を有する労働者が増加しており、−−−−職場生活において疲労やストレスを感じる労働者が増加してるほか、「過労死」が社会的にも大きな問題になっており、その予防のため総合的な対策を講じる必要があります。」と述べています。
私は、25年前にも、広く御願いしたことですが、今回の場合にも全くおなじように御願いをしたいと思います。消防・救急のような市民の生命・財産を直接的な危険・危害からまもる業務には、待つたのない緊急の対応が求められます。こうした出動が、消防・救急に従う人々の生活や健康の犠牲の上に成り立つようであってはいけないと思います。今回の奥山さんが倒れられたことの経緯は、ぜひ積極的に検討が加えられ、奥山さんの救済はもちろん、消防・救急の職員の皆さんの生活と健康を守ることが出来るように、名古屋市当局や議会での検討はもちろん、広く市民の皆さんが、自分達の日常の安全を守って頂くために消防・救急を委託し、御願いをしているという立場で、検討に関心を持ち、その解決に責任を感じて、関係の皆さんを応援して下さるように願わずにいられません。
年金・再任用制度
守れるか退職後の暮らし
65歳からとなる年金の満額支給開始
現在は、図1のように60歳で退職すると、すぐ年金が満額受給できます。しかし、昭和16年4月2日(司令以下の場合は昭和22年4月2日)生まれの人から、定額部分の支給が段階的に引き上げられ、昭和24年4月2日(同 昭和30年4月2日)生まれの人からは、65歳からの支給となることになっています。このとき支給額は、半額ぐらいになると言われています。
現行制度
60歳 65歳
特別支給の
|
報酬比例部分
|
退職共済年金
|
退職共済年金
|
|
老齢基礎年金
|
昭和24年4月2日以降の生まれの人
60歳 65歳
特別支給の退職共済年金報酬比例部分
|
退職共済年金
|
老齢基礎年金
|
図1 満額年金引き上げの例
表1 司令長以上の満額支給開始年齢
生 年 月 日
|
満額支給開始年齢
|
S.16.4.2.〜18.4.1生まれ
|
61歳 |
S.18.4.2〜20.4.1.生まれ
|
62歳 |
S.20.4.2〜22.4.1.生まれ
|
63歳 |
S.22.4.2〜24.4.1.生まれ
|
64歳 |
S.24.4.2〜
|
65歳 |
表2 司令以下の満額支給開始年齢
生 年 月 日 |
満額支給開始年齢
|
S.22.4.2.〜24.4.1生まれ
|
61歳 |
S.24.4.2〜26.4.1.生まれ
|
62歳 |
S.26.4.2〜28.4.1.生まれ
|
63歳 |
S.28.4.2〜30.4.1.生まれ
|
64歳 |
S.30.4.2〜
|
65歳 |
再任用制度
年金の満額支給開始年齢の引き上げに伴い、退職後の生活の維持が困難になってきます。このため、人事院は「雇用と年金との連携を図り得る仕組みを整備する」として再任用制度を設けるよう政府などに申し入れを行いました。この制度は、定年延長とは異なり、一旦退職した上で、新たな条件で再任用するもので、その概要は次の表の通りです。
大丈夫か 再任用
年金の満額支給年齢が引き上げられることが決まっている以上、再任用は収入の保障としてはいい制度かも知れませんが、いくつかの疑問点も残ります。。
(1) 希望者全員が再任用されるか
再任用案は、再任用職員の任用も、現在の定員の枠内で行うとしています。消防局でも最大で400人程度の再任用対象者が出る時期があると考えられますが、約2300名の定員の枠内で希望者全員を任用することは可能でしょうか。
(2) 高齢者にふさわしい仕事が与えられるか
再任用職員も本格的職務に従事することとなっていますが、消火、救急、救助といった消防業務が、高齢の職員にできるでしょうか。
(3) 生活に必要な収入が保障されるのか
再任用されても、フルタイムの場合共済組合員になることになっていますから、現在の制度では、その間年金の報酬比例部分も受給できなくなります。また、給料は現役時に比べてかなり少なくなりますが、短時間勤務の場合は更に勤務時間に応じた額しか受給できませんので、これで老後の生活が確実に守れるのか、はなはだ疑問です。さらに、2月26日発表された厚生省の今回の年金改定案では、2013年度から、比例部分でさえ段階的に支給開始年齢を引き上げ65歳からの支給にすると言うのですから、ますますどれほどの収入が得られるのかが心配になってきます。
(4) 働けない人をどう救うのか
60歳にもなると、働けない人も出てきます。そうした場合生活が保障されるのでしょうか。
職員と市民に納得のいく制度を
消防のような職域は、事務職と全く同じ扱いでは、無理があります。再任用職員が担当できる職域を定員の枠外でも認めるとか、必要な場合は年金を例外的に支給するなどの特例も必要ではないでしょうか。また、市民の立場から言えば、60歳を過ぎた人が、市政相談員ならいざ知らず、消防隊員や救急隊員であったら、信頼を寄せることができないと思います。市役所にしろ消防局にしろ市民のためのものです。我々職員とともに、市民が納得できる制度の構築が必要です。
警防よろず話 No.15
爆発についてNo.3
爆発には、火災から爆発に到る場合、爆発から火災に到る場合があります。時には、爆発のみで終息することもあります。何れにしても、人命や財産等に多大な被害を与えることには、違いはありません。
前回に引き続き、物質の状態による爆発の種類のうち、ガス爆発については、前回述べましたので、今回はミスト爆発から入りたいと思います。
1 ミスト爆発
ミスト爆発が起こるのは、可燃性液体が霧状になって空気中に噴出して浮遊状態となり、ちょうどガス−空気混合物と同様な爆発性の混合物を生成するためです。したがってこの混合物に着火源を与えると、液滴が蒸発気化して空気と均一に混合して発火、爆発するわけであります。この場合、沸点や引火点が高い作動油や潤滑油であっても十分爆発を発生させます。また、高圧空気配管内に薄膜状に高沸点の油類が付着していて、ここに激しい爆発が伝播してくると、油を微粒子状に巻き上げてフィルムデトネーション(油膜爆轟)に発展し、配管系に壊滅的なダメージを与えるような大きな被害を起こすことになります。
2 粉塵爆発(図4参照)
この爆発は、金属、プラスチック、農産物(穀物類)、木材、石炭、硫黄、繊維物質などの可燃性の固体が微小な粉末になっていて、空気爆発下限界濃度以上の濃度になっているとき、着火源が存在すると混合ガスと同様な爆発現象を起こします。ガスに比較して燃焼速度は小さいが発熱量が大きいのが特徴であります。粉塵の粒子が、
微粉ほどガス爆発に近い爆発現象となります。
可燃性の粉塵は、可燃性の固体の粉砕や加工時に生ずるほか、固体物質の輸送取り扱いにおいても起きることがあります。
固体物質を小さく分割していくと粒状となり、さらに分割すると粉末に至り、また、液体の蒸気が凝縮して液滴となり、さらに冷えて個化(昇華)すると微粉末となる。煙霧や煤も粉塵の一種といえます。
このような微小な固体は空気中で浮遊したり、分散したのち、低い場所に沈降堆積することとなります。
これが浮遊しているときは、ちょうどガスが空気中に拡散している場合によく似ており、着火源があれば、容易に爆発することになるわけです。
通常は爆発するとは考えられないような穀物の粒子や(後記、火災事例参照)木片、軽金属片なども微粉化されるとおそるべき粉塵爆発を起こすことになります。
粉塵爆発を未然に防いだ火災事例
輸入穀物倉庫に満載されたトウモロコシから出火しましたが、倉庫内は密閉されており、酸素不足となり、炎上はすることなく、火種となってトウモロコシが、燻っている状態でした。しかし、この状態で、穀物運び出し口から搬出し、消火活動を実施したならば、トウモロコシ粉塵に着火、大爆発の危険がありました。そこで、二酸化炭素ガスを大量に放出しながら、内部温度の測定を継続し、内部の火災状況を監視すること約1週間後、内部の温度低下を確認したため、噴霧注水を実施しながら、搬出、鎮火を確認しました。
1) 粉塵爆発のメカニズム
粉塵爆発にいたるメカニズムは、図4の経過を経て形成されます。
図4
2) 粉塵爆発の特性
各物質における粉塵爆発の特性については、表2に示したような特性があります。
表2
|
発火点℃
|
最小点火Emj
|
爆発下限g/m3
|
石 炭
|
610
|
40
|
35
|
アルミニウム
|
645
|
20
|
35
|
小 麦
|
470
|
160
|
60
|
ポリエチレン
|
410
|
10
|
20
|
木 粉
|
430
|
30
|
40
|
石 鹸
|
430
|
60
|
45
|
砂 糖
|
410
|
−−−
|
19
|
ゴ ム
|
350
|
50
|
25
|
マグネシウム
|
520
|
80
|
20
|
3) 一般的なガス爆発との対比
粉塵爆発には、一般的にガス爆発と異なり、次のようなことが、特徴としてあげられます。
ア 点火エネルギーが大きい
|
エ 燃焼帯の長さが長い
|
(ア) ガソリン 0.2 mj |
オ 発生エネルギーが大きい
|
(イ) 小麦 160.0 mj
|
カ 二次爆発の危険が大きい
|
イ 燃焼速度は小さい
|
キ 発生COが多い
|
ウ 爆発圧力は小さい
|
ク 破壊力、焼けが著しい
|
今回は、紙面の都合上、粉塵爆発までとしましたが、過去に炭鉱において、炭塵爆発、アルミ加工場におけるアルミ粉塵爆発等による各種粉塵爆発が多く発生しています。現場活動の参考になれば幸いです。次回は固体爆発、蒸気爆発へと続く予定をしています。
アンケートを出して消防をよくしていこう
みんなの意見がまとまれば改善は進む
消防をよくする会は、平成11年度の消防職員委員会に向けて全消防職員を対象としてアンケートを実施します。同封しましたアンケートはがきに記入の上、切手を張らずに匿名で投函して下さい。
消防職員委員会の制度は様々な制約がありますが、消防職員の世論を盛り上げまとまった意見を提出し、真剣に審議すれば私たちの意見・要望を実らせることが可能となります。すでに「通信室や事務室に情報収集用のテレビの配置」、「血液感染防止対策」、「シャーワートイレの設置」、「仮眠室の個室化促進」、「三連はしごの軽量化」等を初め多くの意見要望が消防職員委員会をとおして実現しています。
なお、今回初めての試みとして、家族の方の意見・要望・提案をまとめます。
アンケートに託された意見・要望・提案は消防をよくする会の幹事が提出します。
消防職員委員会へ提出できるのは個人と限られているため、消防をよくする会はアンケートに託された意見・要望等について、各部門ごとに研究し幹事が消防職員委員会に提出します。
なお、予算や組織等についての意見は受け付けられないことがあります。この場合、消防職員委員会が受理した意見を含めて、市役所内の世論とするため、市長、市議会全会派、各労働組合等に協力要請を行い改善を進めます。
皆の意見を反映できる人を委員に選出しよう
新年度が始まりますとまもなく消防職員委員会の委員の選出が行われます。消防をよくするための改善を進めるためには、提出された意見・要望が真剣に審議されることが必要です。そのためには、消防職員の意見・要望をキッチリ受け止める人を多数選出することが必要です。消防職員と市民の立場に立って、改善をすすめていける人を多数消防職員委員会に選出しましょう。
消防をよくする会への入会を心から呼びかけます
消防をよくする会は、1996年4月20、21日の設立総会で宣言した「市民と消防職員の願いに応えるためには、私たちの消防が災害から市民を真に守るようにすること、消防職員が元気はつらつと仕事ができる働きやすい職場をつくること、そして一人ひとりの消防職員が大切にされ憲法が生かされた民主的な職場を造ることが必要となっています。・・・中略・・・そのために、私たち消防職員が集い、考え、行動する「消防と防災をよくする名古屋市消防職員の会」を結成しました」組織です。
消防をよくする会の会員は一般会員と正会員(月500円の会費負担)から成る、消防局と消防署及び名古屋市防災管理公社に働く職員で構成し、現在の会員は300名を大きく上回っています。また、自治労消防職員協議会や全国消防職員ネットワークの会加入の別なく、消防と防災をよくする課題で一致する全国51の団体個人と協力・共同しています。
消防をよくする会の主な活動は、ニュースの発行、インターネットホームページの開設、関心の高い事項をテーマとしての勉強会、会員と職員・家族との親睦を深めるための釣り大会を行っています。さらに、消防をよくする会の5名の協力弁護士による無料法律相談も行っています。毎年1月17日の阪神大震災のメモリアルデーには、医者、建築家、住民団体、研究者、労働組合等幅広い各層に呼びかけて集会を開催しています。
年齢、階級にこだわらない、会員は皆平等の組織です。多数の入会を心から呼びかけます。なお、消防をよくする会の行事等は全てオープンにしていますので、会員以外であっても自由に参加することができます。
矢作川のアマゴ
名古屋市に最も近いアマゴ釣り場といえば、矢作川です。今年も2月14日(日)に特別解禁され、笹戸温泉から小渡までの間に1トンの成魚が放流されました。その後、釣り人が入る毎に魚は減っているわけですが、あまり釣れていないのが現実です。いいかえればまだまだたくさん残っているはず。水温が低いのと水量が少ないのとで、淵に群れていて食い気がありません。暖かい雨が降って、アマゴが瀬に出て活発にエサを取るようになれば良いのですが、しばらくは食い渋るでしょう。今の釣り方は、ウキ釣りがおすすめです。水深があって流れのゆるい場所で、カワムシ又はミミズのエサでじっくりねばります。実績のあるポイントは、両国橋の上・下流で、だれかが必ず竿を出しています。できるだけ長めの竿で、感度のよいウキを使い、静かに釣るようにします。エサのカワムシは現地で十分採れます。日釣り料金はたった300円、非番で十分、だめでもともとのつもりで一度でかけてみてはいかが。自分は3回釣行し、計32匹釣っています。詳しくは中消防署・野中まで。
行事予定
救急隊員の健康について
日時 4月3日・4日10時から
場所 中生涯教育センター
インターネットでアンケートに回答しよう!
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