以下の話は、私が知ってる範囲で書いています。(主に市町村レベル)
ので、間違いとか、自治体によっては違う方法をとってるとか、そういうことがたくさんあると思います。
そのへんはどうか温かい目で見守ってくださいませ。(笑)
←このマークが付いたものは、皆さんから寄せられた質問をもとに書いたものです。
その5 分類の話パート2 |
前回、同じ本なら、どこの図書館も同じ番号が付けられる、という話をしましたが、 今回は、そうでもない、という話をしたいと思います。 えっ?ウソをついたのかって?そうじゃありません。まぁ最後まで聞いてくださいな。 十進分類法は000〜999まであり、とても細かく分かれていますが、 その中には、重複しているというか、差が微妙な分野っていうのがあるんです。 例えば、290「地理・地誌・紀行」と915「日本文学 日記・書簡・紀行」 ね?どちらにも「紀行」が入ってるでしょ? いわゆる「旅行記」はどっちにも入りうるんです。 最終的にどちらに入れるかは、内容を見て、職員が判断してるんだと思います。(たぶん) それから、「子供の名づけ辞典」これも分類上微妙な分野の本です。 私が働いていた図書館では、「288(系譜、家史など) 599(育児) 148(占い)」 の3ヶ所に別れて置かれていました。 で、妊婦さんに「子供の名づけ辞典なんかはどこにおいてありますか?」と聞かれると、 どこに案内したらいいものか、非常に困ったものです。 大きいお腹の人を歩かせるのは申し訳なくてねぇ…。 こういう本は同じ市内の図書館でも、それぞれ違う分類番号が付けられたりしていて、 それもやっかいだったりします。 そうかと思えば、似ているようで違う、という分野もあります。 例えば、007「情報科学」と547「通信工学・電気通信」 実際に図書館に行かれるとわかると思いますが、どちらもパソコン関連の解説本が多く並んでいます。 ので、重複した分野のように見えます。 でも、よ〜く見ると、007の方にはOSやソフトに関する本が並んでいるのに対して、 547の方にはインターネット関連の本が置いてあります。 今あげたものの他にも、こんなケースがたくさんあると思います。 「もうちょっとどうにかならないのか?」と思われるかもしれませんが、その以上の事は私にはちょっと…(笑) まぁとにかく、こういう事がある、って事だけわかっていただければ…。 |
その4 分類の話 |
今、手元に、司馬遼太郎作「新史 太閤記 上」の文庫本があるので、これを例にお話したいと思います。 この本を、上記の情報だけを頼りに、本屋さんに行って自力で探すとしたら、どうしますか? 「文庫本のコーナーに行って、しらみつぶしに探す」という方が多いのではないでしょうか? 書店では、出版社別に文庫は並べられています。 司馬氏のように、いろんな出版社からたくさんの本を出している作家の本を探すのは一苦労です。 ましてや、最近増えた大型書店ならば、なおさらです。 「大型書店なら検索機が備えられているから、それを使えばいいじゃないか」 最近はそういうのが増えてきました。便利ですよね。 でも、もし、それが備え付けられてない書店だったらどうします? そういうところにはたいてい、出版社別の文庫目録が棚の側面にひもでぶらさがっているものです。 知ってる方もいらっしゃると思いますが、あれは便利ですよ〜。 巻末に著者索引、書名索引がついてるので、 それを使ってどこの出版社から出ているかを特定して、そこの棚に行けばよいのです。 それでは、同じ本を図書館で探すとしたら、どうしますか? やはり「しらみつぶし派」が多いのではないでしょうか。 図書館の本は前回書いたように「日本十進分類法」に基づいて並べられています。 書店だと商売ですから、客が見やすいよう、配置を工夫する事ができますが、 図書館では、分類法という基本をはずす訳にはいきません。 だから普通、図書館のほうが本を探しにくいと感じるでしょう。(私は逆なんですが) 昔は、「書名あ〜お」なんて書かれた引き出しをあけて、中の大量のカードを爪で一枚一枚めくって… なんて方法でしたが、今は検索機があるので、それで簡単に特定できるようになりました。 結局、書店も図書館も本の探し方は一緒ですね。 じゃなんで図書館の本は「分類」されているんでしょ? 管理する側の都合なだけかもしれませんが、 一つ(本当はもっとあるのかもしれませんが)とってもいい事があるんです。 それは「日本全国どこの図書館も本の並び順は一緒!」 書店だと、売れ筋の違いやなんかで、店ごとに本の配置が違いますよね? 図書館だと、スペースが許す限り、分類番号順に書架が並んでいるし、 先ほどの「新史太閤記」なら、どの図書館でも「913.6−シ」(注)という番号がつけられているので、 初めて行く図書館でもスムーズに本が探せるんです。 自分の探してる本の分類番号がわかれば、の話なんですが。(笑) …なんて言って、実は図書館でも、文庫本はまとめて置いているところが多いんですけどね。 注:「913−シ」、あるいは数字を省いて「シ」とだけ表記する事もあります。 |
その3 図書館用語の基礎知識? |
図書館には、独特な用語がたくさんあります。 ついうっかり使って「それってどういう意味ですか?」と聞かれる前に、 いくつか説明しておこうと思います。 【書架】…本棚のこと。 【開架】…利用者が入れる場所(にある本棚)のこと。。 ここにおいてある本は、利用者が直接手にとって見ることができる。 【閉架】…開架の反対語。書庫など、職員や限られた人しか入れない場所(にある本棚)のこと。 ここにある本は、いわば「しまってある本」なので、 職員などに言って、出してきてもらわないと見る事ができない。 【分類】…「日本十進分類法」の事。または、それに基づいて本につけられた数字の事。 図書館の本は「日本十進分類法」というものに従って、内容ごとに分けて置かれています。 基本は3ケタの数字。本の背表紙にその数字を書いたラベルが貼ってあります。 コンピューターを導入している所では、本にバーコードがついていますが、それとは違います。 |
その2 古くなった本はどこへ行く? |
前回は、本の購入方法を書いたので、今回は古い本の行く先の話を。 どうするのかと言うと、主に3つあります。 1、保存。貴重な本とか、永年保存と決まっている雑誌とか、 要するに、職員が保存する!と決めたものは大抵、書庫にしまわれます。 (書庫がない所はどうするのか?それはわかりません。笑) 書庫は利用者が入れないところですが、入ってみると、 「うわ!懐かし〜!」というような本がたくさん入っていて、面白いです。 2、リサイクル。自治体によって違うと思いますが、利用者に本を譲っていることがあります。 興味のある方は地元の図書館に問い合わせてみてはいかがでしょうか? ただし、予約とか、自分の欲しい本がいつリサイクルにまわるか? という質問は受け付けてない所がほとんどだと思うので、 そのへんは地道にチェックすることになると思います。 それから、児童本は学校などの施設優先、というパターンが多いみたいです。 3、廃棄。汚破損のひどいものなど、本としてリサイクルできないものは廃棄されます。 ちなみにビニールカバーのかかった表紙は燃えないごみ、中身は資源ごみです。 |
その1 図書館の本はどこから来る? |
図書館の本の入手方法は、主に2つあります。 一つは、書店から購入するという方法です。 といっても、職員が本屋さんに行って買ってくる訳ではありません。 注文して取り寄せるという方法もありますが、 図書館独特の方法として、「見計らい」(みはからい)というのがあります。 まず、契約している書店から現物が送られてきます。 これを職員が実際に読んだりして、購入するかどうか決める、というやり方です。 もう一つは寄贈です。利用者などからの寄贈本を受入することがあります。 カバーは新しいのに本自体は古い、なんてのを見つけたら、それは寄贈本の可能性が高いです。 (「寄贈本」のハンコが押してあることもあります) |