原題「Amy’s Eyes(エイミーの眼)」
どんな本でもそうだけど、テーマやオチを喋ってしまうと、魅力半減。
なので、カヴァーに書かれたことだけ、触れますね。
同じカゴに入れられて“子どものいえ”の門に置かれた“エイミー”と“キャプテン”。兄と呼ぶキャプテンは、実はお人形。でも、ある日、入れ替わってエイミーが人形に、キャプテンが人間になってしまうんです。
さあ、それからふたりは、いろいろあって、帆船「アリエル号」に乗り込み、海賊のお宝を探しに船出することになるんですが……。
と書くと、どこにでもありそうなお話みたいですが、これが全然違うんです。
子どものエンターテインメント、といっていいほど、壮大なホラ話(誉め言葉だよ)が次から次へ。ちょっとだけネタばらしすると、「お人形」がキイワードですね。他にも、いろんな人形(一応)があふれるくらい出てきて、わくわくしますよ。
いわゆる「文学的」なものからはほど遠いけれど、やっぱりお話は楽しめなくっちゃ。
本のページにして600頁もある壮大な物語。全部で50章近くあるのを、毎晩1章ずつ読み(聞かせ)ました。
ヴォリュームの分は充分、楽しめましたね。
ただ、オチ——ラストがちょっとだけ、私たちにとっては納得のいかない展開……。
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(ここからネタばらし——未読の方は、やめておいてね)
エイミーが元通りなのはまあいいとしても、いうことなすことが、ちょっとひどいんじゃない? だって、キャプテンが死んだのよ〜! そのキャプテンを死なすことも、納得行かない! これは子どもの本、ましてやエンターテインメント、オトナの論理や「教訓」なんて持ち込むこと、ない! (これは強調したい!)
私はこれは、「くまのプーさん」と同じで、子ども部屋で起こった奇跡の物語、と受け止めてます。だから、最後はやはり、甘々でもいいから“大円団”がよかった。
海賊をやっつけて、裏切り者は始末して、犠牲は払ったけど、みんなよかったね、で終わって欲しかったよ〜っ。
というわけで、せっかくの物語が、中途半端な感じで終わってしまいました。
娘はさっそく、自分なりの収拾の付け方を考えています。(つまり、勝手にお話を作ってしまってます——それも、また楽しみかも?)
(08/99) |