8がつ29にち。
きょう、あかりが、え日記かいた?とゆってきた。
そんなもんしゅくだいなのをわすれてた。
でも、こんくらいのりょうでいいなららくしょうだぜ!
あかり→
おれ→

「何よこれー! ヒカル、升目全然無視してるじゃない!」
「るっさいなぁ。四マスで一字だよ。無視してねぇよ」
「こんなんじゃ怒られるよ!」
「いいんだよ。参加することにイギがあるって昨日テレビで言ってた!」

8がつ30にち。
もうすぐなつ休みがおわるのでざんねんだ。
きょうのおひるはそうめんだった。
さいきん母さんは3日くらいずっとそうめんだ。
ベランダにせみのしがい→

「きゃぁ、きゃぁ、きゃぁっ!!」
「るっせいなぁ。なんだよ、あかり!」
「何よこれー。もー。ヒカルやだー!」
「つーか人の日記勝手に見んなよ!」

8がつ31にち。
きょうでなつ休みがおわるのでざんねんだ。
きょうもおひるはそうめんだった。
きのうの日記を見て、あかりがうるさかった。
うるさいあかり(おに)→
おれ→

「ヒカル、ひどーい!私、角なんてないもん!」
「うっそつけー。あるぜー。そんで目からビームも出るんだよなー。宇宙怪獣あかりごんー」
「ひどーい!!」


 二学期になって、提出した絵日記が先生から返ってきた。
 進藤くんは、藤崎さんととっても仲がいいのね。
 いくつかの文字が漢字に直され、コメント欄には赤字でそう書かれていた。
 一緒に返ってきた「夏休みの友」と、押入れに突っ込んでそのまま忘れていた。高校生になったあかりの部屋で、古くなった帳面を見つけるのはもう少し先の話。