立教女学院中学校・高等学校

学校説明会 2008年5月28日


立教女学院に向かうのに、わたしはいつもJR西荻窪駅から「立教女学院行き」のバスを利用します。ですが、塾対象説明会に参加する塾の先生方は、圧倒的に井の頭線の三鷹台駅を利用する方が多いようです。

わたしの家の方面からはぐるっと遠回りになりますが、もしかして、バスに乗るより吉祥寺まで出て井の頭線に乗るほうが早いのかも。そう思って、今年は三鷹台駅を利用してみる気満々でした。ですが、いざ出かけてみると、やはり初めてのルートで行くのが不安になってきて、けっきょくまた西荻窪からバスで行くことに・・・(^^;;

バスの待ち時間プラス乗車時間で、今回は20分以上かかってしまったので、もしかしたらやっぱり遠回りでも電車で行ったほうが早かったかも。いずれ時間に余裕がある時に、三鷹台を利用してみて、どちらが早いか検証してみたいものです。

さて、バス停でおりると、立教女学院はすぐ目の前です。にこやかで感じのいい守衛さんに身分チェックを受け、校内に入ります。ぐるっと校舎を回って会場に向かうと、掃き掃除をしてらした職員の方からもにこやかに挨拶していただきました。校舎のガラス越しに特別教室で授業を受けている中学生のクラスが見えます。広いグラウンドでは、体育の授業が行なわれています。

幼稚園から短大までそろっているだけあって、都心の学校の出身者から見ると、うらやましいほどのゆったりしたキャンパスです。受験生や保護者の方たちも、きっとこのキャンパスを歩いただけで立教女学院への志望意欲が沸くことでしょう。

建物に入って説明会の受付にいって手続きをすると、あらかじめ校舎見学を希望していたため、整理券が渡されました。どうやらこの整理券に従って見学の誘導がなされるようです。説明会が終わってから見学が始まるまでの手際が悪くイライラさせられる学校もけっこうありますから、この方式は合理的でスマートであると思いました^.^

会場に入ったのは、開始5分前でけっこうぎりぎりでした(^^; おどろいたのは、講堂などにくらべてさして広くないホールとはいえ、すでにほとんど満員となっていたことです(@@) 塾対象説明会の参加者数が以前より増えているのかな?と感じさせられました。

会場のテーブルにはあらかじめ資料が置かれています。一番上には、新約聖書の「フイリピの信徒への手紙」の一部と、礼拝用書の「ラインホルド・ニーバーの祈り」がプリントされた紙が置かれています。定刻になって、司会の副校長先生より開会のご挨拶があったのち、はじめに学院付牧師さまの佐々木チャプレンより、これらのご説明があり、開会祈祷が行なわれました。

続いて、校長先生より「立教女学院の目指す生徒像」と題したお話がありました。はじめに「初めてこのちゃんパスに足を踏み入れた方は挙手を願います」とおっしゃったのですが、会場を埋めた塾の先生方の半数近くが挙手なさったので、その比率の高さにびっくりしました(@@) 大手塾では先生の入れ替わりが激しいためかもしれませんが、立教女学院が塾対象説明会を行なっていることが周知されてきた結果かもしれません^.^

つぎに、先日中国で起きた大地震についてのお話をされました。この大地震では日本からも救援隊が差し向けられ、母と子の遺体を収容しました。この際、日本の救援隊が一列になって黙とうを捧げましたが、このニュースが世界中に流され、深い感動を呼びました。

校長先生は、「祈りとは、そういうものだと思う」とお感じになったそうです。現代では、自分らしさを失った人が多い。特に若い人で、ハウスでなくホームを失った人がいる。現代社会は、子どもたちの心を傷つける深い闇のようになっている。そういった中、本校では毎朝20分の礼拝を行なっているそうです。

最近では、キリスト教の学校の中でも、20分も礼拝を行なうぐらいなら、その分授業をしたほうがいいと考える学校も出てきたようです。ですが、校長先生、は自分と向き合う、自分の心をのぞく20分はすごく大切だと思ってらっしゃるそうです。そのことを通して、他人を思いやる心も育つのではないかと考えてらっしゃるそうでした。

お話は、最近ベストセラーとなって話題になった『カラマーゾフの兄弟』にも及びました。この作品は「ニヒリズム・エゴイズムにおおわれている」ものですが、作品中の「本当に困った時は、地にひれ伏して祈れ」という一節に、こうしたものが「日本の社会に必要なんじゃないか」と感じられ、「宗教心を取り戻したい」とお考えになったそうです。

また、本校では、「知的で品格のある、凛とした女性」が目指す生徒像です。そのために平和教育にも力が入れられています。「女性が平和を担う役割を果たすべきだ」と考えてらっしゃるそうでした。

校長先生のお話が終わり、続いて教頭先生より入試についてのご説明がありました。2008年度の入試では、110名の募集に対し、360名の応募がありました。実受験者は356名で、棄権は「たったの4名」だったそうです。このことから、「第一志望にかける思いが感じられた」そうでした。

合格者は116名で、実質倍率は3.07倍です。合格者全員が入学手続きをしました。ですが、手続き後の辞退者が帰国で10名、一般で13名出たそうです。興味深かったのは、この辞退者が進学した学校が発表されたことです。青山学院6名、明大明治2名のほか、鴎友、浦和明の星、渋渋、慶應湘南藤沢、不明が各1名とのことでした。立教女学院受験者の併願状況がわかります。

さて、気になるのは来年の2009年度入試が、いわゆる「サンデーショック」の年に当たることです。2月1日が日曜日となるため、本校は試験日を2月2日に移動します。

2004年の入試が同じ状況でしたが、その時は90名の募集に対して応募者は504名でした。ですが、合格者も多く出したためか実質倍率は3.5倍でしたので、「そうはかわらない」と考えてらっしゃるようです。

保護者同伴面接は、1月31日(土)に一組10分程度で行なわれます。時間帯は、出願時に午前9時から午後4時の間で指定されます。「本校がキリスト教主義の学校であることを理解していただくため」に行ない、「本校は20分の礼拝がありますが、よろしいでしょうか」というお話をされるそうです。

受験生本人には「志望理由」「小学校でがんばってきたこと」などが質問されます。保護者には「家庭のことなど」です。入試2日前なので、入試に向けての「モチベーションアップ」も狙いであるそうです。なお、「これで落とすことはない」とのことで、合否には関係ないことが強調されていました。ただし、入学後の指導の参考にはされます。

繰り上げ合格は2月9日(月)までに電話で行なわれます。2月10日(火)に第一回の保護者会が行なわれるため、これ以降の繰り上げ合格はありません。

続いて、「学校の紹介」と題したお話がありました。本校は「知的で品格のある凛とした女性」の育成を目標としています。礼拝の特徴は、音楽を中心としていることです。宗教音楽の教育に熱心であり、礼拝は76年の歴史を誇る聖マーガレット礼拝堂で行なわれます。

さまざまな行事で聖徒による宗教曲の合唱があります。入学式、クリスマス礼拝などです。

本校はプロテスタントでも、イギリス国教会の系統となります。「プロテスタントではあるが、形式を重んじる。ちょっとカトリックに似た点もある」とのことでした。

本校の特徴である土曜集会は、年間10回行なわれます。昔は日曜日に行なっていたそうですが、時代の趨勢により土曜日に変更になり、今日にいたっているそうです。毎年テーマが決められており、2007年は「食べ物といのち」、2008年は「隣人を大切にして平和な世界をつくろう 伝道・奉仕・平和」でした。

この土曜集会は、「将来を考えることの大きな支えになっている」そうでした。

修学旅行は、平和学習の一環として行なわれています。中3は長崎、高2は沖縄です。以前はそれぞれ東北地方と京都・奈良でした。この変更は、「大きな決断」だったそうです。

生徒会活動は、「すべての行事を生徒の自治によって運営する」のが基本方針です。制服はありませんが、生徒総会で「このようにしていきましょう」と申し合せがなされるそうです。

文化祭は10月に行なわれますが、先生のもとにはもう分厚い企画書が提出されているそうです。これをもとに、秋まで先生との間でやり取りが行なわれるようです。

本校の生徒の特徴は、「元気で活発」であることです。「おしとやかな、おとなしいイメージはまったくありません」とのことで、「どちらかというと男まさり」であるそうでした^.^

ボランティア活動については、阪神淡路大震災の際にも40名が交代で出かけていきました。今回の説明会では、その時の体験をもとにした『共に苦しむ』という小冊子が配付されました。

新中1のオリエンテーションは、先生ではなく高3の生徒が行いました。学校の決まりなどを教えたほか、グループワークや楽しいゲームなどもあったそうです^.^ 先輩から「心配しなくてもだいじょうぶだよ」という言葉をもらうことが大事だと考えられているそうです。

進路指導については、中1のうちからロングホームルーム等で将来について考えます。4年前から、立教大学への推薦要件がかわりました。60名の枠がなくなり、平均評定3.5以上という枠もなくなりました。

2006年よりコース制が取られています。立教大学にない学部を目指す生徒などが対象で、理系コースと、文i、文iiコースがあります。

立教大へ推薦で進学する生徒は100名程度で、ほかの四年制大学に60〜70名が進学します。進路については、「今後もこのような感じで行くんじゃないか」とのことでした。

教頭先生のお話が終わり、つづいて4教科の先生方から入試問題についてのご説明がありました。国語・理科・社会については例年通りのようです。算数については、2008年の平均点が前年より10点増えましたが、これは問題量の減少と配点の変更が原因だそうです。

最後に高校のARE卒業論文のご説明があったのち、説明会は終了しました。引き続き、希望者の校内見学が始まりましたが、整理券方式を取られたため、非常にスムーズに見学が開始されました^.^

説明下以上を出て渡り廊下を行くと、右手に巨木がそびえています。本当に緑の多い環境です。高校校舎はあいかわらずレトロで、すばらしいおもむきがあります。通路には、蛍光灯ではなく、白熱灯が下がっています。最近、政府の方針で、省エネのために白熱電球の生産を中止し、すべて蛍光灯に置き換えるというニュースがありましたが、立教女学院の通路のこの白熱灯もいずれはなくなってしまうのでしょうか・・・?

チャペルと中高交代で礼拝に使われる講堂は、座席の木の色に年月を経た渋味を感じます。移動の最中にたまたま休み時間を告げるチャイムが鳴りました。とても荘重な響きで、まさにこの校舎にぴったりであると感じました^.^

やがて見学の列は聖マーガレット礼拝堂への渡り廊下を進みます。もう何度も来ている場所なのに、礼拝堂が近づくにつれ、あいかわらず背中がゾクゾク、ピリピリとします。礼拝堂のパイプオルガンは最近新しいものに取り替えられたそうでした。途中からこのパイプオルガンの演奏が始められましたが、パイプオルガンの重低音が大好きなわたしは、ずっと聞いていられなくてちょっと残念でした(^^;

高校校舎の廊下にもどると、廊下の壁にかけられた掲示板に、大きな字で「スカートの長さが問題になっています。行動で示しましょう」と書かれているのが目にとまりました。説明会でお話があったように、服装についても生徒たちは自主的に取り組んでいるようです^.^

服装といえば、以前と変わらずほとんどの生徒がチェックもしくは無地のミニスカートで、上は白系のセーターという制服っぽいかっこうをしています。何も知らずに本校の説明会に参加した人がいたとしたら、最後まで制服のない学校であると気付かないかもしれません。生徒が自主的に取り組んでいるためか、乱れた印象の服装の子は一人も見かけませんでした^.^

その後、図書室や中学校舎を回って見学は終了しました。休み時間にすれ違う何人かの生徒たちが「こんにちはー」と挨拶してくれたのが好印象でした^.^

訪問してみての感想は、説明会で第一志望率が高いことが強調されていたのが十分に納得できる学校だなあ・・・というものでした。お話の内容はたいへん宗教色が強いですが、それだけに「あこがれのミッションスクール」そのものであり、個性的です。すばらしいキャンパスや校舎も相まって、「立教女学院でなければならない!」と思われる方が多いのではないでしょうか。

立教大学以外の進学先も国公立大や医学部などもあり、それほど限定されないのも魅力的です。これからも、少女たちのあこがれの学校であり続けるのではないかな・・・と思いました^.^


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