千代田女学園中学校・高等学校


塾対象説明会 訪問日時:2002年9月24日

地下鉄有楽町線の麹町駅でおり、日本テレビの角をまがってまっすぐ歩いていくと、右手に女子学院のレンガ造り風のおしゃれな校舎が見えてきます。すこし先に進み、道路をはさんだ斜めお向いさんが千代田女学園です。

校門を抜けると、休み時間にあたっていたためか、何人かの生徒が校舎の外に出て先生に手を振ったり話しかけたりしています。白いセーラーカラーに白のセーター、グレーのチェックのスカートがさわやかな感じです。そういえばわたしは仏教系の学校を訪問するのはきょうが初めての経験で、来る前はなんとなく辛気くさそうなイメージをかってに抱いていました。ですけど、予想とはぜんぜんちがって明るい校風のようです。

キリスト教系の学校の校舎にマリアさまの像があるように、校舎に仏さまの像などがあるのではないかと思っていましたが、校舎の中には仏像はおろか宗教画のようなものも見当たりません。宗教色の感じられない、ごくごくふつうの学校という感じです。

当然ながら案内してくださる先生がたも袈裟を着たかたなどひとりもいらっしゃらなくて、ふつうのスーツ姿でした。校舎は古びていてすこし薄暗いですが、都心の学校なのに廊下がとても広いと感じます。

千代田女学園は、親鸞聖人の生き方を建学の精神として1888年に創立されたそうですから、ことしで114年という歴史を持つ学校です。説明会がはじまり、始めにお話をなさった校長先生は、スーツ姿でらっしゃいましたが、僧侶でらっしゃるそうでした。

校長先生は本校の教育理念として、3つの大切にされていることをご説明なさいました。ひとつめは「生徒の側に立って、共にあゆむ」ということです。2つめは、21世紀は人権の世紀であるので、「一人一人の命を大切にする豊かな感性を育てていきたい」こと。

そして、わたしたちの社会にはかつて「三従の教え」というのがあり、女性は子どものうちは親に従い、結婚してからは夫に従い、年をとったら長男に従うものとされていたそうです。それに対し本校では、3つめとして「豊かな人権感覚を持った自立している女性を育てていきたい」ということが挙げられました。

つづいて教頭先生より今後の教育方針についてのお話がありました。来年度からの変更点の中でちょっとおどろかされたのは、現在の週6日制、2期制から、週5日制、3学期制へと変わることでした(@@)

週5日制への移行については文部科学省の方針ですから驚くことではありません。ですが、2期制から3学期制にするというのは、すこし時代に逆行する気がします。というのは、定期試験、始業式、終業式の回数を減らし、その分授業時間を増やすために、3学期制から2期制へと移行することが私学ではかなりはやっているからです。

この変更については学内でもかなり議論なさったそうです。ですが、3学期制にもどることに決定したのは、「2期制だと行事がずれ、クラブ活動や試合をいっしょにできない」ためであるとのご説明がありました。たしかに世間ではまだまだ3学期制の学校のほうが圧倒的多数ですから、クラブ活動の対外試合や大会などに参加する上では、定期試験日程の大幅にずれる2期制はつらいものがありそうです(^^;;

この変更にあたってカリキュラムを減らさないために、45分7時限となる日を何日か設ける方向で検討なさっているそうでした。

また、通常の授業以外にも、ゼロ時限授業、ミニテスト、放課後の寺子屋授業、補習、講習など、学力向上のためにいろいろな工夫がなされているようです。週5日制となる次年度からは、通常授業のなくなる土曜日を利用して、外部から講師の先生を招いてのお花、お琴、お茶、ピアノなどの情操教育のほか、受験講座も開設する方向で検討なさっているそうでした。長い歴史を持つ伝統校であるのに、このようないろいろな改革を進めていく姿勢にはとても好感が持てます^.^

つづいて入試問題の傾向と対策などのお話があったのち、入試要項についてのご説明がありました。目についたのは、平成14年度の2月1日午後入試に、なんと213名も出願があり、そのうち177名が実際に受験したことです(@@)

この「午後入試」というのも中堅の私立では大流行しているものです。都内の私立中入試は2月1日からはじまって大半の入試が2月4日ぐらいまでに実施されます。ですから4日間チャンスがあるわけで、できればそのうち1つ2つの学校は「押さえ」として、実力よりもやや低めの学校を受験したいところです。

ところが、高校受験とちがって中学受験というのは、成績上位の子以外は滑り止めの受験を嫌がるご家庭がたいへん多いです(^^;; ぜんぶだめでも高校受験があるとか、高い学費を払うのだからあるレベル以上でないと私立に行かせる意味がないというのが主な理由です(^^;;

そこで、4日間チャンスがあるなら4日とも有名校を狙いたい・・・ということになってしまいます(^^;; かなり成績上位の子でしたら滑り止めでも有名校ですから、わりとすんなり安全校を受けてくださるのですが、問題は中堅以下の成績の子たちです(^^;;

有名校ばかり受けていては全滅という危険があります(^^;; そこで脚光を浴びるのは「午後入試」というわけです^.^ これを利用すれば、4日間の午前中は全部有名校を受けても、午後から安全校もしっかり確保できるからです。

ところが、実際に進路指導をする立場からいうと、こんなに便利な午後受験を実際に受験していただくように持っていくのは至難のわざです(^^;; 1日に2校も受けるのは移動もたいへんだし、体力的に不安・・・というわけです(^^;;

ですから、千代田の午後入試に177名も実受験者がいたのはほんとうに驚きでした(@@) ちなみに、首都圏統一模試センターの資料で他校の実受験者数を拾ってみると、嘉悦は午前・午後合計でも126名、順心女子が午後のみで9名、戸板が午後のみで81名、東京女子学院が午後のみで13名・・・といった感じですから、いかにこの177名が多いかおわかりいただけると思います。

これは、地の利ということも大きいのではないかと思います。千代田女学園はその名の通り千代田区という学校の集中した文教地区にありますし、JR・都営新宿線・有楽町線・南北線の市ヶ谷駅、JR・丸の内線の四谷駅、有楽町線の麹町駅、半蔵門線の半蔵門駅と、8つもの駅に囲まれ徒歩数分という絶好の立地です。これでしたら、午前中に他校を受験したあとでもあまり負担なく移動できるかたも多そうです。

パンフレットを見るといろいろ宗教行事もあるようですが、説明会では宗教のお話はまったくといっていいほど出なかったですから、宗教色は強くなさそうです。第一志望のかた以外にも、午後入試をうまく日程に組み込むことをお勧めしたい学校だと思います^.^


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