【あ】

『阿片戦争』(講談社 1967)
    上中下巻(上・滄海編、中・風雲編、下・天涯編)。はるか福建の海を望遠鏡で眺める豪商連維材。その洋上に現れた船影こそ新たなる時代の幕開けを予感させるイギリス船籍アマースト号であった。——激動のアジア近代史の「序説」ともいうべき阿片戦争を圧倒的筆勢でえがく大河小説。

    講談社文庫 1973


『怒りの菩薩』(桃源社 1962)
    大戦が終わり、妻彩琴と共に故郷の台湾へ帰った楊輝銘は帰国直後殺人事件に巻き込まれる。歴史の闇に錯綜する三つの殺人事件をつなぐ糸はなにか? 台湾の風情あふれる本格ミステリ。

    集英社文庫 1985


『異郷の檻のなか』(中央公論社 1971/中公文庫)


    『異人館周辺』(文芸春秋社 1990/文春文庫 1993)
      表題作ほか「崖門心中」「蟹の眼」「秘閣の梅」「金に換えず」「夾竹桃の咲く家」「地天泰」「梅花拳」「パンディット」のミステリ9篇を収録。


    『イスタンブール(世界の都市の物語4)(文芸春秋社 1992/文春文庫)
      ビザンティウム、コンスタンティノープル、イスタンブルと帝国の興亡にしたがって名を変え、約1600年にわたり首都として君臨した「東西の衝突の地」の歴史を描く都市物語。


    『インド三国志』(平凡社 1984/講談社文庫 1998)
      「祈る人」とよばれたインド・ムガル帝国皇帝アウラングゼーブはイスラーム・スンナ派の守護者たらんとして異教徒征伐に力を費やすが、帝国は次第に落日への道を歩む。歴史長編。


    『雨過天青』(尚文社ジャパン 1994/集英社文庫 1999)


      『失われた背景』(サンケイ新聞社 1973/徳間文庫/中公文庫)


        『海の微笑』(徳間書店 1991)
          短編集。表題作ほか「悪夢の果て」「銀の弾丸」「涙無用」の4篇を収録。


        『雲外の峰』(二玄社 1989)
          エッセイ集。


        『英雄ありて』(講談社 1983/講談社文庫/PHP研究所 1993)
          史記、三国志、唐詩、西遊記、水滸伝にゆかりの土地をめぐる歴史随想集。


        『エッセイで綴る中国の歴史』(徳間書店 2000)
          上下巻。




        【か】

        『影は崩れた』(読売新聞社 1966/徳間文庫 1981)
          深尾の元恋人悠子を囲う山根が殺された。バンコックから帰国した深尾は悠子から山根の影を断ち切ろうと、彼女とともに事件の調査に乗り出す。幕切れ鮮やかな長編ミステリ。


        『旋風に告げよ』(講談社 1977/講談社文庫/中公文庫 1999)
          上下巻。南洋の実力者鄭芝竜を父に、日本人を母にもつ若き海将鄭成功は明朝復興を目指し南進する清軍と激突する。歴史長編。


        『風よ雲よ』(中央公論社 1973)
          大坂の陣後に渡った大陸で豊臣秀吉の遺児を託された安福虎之助は、マカオで鄭芝竜との運命的な出合いをむかえる。——明朝末期の激動を描いた傑作歴史長編。

          講談社文庫 1984/中公文庫 1999


        『風を観る 中国史随想(毎日新聞社 2001)


          『紙の道(ペーパーロード)(読売新聞社 1994/集英社文庫)
            後漢の蔡倫の発明した製紙技術はさまざまな思想、宗教とともにユーラシアを横断し、文明を産み出した。圧倒的な運搬力をしめす「紙の道」をたどる歴史紀行。


          『枯草の根』(講談社文庫 1975)
            →『枯草の根/炎に絵を』


          『枯草の根/炎に絵を』(講談社大衆文学館 1997)
            「桃源亭主人」こと名探偵陶展文登場! 初の長編にして江戸川乱歩賞受賞の「枯草の根」。中国革命運動の資金を横領したとされる父の汚名をはらすべく調査をはじめた省吾の前に明らかになる真実「炎に絵を」。


          『枯草の根(江戸川乱歩賞全集3)(講談社文庫)
            新章文子『危険な関係』併収。日本推理作家協会編。巻末に高橋克彦氏のエッセイあり。


          『漢古印縁起』(講談社 1978/中公文庫 1989)
            表題作ほか「日本早春図」「桃李の剣」「思い出の壁」「多聞天踏魔像」「夜叉歓喜変」の6篇を収録。


          『含笑花の木』(二玄社 1989/朝日文芸文庫)
            エッセイ集。


          『九天煙記(中国史十八景)(講談社 1980/徳間文庫/毎日新聞社)
            エッセイ集。


          『玉嶺よふたたび』(徳間書店 1969)
            訪中視察団の一員として中国を訪れた入江は、25年ぶりに玉嶺へと向かう。そこは戦時中、ある女性との不可解な別れを経験した思い出の地であった。——第二十三回日本推理作家協会賞受賞。

            角川文庫 1977/徳間文庫/毎日新聞社 1994


          『玉嶺よふたたび(日本推理作家協会賞受賞作全集23)(双葉文庫 1996)
            →『玉嶺よふたたび』


          『麒麟の志』(朝日新聞社/朝日文芸文庫)


            『孔雀の道』(講談社 1969/講談社文庫 1979/毎日新聞社)
              日本に向かう船のなかで中垣は美しき日英混血女性ローズと出会い、戦後まもなく事故死した母の調査を依頼される。しかしその背後には、戦前のあるスパイ事件の影が横たわっていた。第二十三回日本推理作家協会賞受賞。


            『孔雀の道(日本推理作家協会賞受賞作全集24)(双葉文庫 1996)
              →『孔雀の道』


            『崩れた直線』(廣済堂文庫 1986)
              桃源亭のコック衣笠の友人が殺され、現場には「シズカイケ」という謎のダイイングメッセージが残されていた。陶展文の推理が冴える表題作のほか「コロニスト」「縞の絵筆」「奇行の堕落」「ミセス・ルーの幽霊」「闇に連れ込め」「火に追われて」「細密秘画」のミステリ8篇。


            『クリコフの思い出』(新潮社 1986/新潮文庫 1989)
              ミステリ短編集。表題作ほか「枯葉のダキメ」「四人目の香妃」「キッシング・カズン」「透明な席」「蜃気楼の日々」「その人にあらず」「覆面のひと」の8篇。


            『紅蓮亭の狂女』(講談社 1968/角川文庫/徳間文庫 1989/毎日新聞社 1994)
              密偵古川は清朝皇族で遊蕩児として知られる載澂(ツァイチェン)に接近し、その妖艶なる異空間「紅蓮亭」へといざなわれる。——載澂の密室死の謎を追う表題作ほか「スマトラに沈む」「空中楼閣」「七十六号の男」「角笛吹けど」「ウルムチに消えた火」「鉛色の顔」の7篇。


            『黒いヒマラヤ』(中央公論社 1964/中公文庫 1975)
              ヒマラヤの霊峰カンチェンジュンガを望む国境の町カムドンを舞台にラマ教の活仏の死をきっかけに起きる連続殺人。人々の欲望渦巻くなか、熾烈な秘宝争奪戦の行方は? ——本格ミステリの傑作。


            『景徳鎮からの贈り物』(新潮社 1980/新潮文庫)


              『景徳鎮の旅 中国やきもの紀行』(平凡社 1979/講談社文庫 1991)


                『元号の還暦 三燈随筆(一)(中央公論社 1992/中公文庫)
                  身近な話から時事、史話、そして開高健氏との思い出などを綴る60篇のエッセイ集。読売新聞大阪本社版に89年から91年にかけて連載されたものを収録。


                『杭州菊花園』(徳間書店 1990)
                  庭園造りの名手・銭延真が名園「菊花園」に復讐を託す表題作ほか「夢と財宝」「宝蘭と二人の男」「もう一人の」「旋風島綺譚」「四十二年目のクルバーン」「ひげ布袋」のミステリ7篇。

                  徳間文庫 1999


                『江は流れず』(中央公論社 1981/中公文庫)
                  上中下巻。清、日本双方の思惑が交差し、風雲急を告げる朝鮮に上陸した、若き袁世凱。……日清戦争をえがく歴史長編。


                『神戸異人館事件帖』(徳間文庫 1986)
                  『夏の海の水葬』の改題版。


                『神戸というまち』(至誠堂新書 1965)
                  →『神戸ものがたり』


                『神戸ものがたり』(平凡社 1981/平凡社ライブラリー 1998)


                  『凍った波紋』(毎日新聞社 1970/徳間文庫 1983)


                    『五台山清涼寺』(徳間書店 1990/毎日新聞社 1994/集英社文庫)
                      冒襄は明末期の混乱のなか暴徒化した明軍将兵にさらわれた愛妾を探し求める「五台山清涼寺」。ほか「日鋳の鏡」「天魔舞の鐘」「紙は舞う」「舌聖一代」「花咲く月琴」「虎たちの宝」。


                    『古代人の伝言』(朝日出版社 1980)


                      『胡蝶の陣』(毎日新聞社 1979/徳間文庫)
                        表題作ほか「楊貴妃は覇水を見た」「パミールを越えて」「落日孤雲」「シンカンの若者」「海山仙館記」の6篇を収録。


                      『崑崙の河』(三笠書房 1971/中公文庫/徳間文庫)
                        愛人の婚約者として「私」が聞かされた名は、二次大戦直後、青海省崑崙山への学術調査隊で起きたある事故の背後にいたにちがいない人物のそれであった。——表題作「崑崙の河」ほか「紅い蘭泉路」「枇杷の木の下」「鍾馗異聞」「紅い蜘蛛の巣」のミステリ5篇。




                      【さ】

                      『山河在り』(講談社 1999)
                        上中下巻。


                      『山河太平記』(平凡社 1979)


                        『三国志と中国』(文春文庫)
                          対談集。対談相手は貝塚茂樹、尾崎秀樹、山崎正和、武田泰淳、立間祥介、鯖田豊之、狩野直禎、竹内実、守屋洋、百瀬明治。


                        『珊瑚の枕』(新潮社 1982)
                          上下巻(上・風雲少林寺、下・幻夢秘宝伝)。明末、少林寺の修行僧であった陳五官は日本人修行僧慈円に誘われ、少林寺を脱走するが、やがて日本に眠る秘宝を巡る争奪戦に巻き込まれてゆく。——日本に少林寺の柔術を伝えた陳元贇の冒険譚。

                          徳間文庫/新潮文庫 1985/毎日新聞社/中央公論社 1996


                        『残糸の曲』(朝日新聞社 1971/角川文庫/徳間文庫 1988/朝日文芸文庫)
                          上下巻。


                        『三色の家』(講談社 1962/講談社文庫 1978)
                          その外観から「三色の家」とよばれる同順泰公司でおきた殺人事件。犯行時刻に現場を出入りするのは不可能だった。——若き日の陶展文の推理が冴える本格ミステリ。


                        『三蔵法師の道』(平凡社カラー新書 1980)


                          『三本松伝説』(徳間書店 1991)


                            『史記』(朝日新聞社 1974)
                              →『ものがたり史記』


                            『実録アヘン戦争』(中央公論社 1971/中公新書/中公文庫 1985)
                              「西からの衝撃」といわれるアヘン戦争は東アジア近代史の幕開けを告げるものであった。本書はこの重大事件をその前夜から詳細にそして克明に描き出す歴史実録。第二十六回毎日出版文化賞受賞。


                            『上海雑談』(NHK出版 2000)


                              『儒教三千年』(朝日新聞社/朝日文芸文庫)
                                三千年にわたって歴史を紡ぎつつ今日にも生きる儒教の精神を探る入門書。


                              『小説十八史略』(毎日新聞社 1977-78/講談社文庫)
                                全6巻(μノベルス版はイラスト付で全12巻)。曾先之の史書「十八史略」をもとに中国神話時代から南宋滅亡までを活写する傑作歴史長編。


                              『小説マルコ・ポーロ』(文芸春秋社 1979/文春文庫)


                                『笑天の昇天』(読売新聞社 1972)


                                  『諸葛孔明』(中央公論社 1991/中公文庫 1993)
                                    上下巻。上に暗君を戴き、下に黄巾の乱が起こり、荒廃を極める後漢末期、琅邪の諸葛家に生まれ「亮」と名付けられた少年は乱世の中で成長し、やがて英雄劉備に三顧の礼で迎えられる。——諸葛孔明の生涯を描く歴史長編。


                                  『シルクロード巡歴』(日本放送出版協会 1985/読売新聞社 1996)


                                    『シルクロード旅ノート』(徳間文庫/中公文庫 1999)


                                      『シルクロードの旅』(講談社文庫/読売新聞社 1995)


                                        『白い泥』(学習研究社 1964/徳間文庫 1999)


                                          『新西遊記』(講談社文庫/読売新聞社)
                                            上下巻。


                                          『神獣の爪』(徳間書店 1992/中公文庫 1996/朝日文芸文庫)
                                            砕かれた神獣像がむすぶ二十五年前と現代の二つの殺人事件「神獣の爪」。古希を過ぎた陶展文の推理譚「軌跡は消えず」「王直の財宝」。ほか「まわれ独楽」「割符」「描きのこした絵」を収録したミステリ短編集。


                                          『人物・日本史記』(文芸春秋社 1981/文春文庫)
                                            山上憶良、鑑真和上、坂上田村麻呂、角倉了以、本阿弥光悦、細川ガラシャ、山田長政、松尾芭蕉、司馬江漢、菅江真澄、葛飾北斎、大谷光瑞。——日本文化に深い関わりをもつとともに異文化にも関心を抱いていた12人の短編伝記集。


                                          『秦の始皇帝』(尚文社ジャパン)
                                            「NHK人間大学」で1994年1〜3月期に放送された「秦の始皇帝」のテキストの単行本化。


                                          『水滸伝』(朝日新聞社 1975)
                                            上下巻。→『ものがたり水滸伝』


                                          『随縁護花』(尚文社ジャパン 1995/集英社文庫)


                                            『西域巡礼』(平凡社)


                                              『西域日誌』(読売新聞社 1996)


                                                『西域余聞』(朝日新聞社 1979/朝日文芸文庫)
                                                  汗血馬、夜光杯、マルコポーロなどシルクロードをわたる文物、人物をとおして東西交流の姿を描く随想集。


                                                『青雲の軸』(旺文社 1974/集英社 1984/集英社文庫)
                                                  1924年神戸に生まれた台湾人「陳俊仁」。戦雲の迫る時代に青春を送り、台湾と日本という二つの世界の中でかれの魂は呻吟する。——陳舜臣の初めてにして唯一の自伝的小説。


                                                『青玉獅子香炉』(文芸春秋社 1969/文春文庫)
                                                  李同源が全霊をかたむけて贋造した青玉器は中国の動乱とともに流転し、意外な再会をむかえる。——直木賞受賞の表題作ほか「年輪のない木」「太湖帰田石」「小指を追う」「カーブルへの道」の4篇を収録。


                                                『青春の烙印 神田希望館史話(講談社 1975/徳間文庫 2001)


                                                  『仙薬と鯨 三燈随筆(二)(中央公論社 1992/中公文庫)
                                                    徐福の仙薬探し譚から日本の鯨漁に想いをはせる表題作ほか60篇の掌編エッセイ集。91〜92年にかけて読売新聞大阪版に隔週連載されたものを収録。


                                                  『相思青花』(講談社 1987/講談社文庫 1990)
                                                    上下巻。波濤文様の描かれた染付の磁器——「相思青花」。神戸とロンドンにあった二対の青花の出自を追う奈美と林輝南のまえに現れたのは、相思青花を巡り、時代、国境、歴史を越えてさまざまな人々によって織りなされた数々の物語であった。


                                                  『続・中国任侠伝』(文芸春秋社 1973/文春文庫)
                                                    激情をもって丞相を生涯の敵とさだめた朱雲。英雄馬援と一県令朱勃の友情。隋末期洛陽城に乱入した白衣の集団。……中国の侠人たちをえがく小説集の続編。


                                                  『続・中国発掘物語』(平凡社 1984/講談社文庫)
                                                    馬王堆や王たちの遺体をおおう玉衣、数々の壁画、唐三彩などの遺物・文物をかたる、考古物語の続編。


                                                  『戦国海商伝』(講談社 1990/講談社文庫 1992)
                                                    上下巻。


                                                  『曹操』(中央公論社 1998)
                                                    上下巻。「清平の姦賊、乱世の英雄」と評され三国志最大の版図を築いた曹操とその一族を描く歴史長編。




                                                  【た】

                                                  『対談・中国を考える』(文春文庫)
                                                    共著。司馬遼太郎、陳舜臣両氏による対談集。


                                                  『太平天国』(講談社 1982/講談社文庫 1988)
                                                    全4巻。連理文は長崎で兄哲文から桂平のキリスト教集団「拝上帝会」について知らされる。やがて理文は父の命で「拝上帝会」に接触することとなる。……近代中国初の革命運動「太平天国」をえがく、『阿片戦争』につづく歴史巨編。


                                                  『竹におもう』(六興出版 1981/徳間文庫)


                                                    『他人の鍵』(文芸春秋社 1969/文春文庫 1977)


                                                      『茶事遍路』(朝日新聞社 1988)
                                                        唐の茶聖陸羽を祖に発達した中国の茶文化は一方で禅僧らの手によって日本にもたらされ、また西欧にも拡がりやがて戦争の引き金にまでなる。茶をとおして世界史を考察する随想集。第四十回読売文学賞随筆紀行賞受賞。


                                                      『茶の話——茶事遍路』(朝日文芸文庫)
                                                        『茶事遍路』の改題版。


                                                      『中国画人伝』(新潮社 1984)


                                                        『中国畸人伝』(新潮社 1987/新潮文庫)
                                                          阮籍、孔融から杜牧まで、三国から唐の時代を生きた8人の畸人たちをえがく歴史ミステリ集。


                                                        『中国近代史ノート』(朝日新聞社 1976)
                                                          →『中国近代の群像』


                                                        『中国近代の群像』(朝日選書 1980)
                                                          林則徐、曽国藩、康有為、李鴻章、譚嗣同、梁啓超、袁世凱、段祺瑞、張作霖、戴天仇、王国維ら中国近代史を彩った12人の人物像に迫る伝記集。


                                                        『中国傑物伝』(中央公論社/中公文庫)


                                                          『中国五千年』(平凡社 1983/講談社文庫 1989)
                                                            上下巻。


                                                          『中国詩人伝』(講談社 1988/講談社文庫)
                                                            絶望のうちに身をなげた屈原から近代中国文学の巨星魯迅まで、中国文学史に燦然と輝く27人の詩人たちの伝記集。李庚氏による肖像画入り。


                                                          『中国随想』(PHP研究所 1997)
                                                            『蘭におもう』『竹におもう』の再編集版。


                                                          『中国任侠伝』(文芸春秋社 1973/文春文庫)
                                                            始皇帝暗殺にむかう刺客荊軻(けいか)。三千の食客をかかえた孟嘗君。信陵君とその侠客たち。……戦国時代から前漢の侠客朱家(しゅか)、田仲までさまざまの侠人らをえがく武侠小説集。


                                                          『中国の歴史』(平凡社 1980-83/講談社文庫)


                                                            『中国の歴史 近・現代篇』(平凡社)
                                                              全4巻。


                                                            『中国発掘物語』(平凡社 1984/講談社文庫)
                                                              二次大戦時に忽然と消えた北京原人の遺骨。古代王朝の諸遺跡。始皇帝陵墓から発見されたおびただしい兵馬俑など、地中から声なき声で歴史を語る考古物たちの物語。


                                                            『中国ライブラリー』(集英社 1999〜)
                                                              全30巻。くわしい刊行内容はこちらへ。


                                                            『中国歴史短篇集』(中央公論新社 2000)
                                                              全5巻。くわしい刊行内容はこちらへ。


                                                            『中国歴史の旅』(東方書店 1981)
                                                              上下巻。

                                                              毎日新聞社 1985/徳間文庫/旺文社文庫 1985/μノベルス 1993/集英社文庫 1997


                                                            『長安日記 賀望東事件録(毎日新聞社 1973/中公文庫 1979)
                                                              玄宗皇帝治下の開元年間、国際都市長安でおこる不可解な墜落死や機密漏洩事件、そして密室殺人の数々。謎の日本人賀望東は己の出自の謎を求めながら、これらの事件をつぎつぎに闡明してゆく。傑作本格ミステリ。


                                                            『長安の夢』(平凡社 1985/講談社文庫/読売新聞社 1995)


                                                              『澄懐集』(成瀬書房 1986)
                                                                第二漢詩集。


                                                              『チンギス・ハーンの一族』(朝日新聞社 1997/集英社文庫 2000)
                                                                全4巻。


                                                              『陳舜臣全集』(講談社 1986-88)
                                                                全27巻。


                                                              『月をのせた海』(東都書房 1964/徳間文庫 1983)
                                                                黒川の住むアパートの大家で、彼の父の会社の元番頭である小西が殺害された。小西に結婚を反対されていた黒川の恋人・小夜子は自らの嫌疑を晴らすため、黒川とともに犯人探しに執念を燃やす。——暗い過去を負った女性たちの非情を描く本格ミステリ。


                                                              『鄭成功』(中公文庫 1999)
                                                                上下巻。『旋風に告げよ』の改題版。


                                                              『天球は翔ける』(毎日新聞社 2000)
                                                                上下巻。


                                                              『天竺への道』(朝日新聞社 1986/朝日文芸文庫)
                                                                唐初、国禁を犯して仏法のため天竺へと旅立った玄奘三蔵。……インド、シルクロードにその足跡をたどる随想集。


                                                              『天の上の天』(講談社 1963/徳間文庫 1989)
                                                                不運から失職を繰り返し、四番目の職場となる貿易会社に勤める浮田は、ひょんなことから裏金のキャリアー(はこび屋)を任される。一件目の受け渡しを無事に終え二件目の受け渡し場所に行くと、そこには一件目に裏金を手渡した男の死体があった。……長編ミステリ。


                                                              『桃花流水』(朝日新聞社 1976/中公文庫/朝日文芸文庫)
                                                                上下巻。


                                                              『桃源郷』(集英社 2001)


                                                                『桃源遥かなり』(講談社 1965/徳間文庫 1985/ケイブンシャ文庫)
                                                                  戦争が終わり、シンガポールへ帰国する呉景雄は機上、海賊島で過ごした女頭目との夢幻の日々を想起する。——表題作ほか「揺れる」「香港便り」「燕の影」「天山に消える」の5篇を収録。


                                                                『唐詩新選』(新潮社 1989/新潮文庫)


                                                                  『唐代伝奇』(朝日新聞社 1974)
                                                                    →『ものがたり唐代伝奇』


                                                                  『東眺西望』(講談社 1988/講談社文庫 1991)
                                                                    鄭和の大航海、殷周王朝論争、砂漠の暗殺教団、12世紀ルネサンス、ビザンツとモンゴルの意外なつながり。……古代から現代まで東西の歴史に想いをはせるエッセイ集。


                                                                  『敦煌』(平凡社 1976)


                                                                    『敦煌のうた』(徳間文庫)


                                                                      『敦煌の旅』(講談社文庫/読売新聞社 1995)
                                                                        第三回大佛次郎賞受賞作。




                                                                      【な】

                                                                      『夏の海の水葬』(実業之日本社 1979)


                                                                        『なにも見えない』(講談社 1971)
                                                                          表題作ほか「蝉が鳴く」「ヒマラヤ・クラブ」「望洋の碑」「ダイヤモンド姫」「追跡の報酬」のミステリ6篇。


                                                                        『濁った航跡』(読売新聞社 1968)


                                                                          『虹の舞台』(光文社 1973/角川文庫/徳間文庫 1987/毎日新聞社)
                                                                            インド人宝石商に晩餐に招かれた陶展文たちのいる応接間に銃弾が撃ち込まれ、その直後宝石商の死体が山道で発見される。この宝石商はインド独立の雄チャンドラ・ボースの宝石を奪ったとして悪名高き人物であった。長編ミステリ。


                                                                          『日本語と中国語』(祥伝社 1972/徳間文庫 1985)
                                                                            弟陳謙臣氏との共著。


                                                                          『日本人と中国人』(祥伝社 1971/集英社文庫)
                                                                            「同文同種」によりかかった日本人の安易な中国認識を鋭く衝くエッセイ集。


                                                                          『日本的中国的』(徳間書店 1972/徳間文庫/祥伝社文庫 1998)


                                                                            『熱砂とまぼろし』(角川書店 1979/徳間文庫/毎日新聞社 1994)




                                                                              【は】

                                                                              『走れ蝸牛』(二玄社 1991)
                                                                                全日空機内誌、産経新聞に連載された70篇の掌編エッセイ集。


                                                                              『万邦の賓客』(集英社 1999)


                                                                                『柊の館』(講談社 1973/講談社文庫 1982)
                                                                                  柊の樹の立ち並ぶ英国系船会社の宿舎の周辺でおきた数々の出来事を、そこで青春の日々を過ごした一人の日本人女性が語る。異色の連作ミステリ。


                                                                                『弥縫録』(読売新聞社 1980/中公文庫)
                                                                                  104もの中国の名言・名句の由来、本来の意味をさぐるエッセイ集。


                                                                                『秘本三国志』(文芸春秋社 1974-77/文春文庫)
                                                                                  後漢朝に反旗を翻した道教教団「太平道」とそれを見守る「五斗米道」の教母少容と陳潜。曹操を主役に据えた陳史観三国志。全6巻。


                                                                                『美味方丈記』(毎日新聞社 1973/中公文庫 1984)


                                                                                  『風騒集』(平凡社 1984)
                                                                                    著者の還暦を記念に公刊された第一漢詩集。限定3000部。


                                                                                  『北京の旅』(平凡社 1978/講談社文庫/読売新聞社)


                                                                                    『北京悠々館』(講談社 1971)
                                                                                      密命を帯びて骨董商見習いの土井が接触した北京の拓本蒐集家である文保泰は、清朝要人につながる賄賂の仲介者であった。ところが賄賂の授受後、文は密室の中で殺害された。——日露戦争前夜の北京を舞台にした本格ミステリ。

                                                                                      講談社文庫/徳間文庫 1989/集英社文庫 1998


                                                                                    『方壺園』(中央公論社 1962)
                                                                                      時は晩唐の世、詩人李賀の遺稿を巡り、長安の方壺園で高佐庭が殺され、しかも現場は密室状況であった。——表題作「方壺園」ほか「大南営」「九雷渓」「梨の花」「アルバムより」「獣心図」の傑作ミステリ6篇。

                                                                                      中公文庫 1977


                                                                                    『望洋の碑』(徳間文庫)
                                                                                      『なにも見えない』の改題版。


                                                                                    『炎に絵を』(文芸春秋社 1966/文春文庫/出版芸術社 1993)
                                                                                      →『枯草の根/炎に絵を』


                                                                                    『香港(世界の都市の物語16)(文芸春秋社)




                                                                                      【ま】

                                                                                      『まだ終わらない』(角川書店 1964/徳間文庫)


                                                                                        『曼陀羅の人』(TBSブリタニカ 1984)
                                                                                          密教招来の野望を胸にした若き空海は入唐後はやくもその非凡の才能を瞠目される。長安に至った彼が出合ったのは金剛頂経系密教の正統継承者、恵果であった。日本密教史の巨人・空海の大陸での活躍を描く歴史長編。

                                                                                          徳間文庫 1990/毎日新聞社/集英社文庫


                                                                                        『曼陀羅の山 七福神の散歩道(集英社 2001)


                                                                                          『幻の百花双瞳』(講談社 1969)
                                                                                            幻の点心「百花双瞳」を巡り人生を翻弄された料理人師弟を描く表題作ほか「フラワーロード・サンバ」「ダーク・チェンジ」「港がらす」「神に許しを」のミステリ5篇。

                                                                                            角川文庫 1980/徳間文庫 1987


                                                                                          『南十字星を埋めろ』(徳間文庫)
                                                                                            表題作ほか「あほだらお秋」「腐った紅葉」「疑わしきは」「秋の雁」「青年と幻影」「知られざる幸運」「良心の限度」「揺るぎなき名声」「隣はなにを」のミステリ10篇。


                                                                                          『銘のない墓標』(講談社 1969/徳間文庫 1985/中公文庫)
                                                                                            表題作ほか「壁に哭く」「にがい蜜」のミステリ三篇。


                                                                                          『燃える氷柱』(徳間書店 1978/徳間文庫 1985)


                                                                                            『ものがたり史記』(朝日文芸文庫)
                                                                                              司馬遷によって著された古典「史記」をわかりやすく、おもしろく編みなおした「ものがたり」シリーズ第1弾。


                                                                                            『ものがたり水滸伝』(朝日文芸文庫)
                                                                                              梁山泊に拠る百八人の豪傑たちの活躍! 「ものがたり」シリーズ第3弾。


                                                                                            『ものがたり唐代伝奇』(朝日文芸文庫)
                                                                                              「杜子春」「枕中記」など日本でもなじみのある唐代の伝奇物語の中から17篇をわかりやすく編みなおした小説集。




                                                                                            【や】

                                                                                            『闇の金魚』(講談社 1977/講談社文庫 1984/徳間文庫 2000)
                                                                                              軍閥抗争が熾烈を極める革命後の中国、上海の大貿易商の後援で日本に留学した童承庭はそこで社会主義思想に感化され、政治運動に加わる。やがて貿易商の見習いとして大陸に戻った彼は突然妻を誘拐され、さらに彼に思想を手引きした旧友が殺されてしまう。——サスペンス味あふれた歴史ミステリ。


                                                                                            『耶律楚材』(集英社 1994/集英社文庫 1997)
                                                                                              上下巻(上・草原の夢、下・無絃の曲)。北の草原から押し寄せる圧倒的な力から人命と文明を守る志を得た楚材は、チンギス・ハーンに召され、はるか西征にしたがう。……歴史長編。


                                                                                            『弓の部屋』(東都書房 1962/講談社文庫 1981)
                                                                                              神戸異人館の「弓の部屋」(ボウ・ルーム)から花火を眺める男女のなかで起きた殺人。犯行は電灯の消された瞬間をねらった毒殺だった。——作者の第三長編にあたる本格ミステリ。


                                                                                            『夢ざめの坂』(講談社 1991/講談社文庫 1994)
                                                                                              上下巻。妻を亡くし失意に沈む浦上のもとに、失踪した夫を捜す杉坂房子が現れる。母親を求めて家を出た彼女の夫に自分の姿を重ね合わせた浦上は彼女に協力し、いつしか恋に落ちてゆく。——


                                                                                            『夜明けの中国(続近代史ノート)(朝日新聞社 1979)


                                                                                              『夜明け前の中国』(朝日選書 1981)


                                                                                                『妖のある話』(講談社 1983/講談社文庫 1986/中公文庫 2000)


                                                                                                  『よそ者の目』(講談社 1972/講談社文庫)
                                                                                                    エッセイ集。


                                                                                                  『夜の歯車』(実業之日本社 1971/徳間文庫)
                                                                                                    表題作ほか「狼の血」「違った女」「暗い海から」「知らぬが仏」のミステリ5篇。




                                                                                                  【ら】

                                                                                                  『蘭におもう』(六興出版 1977/徳間文庫)


                                                                                                    『琉球の風』(講談社 1992/講談社文庫)
                                                                                                      上中下巻(上・怒濤の巻、中・疾風の巻、下・雷雨の巻)。時は17世紀初め、南洋の中継交易地として空前の繁栄を誇っていた琉球王国に迫る薩摩藩の影。——風雲急を告げる南洋に夢をはせる人々を描く歴史長編。


                                                                                                    『聊斎志異考』(中央公論社 1994/中公文庫)
                                                                                                      清初、蒲松齢の著した怪異譚集「聊斎志異」のなかから珠玉の12篇をえらび、その妖美の世界を再現する伝奇集。


                                                                                                    『歴史の交差路にて 日本・中国・朝鮮』(講談社 1984/講談社文庫)
                                                                                                      共著。金達寿、司馬遼太郎、陳舜臣三氏による鼎談集。


                                                                                                    『録外録』(朝日新聞社 1984/朝日文芸文庫)
                                                                                                      色目人でありながら元朝最高の詩人と謳われた薩都剌、統治のため自らイスラームに改宗したガーザーン汗など、作品からこぼれた「捨てるに捨てられぬ話」を集めた歴史エッセイ集。


                                                                                                    『六甲山心中』(中央公論社 1971/中公文庫)
                                                                                                      表題作ほか「染められた骨」「三角犯罪」「幻の不動明王」「骨を洗う女」「ぼくらは逃げた」の神戸を舞台にした6篇の短編を収録。


                                                                                                    『六甲山房記』(岩波書店 1987/岩波同時代ライブラリー 1990)
                                                                                                      『世界』85年1月号〜86年12月号に連載された随筆集。




                                                                                                    【わ】

                                                                                                    『割れる《陶展文の推理》(早川書房 1962)
                                                                                                      失踪した兄の捜索という秘めた目的をもって香港から来日した林宝媛。しかしその滞在中に神戸のホテルで殺人事件が起こり、行方をくらました容疑者は彼女の兄であった。彼女に宿を提供する陶展文は徐々に事件に引き込まれてゆく。

                                                                                                      角川文庫 1978/徳間文庫 1987




                                                                                                    [ | | | | | | | | | わ | 作品年表 | HOME ]