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石灰沈着性腱板炎
 (5月3日) 


 「しつこい!」
そう言いたいかも知れません。
しかしここまで来たんだから、徹底的にやっちゃいましょう。
以下の内容も ”越谷のブラジル”さんの情報提供によるものです。
では、その”越谷のブラジル”なる人物とはどのような人か?
おそらくこれ以降も頻繁に出てくる人物なので、少しだけ解説しておきましょう。

 現在埼玉県越谷市の某病院に勤務している理学療法士。
この越谷の某病院の医師たちとのぶっといパイプを持つ。

 これくらいでいいですか?
本人の許可を取ったらもっと詳しく書いていきます。


 さて、本題に戻します。

石灰沈着性腱板炎

■病因
 腱板に石灰物が沈着することによって肩の痛みを引き起こす。
 これは石灰沈着の生じる局所のカルシウム代謝に何らかの異常が起こり
 石灰沈着が生じるものと考えられ、腱板のあらゆる部位に発生するが、
 臨床上出現しやすいのは棘上筋腱での石灰沈着である。
 40〜50歳台にかけて後発し、手先の仕事をしている人によく見られる。


■病気分類
 4つの病気に大別することができる。
  
 第1期(静止期)
  石灰沈着が腱板内に限局している状態の時期である。
  肩関節の運動時に肩峰下面や烏口肩峰靭帯の間で石灰沈着をした腱板が圧迫を受けて疼痛を生じる程度。
  
 第2期(隆起期)
  腱板内に静止していた石灰沈着物が肩峰下滑液包まで隆起してくる時期。
  肩峰下滑液包全体に炎症が波及するため、耐えがたい激痛を訴える。

 第3期(流出期)
  腱板内から肩峰化滑液包まで隆起してきた石灰沈着物が、滑液包内へ流出する時期。
  その初期には強烈な疼痛を感じるが、やがて滑液包の貧食洗浄作用によって石灰物は吸収され、やがて自然緩解に向かう。

 第四期(消退期)
  肩峰化滑液包内に流出した石灰沈着が吸収され、肩峰化滑液包炎が鎮静化した状態。


■治療
 基本的に、石灰沈着物を消退していくようにする。
 1.消炎鎮痛剤の投与。三角巾固定による局所の安静。
 2.注射器での石灰吸引。肩峰化滑液包内への石灰物の流出を誘導する。
 3.局所麻酔剤混入ステロイド剤の局注。
 4.手術的に石灰沈着物の摘出。

2に関しては、患部を陰圧にすることによって石灰沈着物を誘導するらしい。
また、穿刺によって取り除ける石灰の量はそれほど多くなく、注射器の鍼に付着する程度とのこと。
4に関しては、現在この方法はほとんど取らないらしい。術後のリハビリなどを考えても選択しずらいとのこと。


と、整形外科医の治療方法を紹介してきたが、
ここまでで、私たち鍼灸師ができる対処法として以下にまとめてみた。

1.基本的に第2期までは施術を行わない。
 これは施術を行うことによって「症状を増悪させられた」という誤解を招きかねないからである。
 仮にその疼痛をいくらかでも和らげることができたとしても、この疾患の激痛は相当つらいらしい。
 患者が「鍼をしたから余計痛くなった」という感じをもたれる危険が高いため、
 少なくとも症状が増悪していく第三期までは、施述しないほうが得策であると考える。
 また、教えてくださった整形の先生も第3期までは物理療法はやらないようにと言っておられた。
 以上のことから、石灰沈着性腱板炎と認められた場合は
 われわれは直接治療はしないで、整形外科のほうに紹介してしまうほうが無難であると考える。
 ただ、患者の信頼を確保しておくためにも、整形での治療方法などをあらかじめ言っておいたほうがいいと思う。

2.マイクロウエーブが有効
 病気にかかわらず、マイクロウエーブを使用できる。
 物理用法ができないので、これだけが唯一われわれができる治療となる。






          


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