クマラのファイル集   スンダ料理 

● LALAP  ララップ

人口ではジャワ人についで多いのがスンダ人、主にジャワ島西部に住み、スンダ地方を形成する。留学生や研修生でもやはり多く、ジャカルタ出身を除くと、ジャワ人よりもスンダ人の方が多い場合さえあります。いろんな出身地のインドネシア人が集まったときの比喩として「スンダ人はカンビン(やぎ)だ」という。インドネシアの多くの地では水、野菜を含めて生のものは口にしないのが普通である。したがってさしみなどはもっての外、食べてはいけない、が常識。そんな中にあって、スンダ地方のスンダ料理、名物の一つがララップです。キャベツ、キウリ、セリ、バジル、インゲンナス等など。その外にも葉っぱという葉っぱを片っ端から好んで(?)食べるところからヤギといわれる所以です。カンクーンにバヤム、ダウンシンコンにダウンパパヤ、どれもこれもヤギの大好物。

日本に来てもスンダ人の場合はこの生野菜が食べたくて食べたくて仕方がない。なのに一見簡単そうで日本では口になかなかできないのである。大きく切ったキャベツにザク切り野菜たち、見るからにダイナミックというかワイルドそのもの。サラダから連想する生野菜とは違い、とても料理とは言いがたい盛り付けである。ただマヨネーズとかドレッシングを使わない食生活ゆえ、ご親切なサラダは残念ながら彼らの口には全く合わない場合が多い。スンダ人の生野菜はというと、さすがにインドネシア、サンバルがないといけないのです。

サンバルといってもこの生野菜、ララップ専用のサンバルタラシー、作り方はサンバル欄を参考に。程よく調和した辛さと塩味、酸味、それに食欲をそそるあの匂い、タラシーのとっても臭い匂いが特徴です。まさしくエスニック料理そのものです。

 

● PEPES IKAN MAS  ペペス イカン マス

スンダでもう一つ有名なのがペペスでしょう。いかにもトロピカルな料理、材料をバナナの葉に包んで蒸したり焼いたりするものです。内陸部のバンドンの市場にも魚売り場に活魚コーナーがあります。活魚は活魚でも淡水魚。水槽の中には鮒や鯉、ついでに金魚も泳いでいます。スンダレストランにも池や水槽があり、お客さんが魚を選んで調理してもらうところもあります。しかし、1年中常夏の地、頼んだはずの魚が半分くらいになって戻ってきます。実は同じ鯉や鮒でも日本の冬のもの、特に寒のもの身がしまっていて、とってもおいしいのです。そんなスンダ料理での魚料理はペペスイカンがおすすめ、骨が柔らかくなるまで半日も蒸すのです。

材料

 

500g
ねぎ 250g
トマト小 2個
バナナの葉    適宜  
バワンメラ 200g
しょうが 1かけ
ダウンサラム 5枚
スレー 2本
少々
アッサム 少々

魚は鱗、内臓、エラを取り、洗ってから水を切り、アッサムと塩を擦り付けて数時間置く。ねぎ、バワンメラ、しょうがは薄く切りトマトは4つに切り、これらを混ぜて魚と一緒にバナナの葉で包む。このときにスレーとダウンサラムを入れておく。もし辛いのが好きであれば唐辛子を入れても良い。半日ほど蒸してからオーブンなどで少し焼いて水分を飛ばす。このときの香辛料は各家庭でいろいろ、魚のお腹の中にも塩や調味料も忘れないのがポイント。

魚の外にも豆腐であればペペスタフー、茸であればペペスジャムール、などいろいろなバリエーションがあります。内陸部では淡水魚が一番、日本人の大好きなエビ、カニなどもありますが、できればさけたいものです。海のものはやはり漁港の近く、もしくはジャカルタの中華料理店でお楽しみください。

 

● SOTO BANDUNG   ソトバンドン

バンドンと言う町の名のついたソト(スープ)です。材料に大根、ねぎがありますから見るからに日本的、アレンジしたインドネシア料理かと思ってしまいますが、この地方はレンバンなど高原野菜の一大産地を控えていますので、白菜、大根、ねぎなどのいわゆる冬野菜もありますが、あまりおいしいとはいえません。

材料

ババッツまたは牛肉   一キロ
スレー 2本
大さじ2
10カップ
コショウ 10粒
ニンニク 4カケ
しょうが 親指大1カケ
うまみ調味料 小匙1
大根 3本日本の大根なら3分の1本  
大豆 200g ゆでてから油で揚げる
セロリ みじん切り
サンバル 唐辛子10本程度
ケチャプアシーン 大さじ5
ジュルックニピース 5個

 ババッツは牛の胃袋、ハチの巣のこと、日本人には牛肉で代用した方が、簡単で喜ばれる。まず、ババッツは石灰をつけて良く揉んでからナイフの背でたたいてお湯につけ、白くなるまできれいにする。下ごしらえが済んだら熱湯でスレーと塩を入れて3時間ほど煮る。柔らかくなったら食べやすい大きさに切る。コショウ、ニンニク、しょうがをこまかくつぶして炒め、それをスープに入れる。薄く切った大根と揚げた大豆を入れ、味をつけ、最後にみじん切りのセロリと小口切りを入れ、一煮たちして出来あがり。油で揚げた大豆が特徴です

バンドンあたりは高原で涼しいので、料理は出来上がったばかりのアツアツがおいしいのです。今日はスープに野菜、魚料理、そしてご飯はやっぱりスンダ地方で一番おいしいとされるチアンジュール米の炊きたて、飲み物はプンチャックあたりで取れるお茶がいいと思います。

インドネシア料理にしてはあっさりしていますのでデザートはコロッケとかルンピア(春巻き)に熱くてめちゃくちゃ甘いコピーなんかはいかがでしょう。そして最後に忘れないでいただきたいのがBGM、スンダ料理にはやっぱりスンダの音楽、スリン(竹笛)なんかがとっても似合います。小雨でも降っていれば、まるでプンチャクにいるようです。                      

 

 

 

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