CRITICISM 13
19/03/02
LED ZEPPERIN
STAIRWAY TO HEAVEN
TOP


たった今テレビから、あのアコースティックギターのイントロが聞こえてきた。
中学生のとき、FMのオンエアーを初めて聴いた感動。
レコード店に走り、手に入れたLP盤。
音を一つ一つ拾いながら弾いてみたあのイントロ。
僕を洋楽の世界にいざなってくれたあの曲だ。
カラヤンがロックミュージックで最高の完成度だ、と賞賛した。
7分を超える大作は、テレビやラジオに好まれることは無く、
この曲の全貌を知ることは、ロックファンとしての証でもあった。
甘美なイントロに始まり、官能的なギターソロで最高潮の盛り上がりを見せる。
夢見るギター小僧たちは、まんまと天国への階段を上り詰めてしまった。
レンタルビデオのおかげでおがめたライヴ映像。
ペイジがギブソンのダブルネックギターで奏でるこの曲に
僕らはやられてしまった。
10分を超えるライヴテイクは強烈すぎたのだ。
 
同名のテレビドラマが4月から始まるそうだ。
CMのBGMで流れるイントロ。
あー、何という暴挙をしてくれたのだろうか。
電波でたれ流しにされ、企画盤が店頭に並び
各家庭のラックではマライヤキャリーの隣に並べられてしまうのだろうか。
フォアシンボルズ、と称されたアルバムの輝きは闇に葬られてしまうのか。
発案者は誰なんだ?
企画したのは誰なんだ?
お前はツェッペリンを愛しているのか、とむなぐらを掴んで問い詰めたい。
 
僕らの宝が、デートのBGMになったり、携帯の着メロになったり、
興味本位のやつらの手垢にまみれて汚されていく。