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「黒と黒、そしてまた黒」
 結局1月分の原稿は落としてしまいました。その分なぜか2回分手元に
あったり、私が引きずり込んだドシルくんの武道館裏話投稿もあったことだし、
ご勘弁いただこう^^;;;

  と書いてた同名コラムも没にしました。最近コラムネタに詰まる理由が
ようやく見えてきた。これまで以上に情報が速くなったのだ。各種WEBからの
速報、その後週刊誌で読む。それから数週してようやくTVで見る。結果も
全て知ってる試合の再確認。燃えない。テンションが上がらない。

  このタイトルは蝶野の黒と武藤の黒の決着戦が、私の思い浮かべる新日
ストロングスタイルに見えた、パワーボムもラリアートもないプロレス、
新日における黒とはストロングスタイルの象徴。そしてその元祖の黒、
アントニオ猪木の影響力の復活、つまり小川の黒。ストロングスタイルの
新しい時代はこの3つの黒から生まれると思った。

  2月8日、東京出張から帰って新日の中継のビデオを見た。久しぶりに熱く
なった。鈴木VS健介。鈴木は本当にいい目をしている。タックルと気迫だけ
という状況だが、細かいところにいい指導を受けてるな、という印象を持った。
そして動けなくなるまで闘い、健介を越えてみせると語った。好きなスタイル
のレスラーになるとは思えないが、いいレスラーになると思う。

  T2000 VS nWoジャパンの6人タッグもよかった。フライはすっかりプロレスが
できるようになったし、スーパーJも完全に日本スタイルになじんでいる。
nWo組のコンビネーションもすばらしい。情報としては既にこのメンバーの再編成が
進んでいることが公にされているわけだが、それにしてもいい試合だった。

  そして橋本、飯塚VS永田、中西。結果は知っていた。飯塚が髪を切ったのも
知っていた。が、まさかこんな試合になっていたとは。橋本も今度こそは変化の
兆しが見える。それ以上に飯塚の変化が凄い。これが以前のように尻すぼみに
ならないことを祈るが、この試合で見た感じ、まったく別人と化している。
短く刈り上げた髪、少し蓄えた髭、そして少し体も大きくなったように見える。
これは自信がそうさせるのか?その印象はあたかも短髪時代の馳や、全盛期の
藤原を思わせる。そう、いわゆる仕事師の印象だ。試合運びもまさにそういう
印象。カットプレーの合間とはいえ、中西を締め落とした。今までならその後
”ちゃんと”打撃に屈し、”ちゃんと”負け役という”仕事”をこなしていた。
が、打撃にも屈せず、逆転をくらうこともなく、”関節技の仕事師”ぶりを
見せ付けた。永田との関節の取り合いに勝ち、蹴りに耐え、捕まえた。中西の
パワーには押されたが、屈しなかった。

  飯塚のスタイルは私が求めてやまない、昔の新日ストロングスタイルに限り
なく近い。パワー技や蹴りに頼らない、上質な技術のせめぎあい。猪木スタイルの
逆襲?

  コアになるストーリーが存在しない新日ではあるが、楽しみな要素が増えてきた。
後は。。。小川、橋本戦を急がないで、安売りしないでと藤波社長にお願いしたい
というところかな。蝶野の黒、武藤の黒、小川の黒で書き始めたこのコラム。
今の時点では蝶野の黒、猪木/小川/橋本/飯塚の黒、鈴木らの世代の黒、
ライガーの黒(あっ、書いてなかったな)、闘魂伝承をもくろむ健介の黒。
誰が抜け出すのだろうか。永田のオバケはここに食い込めるのか、ようやく
久しぶりに新日が本当に面白くなってきたような気がする。

「What is Jr?」
 ちまたでは橋本引退問題一色ですね。あと中継のさまざまな問題も。
大阪ではこれを書いてる前日に、レギュラー枠でのドームの試合が
流れました。これで新日Jrのヘビー級挑戦カードは全てでしょうか。

 カシン、永田戦。一番Jrが勝つ可能性があった試合ではないでしょうか。
関節技を極めているというのは、ウェイトに関係なく、パワーに関係なく
勝つ可能性をもっているということ。これは垣原に負けた健介の例を
見るまでもない。キックを封印し、パワーで押さずにテクニックで勝負
しようとした永田は上記健介のごとく油断したのではない。レスリング
勝負で勝つことに意味を持たせたかったのだろう。これはウェイトに関係ない
レスリング。想像通りいい試合だった。蹴りを出させた時点で、ある意味
カシンの勝ちかもしれない。が、これはJrのヘビーへの挑戦という視点で
見る試合ではない。。。

 金本、フライ。文句なしに凄いです。誰がってフライ。すっかり最高級の
ヒールレスラーとなっていますね。フライって何kg?Jrと大きく差が
あるようには思えないんですが。ま、金本にちゃんとやらせておいて、
しっかりとしめ、最後の技は凄かったっすね。ヒールホールドと呼ぶには
惜しい。なんか良い名前考えて欲しいぐらいの技でした。最近ネーミング
センスがないもんね。おっと、このネタはまた今度。結局、Jrの喧嘩王?
金本も子供扱い。

 大谷、小島。この試合が一番今回のテーマにぴったり来ていたような
気がします。同じ浜口道場出身で、キャリアも近い。技術論ではなく、
Jrの勢いを小島が受けとめ、小島の攻めを必死で返す大谷。良い試合
でした。が、終わってみればまだ小島に余裕が。。。

 ライガー、健介。だめすぎ。健介に余裕を見せろ、というつもりは
ないですが、いきなりラリアートニ発はないでしょう。
それ以前にライガーもいまいち。えらそうなことを言ってるが、
橋本とやった時のような驚きはありませんでした。
正直橋本、佐山とやった時のスタイルでやってほしかった。本気であると
いう証明に。逆にいうとあのスタイルでないということは本気でないという
言い訳に見えてしまいます。GIに出られるのなら、真夏でもあることだし、
わざわざ不利な今の全身タイツでやるのはやめてほしいな。ファンに夢を
与える前に強さを見せたいのならなおさら。

 ということで、ヘビーに迫るJrというものは感じられなかった。
私の中で記憶をたどると、わずかに知っている藤波Jr時代。ヘビーの
トップレスラーが少ない時代ではあったが、普段はあまり線引きなどなく
ヘビーと戦っていたような気がする。タイガーマスクは時々タッグで
スーパーヘビーの選手とからみ、軽快な動きで翻弄してみせた。
越中、高田組は、越中のヘビーに通用する打たれ強さと高田の関節で
タッグリーグ戦で大活躍した。ヒロ斎藤、保永などは、そのうまさと
ずるさでヘビー級をくってた。言うまでもなく全日のJr戦士は
ヘビーにもまれている。

 新日Jrは今の枠組みができて以降、そう、佐野が抜け、AKIRAが
ライガーに勝ち逃げして以降、明確な線が引かれてしまいました。
新日Jrという”形”ができてしまったのです。一生Jrのライガーは
ともかく、大谷、金本もヘビー級への転向はしないらしい。Jrのままで
ヘビーに挑戦もいい。だけどその枠の中に押し込められるぐらいなら、
ウェイトを付けてヘビーに飛びたてよ。Jrを卒業しないのはライガー
だけでいいのではないか?新日では。これは会社にいうべきなのかな。

「タレント」
 日本には外人タレントが結構いる。両ケントしかり、デイブ・スペクター
しかり。ちょっと前にではゾマホンとかいう人が受けていた(良く知らない
のです)。彼らは日本に仕事で来ていたり、留学してきたり。だからそれな
りに日本語が話せる。それだけでTVで食べていけるのは何故だろう。当然
彼らの素養というものも存在するけど、それ以上に「外人」であるというタ
レント(才能)が大きい。もちろんそれは文化の違いを見せるのに役立つが、
「外人である」ということだけで一つの才能なのだ。が、それを生かしてい
るのはたけしであったり、紳介であったりするわけだ。

 今の日本人レスラーにタレント性が無いとは言わない。各自自分の色を打
ち出しているし、だいたい成功している。が、外人レスラーはどうだろう。
昔の外人レスラーはタレントの宝庫だった。デストロイヤーに至っては長期
にわたってバラエティ番組にレギュラー出演していたほど(って、なつかし
ーなぁ)。神様、鉄人、人間風車、人間発電所。。。聞いただけでわくわく
したものでした。で、今は?

 確かに外人レスラーの凄い選手は減った。おまけにWWFとWCWの囲い
込みも激しく、またその情報も早く、「まだ見ぬ強豪」はいなくなった。ゴ
ールドバーグぐらいだろうか。今まともな外人レスラーを呼ぶ団体として、
二大メジャー以外にFMWを考えてみる。ここは同じく独立系ECWからの
レスラーが来る。新鮮味があって、「まだ見ぬ」選手達だが、逆に伝説はな
い。全日は一応WWFとパイプがあるようだが、WWFのトップクラスが来
るわけではない。インディーのレスラーが上がるときと同じように、若い外
人レスラーをあげて、テストし、鍛え上げている。所属選手と大して変わら
ない。

 新日はというと同じくWCWと提携しているが、トップクラスはなかなか
来ない。来るのは現地の派閥抗争などの第一線からはじき出された選手のみ。
しかしそれも仕方ないのかもしれない。以前、有名外人選手が来日した場合、
シリーズ序盤は若手や中堅の”いい仕事”をする選手が対戦し、その”伝説”
を盛り上げてきた。が、今はどう?健介とランディ・サベージ(だったか?)
がやったときのしまらない試合はどうだ?小島がスティーブン・リーガルに
勝ってしまったのはどうだ?甘やかせ、というのではないが、結局は外人の
タレントを殺してしまってる。これではWWFやWCWの首脳陣が、トップ
クラスを送り込んでくるはずはない。うまく使ってるのは蝶野だけでは?
(おっと、今日は蝶野の話ではない)。

 大阪出身のハードコア/スラッシュ系のバンドで、ガーリックボーイズと
いう人たちがいる。昔ちと縁があってライブをタダで見たりしたことがあっ
た。彼らはハードな音に、時にはコミカルな歌詩というギャップが楽しいの
だが、あるアルバムの中に「ゴング」という曲がある。この曲はレスラーの
名前とニックネームを連呼する歌詩(笑)。たとえば「カール・ゴッチ 神
様、フリッツ・フォン・エリック 鉄の爪」てな感じ。そして最後に「カム
バック・トゥ・ザ・リング ゴングで燃えろ!」と。

 日本人レスラーのニックネームにしてもそう、最近のオリジナル技にして
もそう。ネーミングセンスがない。マスコミのせいも、あるのだろうけど。
そんなものをぶっ飛ばすような、伝説になるよな呼び名を与えられる、そう
いう選手は現れないのか?

「混沌」
 猪木がPRIDEに荷担し、カシンや安田を送り込もうとしているらしい。
新日:UFO:PRIDEに微妙な関係が出来つつある。そして船木ヒクソン戦に
絡んで新日とUの血を引くものたちが顔を合わせた。リングスも頭打ち、
高田道場はすでに興業能力はない。パンクラスは。。。やっぱだめ。
コロシアムがどうなるかは知らないが、これからの総合格闘技路線、
新日:猪木:PRIDEに、Uの後継者がからんで一つの形になっていくのでは
ないかと思ったりする。が、先日桃太郎さんがおっしゃってたように
勝ち逃げしそこねた船木、今度は前田を告訴とか。私のこの構想から
外れるなぁ。

 一方、全日がついに瓦解した。三沢を筆頭に大量離脱は避けられない。
これを書いてる時点(6/14)ではまだ不明なことも多いが、百田兄弟って
反三沢派だと思ったのになぁ。川田は残りそうらしいが、後は?
てっきり百田、ラッシャー木村、永源あたりしか残らないと思ったのに。
川田一人エース、後は若手とロートルと外人?全日の看板が泣く。
まさにメジャーは新日1団体の時代。NWA消滅なみの衝撃。

 三沢中心の新団体ができるだろう。が、良くて準メジャー。FMW、
WAR(天龍が戻ったから)と同レベル。選手の力がいくら凄くても
興業的には苦しいだろう。となると自分たちの力を真に発揮するためには
新日と絡む以外に手はない。残された川田/全日も、天龍を呼び入れるとか
チャンスとばかりに橋本に手を伸ばすぐらいの意欲があれば芽はある。
が、そんな融通が利くぐらいならこんな事態にはなっていないだろう。

 FMWはやはり冬木が必要。引退騒動の時、反対署名メールは3通
しか来なかったらしいが、そのうち一通は私なんだな(苦笑)。
だが所帯がでかくなってきて、邪道、外道、金村の居場所がなくなって
きている。そして実質天龍のみのWAR。この二つは繋がっていく
しかない。WARなら、天龍なら、FMWの活きのいいのを受け入れ
られる。本当はここに川田が絡めば。。。無理か。

 新日格闘路線(G-EGGSを中心に)−猪木−プライド−U
 新日プロレス路線−三沢派−大仁田、およびインディーJr

 この2本がこれからのプロレス界の柱になっていくのではないだろうか。
FMW、WARが連合し、ここに絡んで来られれば上出来。他のインディー
は。。。最近向上心が感じられないなぁ。バトラーツも好きなんだけど。

 でも本当に見たいのは。。。三沢らがPRIDEで闘うところだろうか。
そうなると上記の構図はまた様相を変える。高山あたりなら。。。
なんにせよ混沌は進む。新日はここで本当の覇権を握ることができるか?

「STO」
 「あの技って痛いの?」先日の小川、橋本戦以降、何人かに聞かれた。
当然STO。初めてみたときはただの大外刈りじゃない、橋本なにやってんの、
と思ってました。大外刈り?

 ウィ〜〜〜〜〜〜ン(タイムスリップする音)

 もう20年近く前になるのか。中学に入った私は、なんの因果か勢いで柔道
部に入りました。身長こそ同学年では高い方でしたが、体重はかなり軽いほう
でした。身長低いほうの組は相手の下に潜り込む背負い投げや体落としを中心
に、高い方の組は力と上からの組み手が有効な払い腰と大外刈りを中心に教わ
りました。私は。。。どっちつかず。身長高い組に入ると上から組めないし
パワー負けする。小さい組相手だと、背負いはつらい。ということで体落とし
をメインに使っていました。

 私が1年生当時の3年生に、かなり身長があり、がっちりとした細身で、パ
ワーとスピードのある先輩がいました。その先輩の必殺技が大外落としでした。
大外刈りはSTOを見れば分かるように、相手の外側の足をかけ、体を浴びせ
ますが、大外落としは相手の両方の足を一気に刈ります。そこに先輩の上背と
スピードとパワーが加わると。。。どれだけ受け身をとっても後頭部から落ち
ます。恐怖でした。

 さて話は戻って現代。小川はでかい。橋本より上背があって、パワーも体重
もスピードも相当なもの。橋本はSTOを力でこらえようとするが故に悲惨な
ほどしたたかに後頭部を打ち付けられます。小川のスピードとパワーと体重が
乗る分、半端なスープレックスよりも衝撃は大きいと思います。そう、先輩の
大外落としのごとく。。。

 先日の試合では、坂口会長の指導によりSTO封じが試みられました。基本
的にはかけてきた時に体をずらし、態勢を崩す。しかし、小川はさすがに柔道
世界一になった男。体をずらした位置は払い腰に最適なポジション。実際に、
大外>払い腰の連絡技はよく使われます。小川は無理せず払い腰で橋本を投げ
続けました。払い腰ではSTOほどのダメージはない。しかし0ではありませ
ん。

 橋本の注意がSTOから払い腰に移り、払い腰をこらえる動きを見せた時、
逆に払い腰から大外刈りへの変化に切り替え、ついに橋本の後頭部をうち付け
ることに成功。その後、橋本にも何度かチャンスはあったものの、小川は一瞬
の隙を見逃さず、まだそんなに動けるの?というスピードで組み付き、STO
を仕掛け続けました。やはり柔道世界一は伊達ではありませんでした。

 橋本も柔道経験者で、坂口会長の指導も受けてきたのなら、もう少し連絡技
への対応ができても良さそうなものだし、最後のほうの隙だらけな状態もだめ。
やはり今回も時期尚早だったのだろうな。小川は本当のプロレスラーではない
ので、必殺技を躊躇せずに連発してくる。隙を見せたら終わり。

 (右の)大外刈りは、襟をつかんだ右手、袖をつかんだ左手ともに鋭く引き
つけ、胸と胸をあわせた状態で足を刈りに行きます。相手を後ろに飛ばすため
に、相手の首に巻き付いた右腕をぱーんと伸ばすこともあります。その瞬間は
まさにラリアート。そういえば大外ラリアートとかやってたなぁ、当時。個人
的にはハンセンのラリアート、打撃だけでなく、首を軸に回転させ後頭部から
たたきつける技だと思っていますので、同じなのかもしれません。

 ラリアートのハンセンがフェードアウトしそうな今、新たな必殺技の時なの
かもしれません。しかも純和製の。後は橋本より受け身の上手な選手とやった
らどうなるかが楽しみですね。

「ドラゴンクエストVII」
 6月以来でしょうか。完全にさぼってました。仕事のどたばたもあり、
休みは釣り三昧、大阪での新日の中継はよくずれ込んでビデオに入って
なかったり、入ってても見る気が湧かなかったり、かなりプロレスに
対する気力というのが抜けてました。ネットやらなんやらで入ってくる
情報で満足し、中継はそれから何週間も後、盛り上がらないです。

 それに加えてここのところはずっとドラゴンクエストVIIづけになって
ました。もっとも今は一応エンディングを見て落ち着きましたけど。
言うまでもなくドラゴンクエストは日本を代表するコンピュータRPG。
対抗馬と言えるのはファイナルファンタジーぐらいでしょう。ドラゴン
クエストは1作目からリアルタイムですべてやってきました。ファイナル
ファンタジーは2、4、5、6ぐらいやったかな?6の途中で力尽き、
もう二度とやるまいと誓ったので、PSに移りど派手になってからはまったく
やってません。ファイナルファンタジーは最新作が9かな?ドラゴンクエスト
より後発にもかかわらず、本数では圧倒してます。

 ファイナルファンタジーは今でもハイペースで、そして毎回超大作として
リリースされています。逆にドラゴンクエストはじっくりとしたペースで
出してきました。今回もPSらしい3Dばりばり画面ではなく、いつもの
ドラゴンクエストに3D風味を足したもの。特に今回のドラゴンクエスト
VIIは短いストーリーを積み重ね、最後に大きなストーリーへと紡ぎあげて
いきます。そしてお遊びの部分も含み、ずっと遊べるものとして作られて
います。

 最近この2本のことを考えると新日のことを思い出してしまうのです。
昔の新日は、シリーズというショートストーリーを積み重ね、年間の
大きなストーリーを紡ぎあげ、そして何年かに一回、その総決算となる
ような大きなドラマを作ってきました。そのころのストーリーはいつまでも
プロレスファンの記憶に残っています。シンとの抗争、格闘技戦、
国際軍団、マシン軍団(復活の兆しあり?)。これはとてもドラゴン
クエスト的。

 一方最近の新日は短いスパンで大きなドラマを連発してくる。今回の
川田VS健介もしかり、小川VS橋本の連発もしかり。最近のファイナル
ファンタジーをやってないんで偏見かもしれないけど、同じ印象がある。

 ここ数年の新日のビッグマッチについて語ることがありますか?
いくつか前のファイナルファンタジーの思い出を語る人を見たことが
ないです。昔の新日の思い出を友人と語りだせば一晩ぐらいあっというま。
ドラゴンクエストの話をしだしたら一作目から最新作まで、ストーリーから
キャラクタ、そしてアイテムやらモンスターの一つまで話題になる。
世間が短いスパンで大きな刺激を求めてるのはわかる。でも折角の全日、
川田というすばらしい素材も、このまま小川のように瞬間的に消費して
しまいそうでもったいなく思う。
もっとじっくりとストーリー作れませんか?>社長&現場監督様

「道場」
 その昔、SWSは道場制を採用した。画期的なことだが、これは時期
尚早だった。天龍に実力でもネームバリューでも、対抗できる道場主が
いなかったのだ。発想はよかったのだが、あの顔ぶれであれば天龍一人
エース制を引き、3つぐらいのチームで勢力争い、ぐらいの構図が正解
だったのではないかと思う。結局各道場がそのままインディー団体と化
して行った。

 その後、道場制は何度か息を吹き返す。藤波のドラゴンボンバーズ、
無我。これは藤波の行き当たりばったりさが明らかになっただけで消滅。
リングスでは田村が自分のジムを作ったはずだが、どうなったのだろう。
リングスは国単位の道場制とも取れる。一応成功しているのはパンクラ
スだろうか。二つに分けたはず。横浜とどこだっけ?ジムもきっちりと
わけたのだが、それがどういう効果をもたらしているか、よく知らない。

 が、気が付いてみると今のプロレス界は道場制に限りなく近づいてい
る。SWSでは天龍一人であったために失敗した道場制だが、今なら出
来る。蝶野道場、武藤道場(プロレス学校を作りたいらしいし)、橋本
道場。時には自主興業を行い、多くは他の興業団体に選手を出す。全日
は現在道場としての能力が限りなく低下しているから、興業団体として
の意味合いが強い。他団体から選手を集めて興業を打つ。ノアは逆に、
三沢道場。他の興業に積極的に選手を出している。

 将来的には選手を抱えない身軽ないくつかの興業会社(プライドのよ
うな)と、時折自主興業を打つ多くの道場/ジムという形になるのだろ
う。興業団体のおかかえ社員でなくなったレスラーはバイトしないと食
えなくなり、プロレスから長期的なストーリーは消滅するかもしれない。
ただこのままで行くと、新日は当面どちらの意味でもトップで有り続け
るだろう。興業団体としては傘下の道場から人を集められるし(この辺、
次回つっこんで)、道場の機能もまだまだ落ちていない。やっぱり一人
勝ちか?

「新日派閥」
 全日が崩壊したころ、新日格闘技路線:猪木:プライド:Uというライン、
新日純プロレス路線:三沢派:インディーJrという2つの枠組みと、それに
対抗するのは全日:WAR:FMW連合だというコラムを書いた。が、
実際にはさらに混沌とした状態となっている。全日:WAR連合ではなく、
全日:WAR合併のような状態。天龍が入ったこと、早期に新日に手を着け
たことで全日は準メジャーの位置を守っている。最初はT2000が、これ
からは武藤派が絡んでいく。

 一方三沢派はノアとなったが、なかなか新日と絡まなかった。が、ここに
きてZERO-ONEとなった橋本派が乗り込むことになった。三沢は次のカード
で永田が出てくることを認めたらしいが、、、つい先日川田と闘ったばかり
の永田で、本当にいいのだろうか。永田もG-EGGSはどーなのよ。

 じゃあZERO-ONEって何なんだ?新日をやめた橋本が作った新団体?なら
なぜそこになんのトラブルもなく永田が上がり、契約が切れたとはいえ、な
んのごたごたもなく大谷や高岩が移籍できる?

 結局は前回書いたように、ZERO-ONEは新日系橋本道場にすぎないのであ
る。これまで何度か挑戦してきた新日の分社化(平成維新軍興業とかね)が
ついに軌道に乗ったと言うことだ。

 その兆しはここ数年見られていた。格闘技戦用チームとしてのUFOの発
足、これまでけなし続けてきたインディーからの人材登用による増員。これ
までの新日なら十分人が足りていたのだから、中途採用(笑)なんて必要な
かった。福田もそうだし、田中に至っては。。。あれ引き抜きでしょ?そう
いわれるのがいやで一旦フリーにさせておいて時間をおいただけで。条件は
ベルト?

 おっと話が外れた。チームが増えて選手の取り合いが起こり、日本人を中
心としたアジア人にも手を伸ばしている大リーグのように、今ノア、全日が
インディー系の有望な選手をどんどんと吸収している。新日も分社化して人
が必要なのだ。次は橋本が星川を、武藤が人生をスカウトするようだしね。
東郷はみちのくに帰っちゃったけど、邪道、外道、田中なら上でも通用する
だろうし、どこが取るかな?

 気が付けばFMW/大日本組という大仁田系?団体と、さらに”ど”イン
ディー(失礼)以外は猪木の遺伝子に埋め尽くされている。今後は新日本プ
ロレスグループというべき(暗黙の)組織になるのだろう。

 健介はIWGPチャンプとして、長州の後継者として、新日の本社を締める。
蝶野は有能なメンバーをそろえ、いつでもどこでもいい仕事の出来る本社直
系部署。橋本は社内ベンチャーで独立し、本社が手を付けられない仕事をす
る。武藤はその天才肌をもって、会社の枠を越えたチームを作っていく。成
長しきって行き詰まりかけた企業を、さらに成長させるべく起こった(首切
りではない)真の意味でのリストラクチュアリング(再構築)なのだ。当然
大きなイベントにはグループの総力を結集するだろう。それが本格化すれば。。。
ノアも全日も、新日本プロレスグループの衛星企業となってしまうのかもし
れない。

「田中VS村濱」
 大阪プロレス公式サイトのBBSで、村濱が決めたチキンウィング・アーム
ロックに対する田中の動きが話題に上っている。「田中はタップしている」と。

 その話が出だしてからしばらくして、ようやく大阪でその試合が放送された。
自分の目で見たが、たしかに決められた状態で、田中は村濱の背中をたたいて
いる。田中の負けなのか?でもレフリーは止めなかった。そして村濱も文句を
言ってないし、セコンドのデルフィンらも何も言ってない。さて?

 新日はルールを整備すると言ってたはずだが、今はどうなってるんでしょう。
過去の団体、たとえば旧NWAなどをとってみても、ルールって明文化されて
たのだろうか。もっと絞り込んでいうならば、極められている状態で相手の体
をたたくことはギブアップの意思表示として規定されているのだろうか。

 前にも書いたけど、私は柔道の経験がある。柔道ではまいったの意思表示に
畳を2回たたく。たとえば上四方がためなんかで顔の上に乗られることもあり、
声に出していえないこともあるから。これは格闘技系の漫画で読んだのだと思
うけど、ヴァーリトゥードかなんかで極められている状態で相手の体をたたく。
それもレフリーの死角で。かけているほうは一瞬油断する。その隙を突いて逃
げるというテクニックもあると。

 あの時の田中はどうだったんだろう。ルール的にどうなのかはわからないが、
「ギブアップ」といえない状況ではなかったはず。だからあの村濱の体をたた
く行為がギブアップの意思表示だとは言い切れない。そして村濱も、一瞬油断
をしたのか、改めて次の瞬間腕ひしぎ十字がために移行する。

 レフリーが「ここで終わったらあかんやろ」と判断したのか、村濱が「最後
は負けることになってるにせよ、もうちょい盛り上げなあかんなぁ。このチキ
ンウィングはきつすぎるから、逆十字ぐらいにしとこか」と思ったのかもしれ
ない。一瞬で終わるのが格闘技の魅力かもしれないが、納得いくところまで見
せるのがプロレスの魅力。結果的にはあそこで終わらなかったからこそ名勝負
になったのだと思う。

 そんなことより。。。新日対大阪プロレスの対抗戦の頂点が新日外様の田中と、
大阪プロレス外様の村濱とはねぇ。本当ならライガーVSデルフィンでなけれ
ばいけないはずなのに。やっぱり、限りなく格闘技ちっくなプロレスができる
人間でないと、これからはやっていけないのかな。

「面白いプロレス」
 私は新日ファンで、蝶野が好き。蝶野が描いてきたストーリーを楽しんで
きました。もちろんこれからは武藤が描くストーリーも楽しみ。

 私は新日ファンで、昔からの猪木信者。でも今の猪木の描くストーリーは
あまりにも散文調で、ついていけないところが多い。

 で、今の新日、面白いですか?スポットがあたるのはひも付き、いやへその緒
の切れてない状態のくせに独立したふりをしてる連中と、引退したはずの峠を越
えたレスラー。正直言ってつまんないです。

 GW中の5月2日深夜。翌早朝から泊まりで釣りに行く予定だったので、早め
に布団に入ったのですが、結局1時間ほどうとうとしただけで目がさえてしまい
ました。しかたなくおきだしてTVを付けると。。。ちょうどガイアジャパンの
中継が始まるところでした。大阪大会だから大阪ローカルでやったのでしょうか?

 以前からガイアジャパンには期待するところもあり、大阪大会のカードもある
程度知っていたので、結局腰を据えてみてしまいました。といいますか。。。
途中で止められないほど面白かった。そこには妙に深刻ぶってる今の男子プロレ
スの悪いところも、昔の女子プロレスの軽いイメージもなく、本当に面白いプロ
レスが展開されていました。

 ガイアジャパンは復活クラッシュと、その周囲を取り巻く各団体でトップを張
った高年齢層(失礼)、ガイアジャパンたたき上げ世代の突き上げ、そしてその
間で苦しむ世代から構成されている(と思う)。たたき上げ世代の中で独自のキ
ャラを確立している広田は、さらに下の世代から突き上げられる。当然面白おか
しく^^;;;。たたき上げ世代の一人は苦しむ世代の山田を破り、上さえいなければ
押しも押されぬエースたる里村は、最強伝説の持ち主の一人、ダイナマイト関西
にシングルで2連勝(他はアジャとか京子とか神取とか)。苦しむ世代のもう一人、
KAORUはいまどきヒールへの脱皮中で、デビルからヒール魂伝承?って感じ。
負けたけれど、倒れているのはデビルで、KAORUは笑いながらデビルに肩を貸
して退場していく。魅せるねぇ。

 そしてセミファイナルでは、これまたたたき上げ世代のシュガー、永島が、北
斗、尾崎のこれまた頂点を極めたチームに勝つ。メインは復活クラッシュと復活
アジャ京子。これが面白くならないわけがない。妙な遺恨を感じさせない純粋に
楽しめるプロレスを見せてくれた。残念なことに、まだまだこれから、というタ
イミングで京子がかなりへばってて終わってしまったことぐらい?

 長与、飛鳥、アジャ、京子、北斗、尾崎、関西。女子プロは門外漢な私が見て
も、これはすさまじい豪華メンバーだとわかる。こういう世代が居残るようにな
って、若い女子が育ちきれないとずっと思ってたのだが、ここの若いのはこの世
代に負けないところまで来ている。長与の指導で基礎を作り、こういうトップの
連中に食いついていくことでどんどん成長する。もう同世代では他の団体の追随
を許さないのではないかな?浜田(娘)ぐらいの素質と体がないと。

 ということで、2時間ぐらいで、全試合を見たのですが、こりゃ最高の興行だ
と思いますよ。お金を払って見る価値がある、と。これこそがプロレスの面白さ
だと再確認させられました。

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