裏技

巻ノ参


”百列突き”



〜〜〜「ねえ君、なんかクラブやってるの?」
「うん、フェンシングやってる」
「え、フェンシング!?」
「フェンシングってあれでしょ、こうやってシュシュシュってやるやつ(と
言って半身になって手を前後させる)」
「・・・うん、そうだよ」
「そうそう、全身タイツでねー」
「・・・・・・・・・・」〜〜〜

どうも、久しぶりの更新になります。
ところで、フェンサーの皆さんは(そうじゃない方ごめんなさい)こんな苦
い経験はないでしょうか?ちなみに私はいっぱいあります(笑)。とりあえ
ず後半の全身タイツ発言はおいといて・・・。今回は、世間の人がフェンシ
ングを「やたらと何回も突く」と認識している点についてです。実際はアタ
ック権やポイントの正確性の関係でそんなことはしないんですが、どうもそ
んな風に勘違いしている方は多いようです。できればそういう勘違いはなる
べく直していきたい所ですが、いちいち説明するのも面倒ですし、そんな簡
単に世間の考えというものは変わりません。結局、愛想笑いを浮かべつつ心
の中で愚痴をつくことになります。

だがしかし。

ここであきらめちゃあエピャーの名が廃る。

周りがそう思っているのならその通りやってやる。そうすれば彼らの発言に
も本心から「うん、そうだよ!」と言えるであろう。

なんていう前向きだか後ろ向きだか分からない動機から始まってます、今回
の技。いつもの「こういう結果を得るためにはどういう技が必要か?」では
なくて、初めに技ありきの技であります。
(本当は違うんですが)

それでは技のやり方を。
あそうそう、今回はエペです。

1.離れた間合いでお互いの様子を探る両者。
2.そこで突然、剣を「シュシュシュシュシュッ!」と音がせんばかりに前
  後に動かす。
3.するとどうだ!謎の行動にあせった相手は、慌ててパラードをするが、
  前後に抜かれて全て空振り!余計に焦ってしまい、すっかり消極的にな
  る相手!さあ、攻撃するなら今だ!!

となるわけです(何で?)。
もっとも、ただ剣を前後に動かすだけだと単なる珍行動にしか過ぎません。
私が実際にやる場合は色々と細かい事を考えてやっており、それがこの行動
を一応ちゃんとした技にさせています。
(偉そうでスイマセン)

ポイント1:リズムをつける。
何の考えもなく剣を動かしても、相手に対するプレッシャーは少ないです。
ここは一つ、さも当たり前のようにリズムをつけて規則的にやってみましょ
う。こうすると、「意識的にやっている」感じがよく出ますし、見た目もい
いです。

ちなみに、人間にはリズム感のある人とない人がいますが、これはリズム感
が必ずしも必要なわけではありません。私もないですから。ただし、ある人
とない人では、コンセプトが微妙に変わってきます。

<リズム感のある人>
小学生の時、メトロノームの調整が出来た人はこっちです。
自分が違うのではっきりとは断言できませんが、常に一定のリズムを刻める
人だと思います。そこで、「シュシュシュシュシュ」と「シュシュシュシュ
ー、シュ」というみたいに、少しだけリズムが違うパターンをいくつか用意
して、それらをランダムで混ぜていくと効果的でしょう。注意点として、
相手が音痴の場合、少々の違いでは気づかない可能性がありますので、わり
と大げさなやつも一つ用意しておくといいでしょう。

<ない人>
流行の音楽系ゲームが苦手の方は多分こっちです(私も)。
こういう人は毎回正確なリズムを再現することは困難だと思います。そうし
ようとしても、どこかで狂いが出てしまいます。しかし、逆に言えばそれは
「ナチュラルなパターン違い」とも言えるので、普通にやっているだけで、
相手にフェイントをかけられるでしょう(自信なし)。
ただし、相手が本当にリズム感抜群だとそれら全体をひっくるめて覚えられ
しまうので、通用しなくなると思います。しょうがないのでそういう場合は、
わざとでたらめな動きをしてみましょう。運がよければ引っかかってくれる
はずです。リズム感のある人と違い、「変なリズムで動いても自分のペース
が崩れない」ので(そもそもペースがない、とも言えます)、自分の動きに
自分が引っ掛かるということはあまりないはずです。


例として、私のパターンは「シュッ、シシシシシシシュ、シュッ!」という
やつです。なんかそんな技がゲームにあったので(笑)。


ポイント2:長さも変えよう。
いくらタイミングをずらしても、手の動きが一緒では視覚的効果はいま一つ
です。手の動かす範囲も変えてみましょう。
注意点は、
・ポイントを動かしすぎない・・・全く固定しているとバッテ等をくらいや
すいので、多少は散らしていきましょう。ただし、相手の攻撃に対するコン
トルが出来る範囲で。
・引きすぎない、伸ばしすぎない・・・あんまり手を大げさに引いたり伸ば
したりすると流石に隙が大きすぎますし、なにより疲れます。所詮フェイン
トなのですから体力の浪費は避けましょう。
といった所です。


これまた私の例ですが、先ほどのリズムに以下のような動きをつけています。
なお、1〜10の数字は1が完全に腕を引いた状態、10が伸ばしきった状
態です。
(「1>10>5」だと「腕を引いた状態からしっかりアロンジェ、そして
真ん中ぐらいに戻す」になります)

「シュッ、(5ぐらいの構えから8>2)
シシシシシシシュ、(2>6or7を数回)
シュッ!(1に引いてから10)」


うーん、いまいちよく分からないですね。
今度暇があれば(あと知識もあれば)私が実際にやってる所を載せます。
え、いらない?そうですか(笑)。


次回予告! えー、何かあおり文句を考えようとしたんですが、全く浮かびませんで した(笑)。 というわけで、予告は名前だけということで。 次回前蹴りフレッシュ、お楽しみに。


養成所に戻る