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前回の「火」に続いて、「生命」という単語を取り上げてみました。子音の有声化現象という、興味深い現象が見られます。
元となったラテン語は vita 、この形が現在のイタリア語でも、そのまま使われています(発音は違います)。また表には載せていませんが、ルーマニア語では viata ( t の下と a の上にアクセント記号が付きます)と、ほぼ原型をとどめています。
ところがこの単語が西ロマニア(簡単に言うと、現在のイタリアやルーマニアが東ロマニア、フランスやスペイン、ポルトガルなどが西ロマニアです)に入った時に、有声化現象というのが起こります。
これは母音と母音の間に挟まれた閉鎖音( t や p など)が、調音のゆるみにより有声化したもので、要するに訛ってしまったわけです。
その理由は「プ」や「トゥ」などの無声子音よりも、「ブ」や「ドゥ」などの有性子音の方が発音が楽だからで(無声子音は声帯の振動を一旦止めて発音しますが、有声子音は声帯の振動を止めなくて良いから)、そこは要するに人間の性、楽な方へと流れてしまったわけです。(笑)
そうして有声化したのがスペイン語の vida です。さらにフランス語では、古仏語では vida だったのが、さらに弛緩して間の子音 d までが消失し、今日の形 vie になりました。 vie de France というパン屋が最近人気ですね。
英語とドイツ語に関しては、今回全く別の形をしています。ラテン系の語彙ではなく、ゲルマン語に由来する語彙が使われているのですね。しかし英語では形容詞 vital (生命の、生命にかかわる)、名詞 vitality (生命力、バイタリティ)などが、ラテン語 vita に由来していることは、言うまでもないでしょう。

icon 日本語
    生命  
icon ラテン語
   vita (f)    ウィータ
icon 英語
   life       ライフ  
icon フランス語
   vie (f)      ヴィ
icon イタリア語
   vita (f)      ヴィータ  
icon スペイン語
   vida (f)      ヴィダ 
icon ドイツ語
   Leben (n)    レーベン  

語源クイズ・第一回

次の言葉の語源と、正確な意味を知っていますか?
①テリア(犬の種類)
  ②デュース(言わずと知れたテニス用語)
③バーディー(言わずと知れたゴルフ用語)
 ④エプロン(裸で着る例のもの) 
⑤ナプキン(テーブルを拭くもの)
正解は日記のページにて。

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