時給型購入基準

私はバイトを始めて経験した高校生のときから、様々なものをお金に換算して考えるようになった。たとえば、買い物をするときに「モトが取れるかどうか?」というのが買い物の基準になる。この場合の「モト」とは、お金のことだけとは限らない。楽しいかどうか、嬉しいかどうか、面白いかどうか、という「モト」の考え方も多数有るのだが、最も多いのは「時間」である。

たとえば、約半年前に買ったMacromedia Dreamweaverの場合、購入価格は税込み13,440円(アカデミックパック)である。私の今現在の基準として、1時間を800円だと考えると、13,440(円)/800(円/時間)=16.8(時間)、Dreamweaverが稼ぎ出したとすると、もとを取れたことになる。例えそのDreamweaverが13,440円の現金を稼ぎ出してくれなくても、私の作業時間を16.8時間短縮してくれたら、もとが取れたと考えるのだ。実際のところもとは取れまくりである。しかし実際はその余った時間をよりよいデザインの推敲やより高度なコーディングや内容の充実に費やすことになるうえそれでギャラがアップしているというわけでもないので、複雑な心境では有る。

この考え方でいくと、電車のコストパフォーマンスは凄い。たとえば、私の家の最寄り駅から学校の最寄り駅までは電車で約1時間、電車賃は770円である。ここで、「1時間あたり800円だから、確かに得」と考えるのは情けないほどのあさはかさである。電車に乗っている距離は丁度40kmある。フルマラソン並にいのだ。もし私が足で歩いていったとすると、軽く15時間はかかってしまうだろう。つまり、この通学電車は私に14時間をたったの770円で提供してくれる、と考えられる。つまり、電車に払う一時間あたりの値段は、770(円)/14(時間)=55(円/時間)である。このコストパフォーマンスは凄い。仮に、先述のDreamweaverに電車並みのコストパフォーマンスを求めたとすると、13,440(円)/55(円/時間)=244.36(時間)!!スゲェぞ近鉄!いかすぞ近鉄!ブラボー近鉄!何か間違ってる気はするが、いろいろな物をこのように時間と値段の関係にして考えると、面白いよ。

たとえば、凄く無駄なものの計算をすると、はっきりいって空しくなる。その代表的なものがたばこだ。私は今現在、250円のたばこを1日に1箱吸っている。250(円)で有るから、先程の私の時給を基準にして考えると、250(円)/800(円/時間)=0.31(時間)、おおよそ20分である。私は1日当たり20分を灰と煙のために働いているということになる。一ヶ月で考えると、250(円)*30/800(円/時間)=9.38(時間)!一ヶ月あたり丸1日よりも多い時間、灰と煙とヤニのために働いているのか?くそう、たばこ止めようかなぁ、といつもこの計算をするたびに考えるのだが、なかなか難しい。うーむ。

1999.11.11

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