前年、メタリカのブラックアルバムが空前の大ヒットを記録するのを、十分に意識して作られたことがよくわかる作品。曲書き、アレンジ、唄とまさにデイヴさんのワンマンバンド以外なにものでもないわけっすから、従来路線から変わったというても、根底のものは変わっていない。とは言うものの、ニュアンスというかアプローチが前作までとは違うことは聴いて取れる。このあとに続く2作を知ってる今となっては、本作は名実ともに重金属音楽をリードするバンドへ飛躍する第一歩に位置するもの、でいいでっしょ。
とにかくデイヴさんのバッキングギターというのは超絶っすよねぃ。ソロで名を上げるギター屋はいつでも10人や20人の名前を出せるけど、バッキングでここまでうならせてくれるのは、(ワシ的には)テクでデイヴさん、センスでモトリーのミックさん&麗人ヌーノさま、ノリでザック・ワイルドでしょか。他の人たちのこたぁここでは置いとくとして、デイヴさんのバッキングはカッキリクッキリでカミソリの如しの歯切れ良さ。相当テクが無いとこれは出来ませぬ。
コンプは当然ガシガシ。そして流行とは一線を画したリバーブだらけでないトータルサウンド。それがヒジョーに攻撃性を高めてまする。メロディメイカーとしての仕事は次作以降のが上だとしても、彼がメロディ屋だということはよくわかる1品。
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