大別して既発表曲を集めた編集盤とTV番組サントラなど企画盤があるが共に入門者にとって 好都合であると思う。
Bringing All Back Home(1991)

Donal Lunny/Hothouse Flowers /De Dannan/Elvis Costello/Davy Spillane/The WaterBoys etc.

D・ラニーのプロデュースによるTV番組(ドキュメンタリー)用のサントラ。アイルランドの伝統音楽が移民によってアメリカに伝えられ、やがてそれがフォークソングやカントリーとなって故国へ還ってきた事を検証する内容。CD2枚組全37曲の大作。
アイリッシュ音楽を聴き始めてからこのCDを2年くらい輸入盤で探し求めたが一向に見つからず、ついにはインターネット通販でアイルランドから取り寄せたとたんに国内盤が出たときはコケた。

Celtic Graces(1994)
A Best Of Ireland

Davy Spillane/Bill Whelan/ The Bothy Band/Doroles Keane & John Faulkner/ Planxy etc.

アイルランド入門に最適の編集盤。70年代以降の伝統音楽がポピュラリティを獲得していった時期からの選曲中心。

Common Ground(1996)
voices of modern irish music

Bono & Adam/Kate Bush/ Elvis Costello/Davy Spillane & Donal Lunny/Sinead O'Connor etc.

私がアイルランドにハマるきっかけになった企画盤。D・ラニーのプロデュースでロックサイドの参加が多いのが特徴。ボノやコステロの曲を聞きたくて買ったが、シャロン・シャノンのアコーディオンによるインストナンバーにコロっといってしまったのねん。初めて聴くリズムアレンジと楽器構成になんだ?この音楽は?!と思ううちにズブズブとはまっていったのでありました。

Fiddle Sticks(1991)
Irish Traditional Music From Donegal

「ワールド・ミュージック・コレクション」と銘打ったニンバスレコード社の百科事典的CDの日本盤。ドネゴールでのフィドルフェスティバルを収録したこのマニアックな編集盤を買った訳はジャケットにトミー・ピープルズの名があったため。しかし詳しいクレジットはなく、どれがトミーのプレイかは分からない。しかしソロ、デュエットから15人による合奏など様々なフィドルプレイを堪能できる。

Gathering(1981)
featuring Paul Brady, Peter Browne, Andy Irvine, Donal Lunny, Matt Molloy, Tommy Potts

81年にカセットのみで発売されたコンピレーション。最近になって日本盤CDが出た。 現チーフテンズのマット・モロイが1曲、ドーナル・ラニーが2曲、アンディ・アーヴァインが 2曲、ポール・ブレディの貴重なヴォーカルが聴ける2曲。Tommy Potts, Peter Browneという人が2曲づつ。各々のソロを持ち寄ったような構成。全体的にオーソドックスなアレンジ。

Long Journey Home(1998)

Van Morrison/Mary Black/Sinead O'connor/Liam O' Maonlai/Mick Moloney/Eileen Ivers/Elvis Costello etc.

チーフテンズのパディ・モロニーのプロデュースによるビデオシリーズのサントラ。
V.モリソン、M.ブラック、S.オコナーの名唱が聴けるが私はリアム・オ・メンリィのシャーン・ノス・シンギングによる「White Potatoes」が聴きたくて買いました。98年のホットハウス・フラワーズの東京公演のアンコールでリアムがひとりでふらーっと出てきてカマシテくれたのがこの曲です(多分)。彼には是非、トラッドどっぷりのソロ・アルバムを出して欲しいっす。

Now And In Time To Be 〜(1997)
A Musical Celebration Of The Works Of W.B.Yeats

The Waterboys/Christy Moore/Van Morrison/
Mike Scott & Sharon Shannon etc.

20世紀アイルランド最高の詩人、W.B.イエイツの詩を採用した曲集。一部、既発表曲。ポーグスのS・マクガワンのがなりあり、V・モリソンが朗々と歌い上げる曲あり。地方に残る伝承やアイルランドのありのままの自然の姿に言葉を与えたイエイツの詩が伝統をベースに育ってきた音楽と合わぬわけがない。それはイングランドや他のヨーロッパの音楽には決してない儚(ハカナ)さと美しさ。

Sult(1997)

Van Morrison/Maire Brennan/Mark Knopfler/Sharon Shannon & Laoise Kelly etc.

D・ラニーを中心としたハウスバンドがゲストを迎えるTV番組からの企画盤。ごく最近放送された番組で今現在のアイリッシュミュージックシーンを知るには最適か。

The Celtic Heartbeat Collection
(1995)

Bill Whelan/Sharon Shannon/Frances Black/ Moving Hearts/Andy Irvine & Davy Spillane etc.

新しめ(80年代以降)でポピュラー寄りの編集盤。この時期になると復興した伝統音楽はアイルランド国内のみならず英国やヨーロッパ、アメリカでブームとも言える程人気を博するようになり一気に市場が広がって、上で紹介している企画盤を生む土壌となったわけです。