とりあえず聴くならこの1枚
おすすめアルバム(入門篇)

オシャレ感覚のアイリッシュ・ポップ
「遥かなる想い/ザ・コアーズ」

ロック・アーティスト達のアイルランド嗜好
「ロング・ブラック・ヴェイル/ザ・チーフテンズ」

〜企画/編集盤〜

トラディショナル革新の再出発点
「Common Ground 〜魂の大地」

名作名演から「お気に入り」を探すべし
「ケルティック・グレイス〜ベスト・オブ・アイルランド」


遥かなる想い/ザ・コアーズ

ジム・コアー
/ Keyboards, Guitar, Vocals
シャロン・コアー
/ Violin, Vocals
キャロライン・コアー
/ Drums, Bodhran, Vocals
アンドレア・コアー
/ Lead Vocals, Tin Whistle

mix by ボブ・クリアマウンテン
Produced By デヴィット・フォスター
Co-Produced By ジム・コアー

1995 イーストウエスト AMCY-913

corrs コアー四兄妹によるバンド「ザ・コアーズ」の95年発表のデビュー盤。数曲、収められたインスト・ナンバーは全てダンス曲や伝承歌をアレンジしたもの。オリジナル・ナンバーにもトラッドのエッセンスが垣間見られる。
彼等のサウンドは一言で言ってしまえば「ポップス」だが伝統音楽の要素が本当に自然に溶け込んでいる。これは単純に伝統楽器を取り入れてるからという理由でなく、メンバーたちが伝統音楽と70〜80年代のロックに自然に接してきた結果と言えるでしょう。 このアルバムはヨーロッパ、アメリカでもスマッシュヒットして、1997年には2nd「トーク・オン・コーナーズ」を発表。99年には、下のチーフテンズのアルバムへの参加やローリング・ストーンズのアメリカ・ツアーのオープニング・アクトを務めた。
The Corrs HP(Atrantic Record) ※RAファイル有

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ロング・ブラック・ヴェイル/
ザ・チーフテンズ

ゲスト・ミュージシャン(曲順)
01. スティング
02. ミック・ジャガー
03. シネイド・オコナー
04. ヴァン・モリソン
06. マーク・ノップラー
07. ライ・クーダー
08. 〃
09. マリアンヌ・フェイスフル
10. シネイド・オコナー
11. -
12. トム・ジョーンズ
13. ザ・ローリング・ストーンズ

Produced By パディ・モロニー

1995 BMGジャパン BVCP-782

longblackveil ロック系豪華ゲストを迎えたチーフテンズ '95年発表のアルバム。スティングマーク・ノップラーが伝承歌に挑み、ライ・クーダーは例によってマンドリンやペダル・スティールなどを披露。ザ・バンドの1stでも取り上げられているタイトル曲ではミック・ジャガーストーンズでもソロでも見られないタイプの神妙な雰囲気で唄い上げている。ラストのストーンズはセッション的内容で(たぶん)キースは全然ちゃんと弾いていない。曲中に「サティスファクション」のリフが出てくるのは御愛嬌。チーフテンズのベテランらしいソツのないサポートで演奏される曲はヴァン・モリソンのみが自作曲の再演で、その他はアイルランドもしくは関連のある伝承歌の定番中の定番。ロック・ファンにも取り組みやすい内容になっています。


tearsofstone さらにもう一枚
「ティアーズ・オブ・ストーン/ザ・チーフテンズ」
99年2月発表の最新作で「〜ヴェイル」の続編的内容。ゲストは女性ばかりでボニー・レイット、ジョニ・ミッチェル、コアーズ、堂々日本語で唄う矢野アッコちゃんからアイリッシュ・カナディアンのロリーナ・マッケニットまで幅広い。もちろん大半が伝承歌。
「Tears Of Stone」HP(BMG Classics)※リアルオーディオによる試聴有り

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Common Ground 〜魂の大地

参加アーティスト(曲順)
01. モイア・ブレナン
02. ティム・フィン&ニール・フィン
03. ボノ&アダム・クレイトン(U2)
04. シャロン・シャノン
05. ポール・ブラディ
06. シネイド・オコナー
07. ブライアン・ケネディ
08. エルビス・コステロ
09. ケイト・ブッシュ
10. デイヴィ・スピラーン&ドーナル・ラニー
11. アンディ・アーヴァイン
12. リアム・オ・メンリィ(HothouseFlowers)
13. クリスティ・ムーア

Produced By ドーナル・ラニー

1996 東芝EMI TOCP-8857

common ドーナル・ラニーのプロデュースによる企画アルバム。トラディショナル系ミュージシャンとアイルランド出身または関連のあるロック系ミュージシャンが半数づつ参加。取り上げている曲も伝承曲とオリジナルが半々。それでも内容が散漫にならないのはD.ラニーのプロデュース力と彼を中心としたハウスバンドの実力に因るところが大きい。全体のトーンを安定させた上でこのアルバムはヴァラエティーに富んでいる。最小限で効果的なアレンジを施した伝承歌(06,07他)、およびそのフォーク・スタイルでの構築(05,11,13)、D.ラニーお得意の斬新なリズムアレンジのインスト(04,10)、そしてロック系ミュージシャンの原点回帰とも言える奔放なプレイ(08,12)。
ともあれ、このアルバムは70年代からD.ラニーを中心として成されてきた伝統音楽の再構築とポピュラリティ獲得の軌跡の集大成であり、世界市場へ拡がりを見せているアイルランド音楽にひとつの座標を示した重要なファクターである。

「Common Ground」HP(EMI U.K.)※Shockwaveによる試聴あり。

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ケルティック・グレイス
:ベスト・オブ・アイルランド

収録アーティスト(曲順)
01. デイヴィ・スピラーン
02. ビル・ウィーラン
03. ポール・ブレイディ&アンディ・アーヴァイン
04. ボシー・バンド
05. ドロレス・ケーン&ジョン・フォークナー
06. ストックトン・ウィング
07. ポール・ブレイディ
08. クラナド
09. ボシー・バンド
10. デ・ダナン
11. ケヴィン・バーク&ミホール・オ・ドーナル
12. フィリップ・キング&ピーター・ブラウン
13. プランクシティwithクリスティ・ムーア
14. ボシー・バンド
15. ドーナル・ラニー

1994 東芝EMI TOCP-8547

common 70年代以降のアイルランドの伝統音楽復興期の名作名演の編集盤。
ドーナル・ラニーの活動が中枢に置かれ、彼の関連(ボシー・バンド、プランクシティ、ソロ)が4曲。いずれもそれぞれの時代の名演であるが特にボシー・バンドでの疾走感溢れるダンスチューンは鳥肌モノ。それ以外も実にツボを押さえた選曲、人選がなされており、01.のD.スピラーンはイーリアン・パイプに革新をもたらしたプレイヤーであり、02.のB.ウィーランはあの「リヴァーダンス」の音楽監督。05.のD.ケーンはアイルランド最高の歌姫であり、フォークチューンが取り上げられているポール・ブレイディ(03,07)はその後、ロックに転向しボニー・レイットへの曲提供でも知られる。08.のクラナド、10.のデ・ダナンは今も活動を続けるトラッドバンドの重鎮的存在。
以上、様々なスタイルでの最高級のプレイが収められた編集盤なので「お気に入り」を見つけ出すには最適の素材ではないでしょうか。

「Celtic Grace」HP(EMI U.K.)※Shockwaveによる試聴あり。

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私の所有するアイルランド関連のCDについては「'disc'graphy」のコーナーへ

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