狩 猟 日 誌
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1999年6月→1999年7月

いしのだなつよ 『ひまわり』
(Sony Music Entertainment/AIDT5046)


 同名アルバムからのシングルカット。

 実はカップリングされている「自分(ぶんしん)」を聴きたくて購入。この曲、CDのクレジットにあるように、「1999年4月25日仙台の街にて録音」してるのだ。で、この録音風景(というか路上ライブ)、せきぐちは一分終始見ていました。

 うーん。自分が見ていたライブがCDになるっていうのは、何か感慨深いものがあるな。タイトルからして青臭さ爆発の「自分(ぶんしん)」だが、音もかなりのものだ。尾崎が残したものって、実は大きいなぁと感じる一枚。



マキミキコヨーテ 『崖と石ころ』
(CONSIPIO RECORDS/COCD-9220)

 なんと100円で購入。HMVのワゴンセールは侮れぬ。

 いかにも岡田徹さんのプロデュースらしく、普通の女の子のボーカル(ラップ?)がなんともキュート。裏声ユニゾンではチロリンが頭を過ぎる。さらに岡田さんらしい抒情的な曲もあって、(ミニ)アルバムとしてのバランスも良い。

 私のストライクゾーンであることは間違いない。というか、かなり好きな音だ。



つじあやの 『うららか』
(living, dining&kitchen Records/64-LDKCD)


 情緒的な曲、ちょっと影のある声。そして彼女の手にはウクレレ。スピーカから聞こえてくるのは、まさにウクレレフォーク。曲間にはさまれるたわいない会話が、これまた普通っぽくっていい。しばらく愛聴しそうだな。

 9月にはビクターからミニアルバムが出るらしい。楽しみに待ってるぜい。



ともさかりえ 『むらさき。』
(東芝EMI/TOCT-24061)


 発売は今年の2月。以来、CDショップに行くたびに、この美麗ジャケットをながめることもしばしば。はふぅ。とうとう買ってしまった・・・。

 歌唱力には定評のある彼女。このアルバムでは古内東子・種ともこ・具島直子・鈴木祥子・上田知華、そして椎名林檎といった女性作家陣が作品を提供しているが、ともさかは個々の作品カラーを壊すことなしに歌いあげる。

 そして聴き終わってみれば、見事に「ともさかワールド」。聴きどころは、なんといっても古内東子と椎名林檎の提供曲。一見相対すると思われる2大フェロモンが、ともさかりえという新たなフェロモンを通じて繋がってしまっている。というか、ともさかが飲み込んでいると言ったほうが正しいかもしれん。

 …なんとも恐ろしい娘だ。



ハイポジ 『4N5』
(contemp records[日本コロムビア]/COCP-50122)


 「シンゴ」と読むらしい。嶺川貴子の新作は「fun9」だし、SPEEDのからはHitoe57Move。最近、数字が流行りなんでしょうか?

 前作「グルオン」以来、霞がかったテクノ・ポップ・ミュージック(なんのこっちゃ)を展開し続けている2人だが、もりばやしみほの作る曲、そして声はこのアレンジと意外に相性がいい。生音よりも音像が広がる、そんな感じだ。

 今回はPFMの田中知之やテイ・トーワが参加しているので、HCFDM系が好きな人なんかも聴くかもしれない。でもそんな輩にM6「扱いにくいコップ」みたいな曲の良さが果たして分かるかな?

 ハイポジの魅力はもっと別の所にあるのさ。ふふふ。



デイジー 『EVEREST』
(MIDI/MDCL-1351)


 松田マヨ率いる5人組ガールズバンド。今年の初めにV.A「japanese girls」で聴いて以来、待ちに待ったアルバム登場。

 メロウなメロディーに、60〜70'sを思わせるアレンジ。渡邊文武氏が共同プロデュースしているので、サニーデイ・サービスを連想する人もいるだろう。

 楽曲はよく練られているし、演奏にも卒がない。アルバムとしてと言うよりむしろ、アーチストとしての完成度の高さに目を見張るものがある。けっしてうまいとは言えない(はっきり言ってヘタ)松田マヨのVo(それとルックス)だけが唯一の初々しさか?

 うーん。これはかなり愛聴するであろう一枚だ。収録曲の中では、4月に出たマキシシングルにも収録されていた「月の影」が白眉。ストリングスの導入も見事だ。しかし一つ苦言を言わせてもらえば、この手の音に特徴的な、「やばい、泣きそう・・・。」という感触が意外に少ない。彼女たちの音楽に対する体温がもっと上がればもっともっと良くなるだろうな。椎名林檎くらいバカになってもいいと思うぞ。



Belle and Sebastian 『Tigermilk』
(東芝EMI/VJCP-68029)


 96年にリリースされたファーストアルバムのCD化。これで海外のサイトからダウンロードしたramファイルをチマチマ聴かなくてすむ。

 デイジーとは逆に、いつまで経っても初々しいやつらだが、ファーストということでさらに初々しさ爆発。しかしそれが逆に良かったりするから不思議。スタイルとしてネオアコなバンドはたくさんあるが、ネオアコのパンクな精神までも受け継ぐのはたぶん彼らだけだろう。ソロ活動も充実していることだし、これからの動きにさらに期待したいと思う。



PUFFY 『FEVER*FEVER』
(Epic Records/ESCB 1995)


 「愛のしるし」は戦後歌謡史に残る名曲だと思っているせきぐちですが、それ以降の彼女たちのシングルは、はっきり言ってあまりパッとしなかった。でもこうやってアルバムとして聴くと、バラエティーに富んだ曲が並び、それらシングル曲もいきいきとして聞こえてくる。鈴木祥子もいい仕事してるし。

 ベストトラックは亜美チャンが歌う10曲目。たぶん最もPUFFYらしくない曲だが、曲としての完成度の高さには目を見張るものがある。



Dog Hair Dressers 「コッペル」
(So What? Records/ESCB 1993)


 今週一のめっけもん。♀2+♂1の3ピースバンド。

 Teenage Fanclubがフェイバリットらしいが、表題曲はTFというよりBreedersという感じ。VoもKelly Dealっぽく、とてもルーズで気持ちいい。正直、せきぐちはこういう女性の声に弱いです。

 さて、今後どう化けるか。デイジーと共に期待。



V.A 『Look at the Sunshine』
(Sequel Records/NEMCD426)
V.A 『Dream Time』
(Sequel Records/NEMCD427)


 「RIPPLES」という60's British Popのオムニバスシリーズ。West Coast Soundに憧れたと思われるアーチストがぎっしり30曲づつ。パイ音源が中心ということで、何年か前に出た「PaisryPark」が思い出されるが、それと重複するアーチストも何組かある。

 前述のようにもろアメリカ的な曲もあるが、(実際、Beach BoysやLov'in Spoonfulのカバーあり。)基本的には、英国特有の「陰影」というか、ひねくれたPOP感覚が見え隠れするものが中心。未聴の中ではTheFRESHMENの「Look at the Sunshine」がベストトラックかな。