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2000年2月8日

 こんちは。せきぐちでございますよ。うへへ。

 えーとですね、コンテンツを一度白紙に戻してみました。えいっえいっと。さらに過去ログ、すべて消しました。えいっえいっと。履歴にあるアドレス入れてもダメですよ。うへへ。大人げない29歳です。

 なんでこんなことをしたかというとですね、理由は2つあるんですよ。



 まず、このサイトってかなり散らかっているなと感じていたこと。

 サイトを始めたときは、音楽と建築のことを中心に書いていこうと思っていたんですけど、日が経つにつれ、書きたいことが他にもいろいろ出てきて、次第に収拾がつかなくなってきたんですよね。去年の8月にdiary?を始めて、ある程度は解消されたのですが、いまいちしっくりこない。書いていることの振幅の大きさに(←自分ではそう思っている)、「はて、私はこのサイトで何を書きたいんだ?」なんて自分で分からなくなったりして。

 そんなこんなで、だんだんコンテンツ分けしているのが馬鹿らしくなってきたんですよ。それだったら「何でもあり」のサイトにしちゃえばいいじゃん、と思ったわけです。

 散らかっているんだったら、整理すれば良いのでしょうが、なんかめんどくさいので捨てちゃいました。だって整理整頓嫌いなんだもん。それに中途半端な整理では余計に雑然としてしまうしね。



 そして2つめの理由。コンテンツによって、題材・書き方が固定化してしまったこと。

 今まで、discはレビュー形式で、architectureは「となりの建築」として書いていましたよね。でもねぇ・・・。書く題材、そして書き方なんてのは、その時の気分によって全然違ってくるんですよね。なんかそこら辺で自分自身の首を絞めている感じがしたんですよ。

 そして「うーん、書けないニャー」などとウダウダやっていると、discなんかは書きたい気分じゃなくなってくるし。architectureはもっとひどくて、書く題材を探している始末。これでは「楽しいことは日常にもあるはず」なんて言う資格ないよな、と反省した次第であります。



 …そんなとこですかね。ま、今後は適当に書きたいことを書いていこうかなと、それだけなんですけど。必要最低限の責任を持ってね。そして、ある程度書いてから整理できれば整理する、というような方法を採ろうかなと思ってます。

 いろいろと書いてきましたが、落ち込んでいるとか、疲れているとかではありませんから。ただ単に、「このままじゃ続かないニャー」と思っただけなんですよ。結局、初めに欲張ったのがいけなかったのですね。はい。



 これからもwhatwedidonourholidaysをどうぞよろしくお願いします。

最後に。ここは日常系サイトです。(願望)。


2000年2月10日

 いえい。更新。



 『STUDIO VOICE』3月号は「テクノの果て、ノイズの行方」という普段「スタボ」を買わない人も買ってしまいそうな特集。関係ないけど「スタボ」って呼び方、どうなんでしょうねぇ。「ハートブレイク太陽族」を連想しちゃうんですけど。



 裸のラリーズ、秋田昌美、JOJO広重、EYE、灰野敬二、中原昌也。期待を裏切らないというか、予想通りの面々が並んでますね。

 この手の音楽の熱心なリスナーではないので偉そうなことは言えないんですが、ノイズにカテゴライズされる音楽っていうのは聴く側で感覚を研ぎ澄まさなくちゃならないぶん、相当の体力が必要になってくるんですよね。少なくとも私にとっては、ですけど。

 EYEと宇川直宏が「ハハハハハハヒー!!」とか「ギャハハハハ!!」と笑ってばかりいる対談を読んでいると、こんな私がノイズをホントに理解するには、何かクスリとかやっていないとダメなのかなーなんて思ったりして。

 ダメ、ゼッタイ。



 ま、そんな特集よりも、この最新号を見て一番驚いたのは、髭面のPaddy Mcaloonなんですけどね。「2000年にはアルバムを出したい」って、信じていいんですか!?



*****今日はこんな気分

PERNICE BROTHERS 『CLEAR SPOT』
(RYKO/RCD5-1058)


 ノイズの話のあとに、こんなポップなものを紹介するのもどうかと思いますが。ミドルテンポのシンプルなメロディーにピアノが絡んでくる表題曲は、SneechesとかEmitt Rhodesなんかを彷彿とさせて○。

HMVのクリアランスセールで100円でしたのよ。コストパフォーマンスに感動しているところもあったりして。


2000年2月11日

 口から発せられるコトバなんて、どこまで相手に伝わるか分からないです。たけど、こうやって文字にしているコトバだって、どこまで相手に伝わるかは分からないんですが。だから、「言いたいことあるけど言わないよ」と書いてしまうのが最も賢いし、最も正直なのかもしれないですね。

 でも、「言いたいことがあるけど言わない」と表現するならば、行間から読みとれるコトバを少しは準備してほしい気がします。そうしないと書いた人のマスターベーションを眺めているだけになってしまう。

 書いた本人はスッキリしますが、読む側としてはそこに入り込めないというジレンマが生じる。仮に共感できるなんて思ったとしても、大概それは勘違いになっているのかもしれない。



 「分からないヤツには別にいいじゃん。」



 はい、その通りです。

 これをweb一般に当てはめてみると、なかなか難しくて、こんなこと言っていること自体に矛盾を感じてしまうわけなんですが。

 ただね、私に対する私信という形態をとっているならば、私も参加させて欲しいなと思うわけです。



 そう、この文章もある人への私信でしかないのですよ。



 どうです?私の自慰行為、いかがでしたか?



*****今日はこんな気分なのだ

電気グルーヴ 『オレンジ』
(Ki/oon Records/KSC2 142)


 『VOXXX』と銘打った新作において、コトバはどんな意味を持っているのでしょうか。ま、単なる声であるならば、意味を求めちゃいけないんでしょうけどね。

 私は『オレンジ』3曲目の「キラーポマト」の詩の世界が好きなんですよ。

  - 体がデカくて 朴訥フェイス / 緑のジャージの 聖人君主
  - チラシに絵を描く 天才画伯 / 線路に耳あて 心は遥か
  - 夜中にとびおき 神社を掃除 / そのまま寝こんで 捜索願い
  - 体がデカくて 朴訥フェイス / ふざけたつもりが 殺傷事件

 彼らの新作を絶賛する人と、そうでない人の違いってなんだろう。・・・・・私ですか?残念ながら後者なんですよ。だって笑いが、ストレート過ぎませんか?



2000年2月14日

 11日の話。

 3ヶ月ぶりでyurizoに会って思ったのは、「やっぱりこの人にはボーダーのシャツがよく似合う」ということと、「よくよく見るとスーパーカーのミキちゃんに似ている」ということ。同じ青森出身だからでしょうか?ま、そういうことにしておきましょう。

 yurizoの他にも何人かの仲間がいたのですが、下ネタ話をしていたと思ったら、急に政治関係の真面目な話になったりと、相変わらずこの集団はよくわかりません。でもその振幅の大きさに、ある種の居心地の良さを感じずにはいられないのも事実ではあります。

 飲んで歌ってそのあとに、成龍萬寿山で上海ラーメンをすすりながらも、Y氏は独自の論理で考古学を語ってくれるのです。大変興味深い話なのですが、この話を聞くのはこれで3回目なので、もうそろそろ、ね。

 そんなこんなでyurizoとはゆっくり話をすることができませんでしたね。次回こそはゆっくり話がしたいですよ。



*****今日はダメな僕

MY BLOODY VALENTINE 『loveless』
(creation/COCY-9243)


 強風に向かって両手を広げ、身体を前に倒し、風圧に体重をかける。風に支えられた自分の身体は、時々吹き飛ばされそうになりながらも、無重力状態のように軽くなる。その瞬間、ゴーゴーと耳に鳴り響く音も、さらには殴りつけるような横風でさえも、快感になってくる。

 このアルバムが発表されて以降、様々な形のフォロワーが生まれては消えを繰り返してきましたが、音の激流に身を任せる快感を本当に得ることができたのは、結局この『loveless』だけだったんじゃないのかなと思います。

 ところで、ばれんたいんでいにマイブラって反則ですか?新年一発目にU2「New Years Day」を流すFM番組みたいでイタイですか?

 いいじゃん。『loveless』なんだからさ。



2000年2月17日

 小島麻由美が好きな人は、椎名林檎も好きなんじゃないかと思う。これは、林檎嬢のフリーペーパー『RAT』がこのサイトの管理者によって作られていることからも想像は難くないです。ていうか、私がそうだからなんだけど。

 この想像が「逆もまた真なり」とならないのは、単純に2人のポピュラリティの差なんでしょう。じゃあその差っていうのはどこから生まれるんだろうかと自分なりに考えてみると・・・。



 林檎嬢のインタビューに散見する「自分は他の人と違う」という彼女が持っている感覚は、実は誰しもが少なからず持っているものだったりするんじゃないかと思うんですよ。だって「17」の歌詞なんて、私の高校時代そのままだもの。それに彼女の曲は、破滅(?)に向かいメーターを振り切っているようでいて、決して崩壊することはないし。穿った見方をすれば、ただフツーの感情をコトバにして吐露しているだけ。

 逆に小島麻由美の場合は、曲はもちろんインタビューなどを読むと、ホントにこの人はちょっと違うなと思うんですね。もちろん良い意味で。どこか道の外れた天才というかなんというか・・・。これは私がデイジーの松田マヨに抱く印象とほとんど同じ。



 もっと簡単に言っちゃえばね、椎名林檎はフツーのお仕事もやる気になればできるんじゃないの、と思うんですよ。文句タラタラ言いながらも、PCに向かっていたり、昼休みになれば、ホントは一緒に食べたくない人とランチを食べたり。そういったステレオタイプの社会人にもなり得たんだろうと。

 林檎嬢がポピュラリティを得られた要因の一つはその「人の道を外さない危うさ」にあるんじゃないかなと思ったり思わなかったり。



 なんだかこれ、論理性がねーな。



*****今日はこんな気分、というか今日買ったんだよ!

小島麻由美 『ソングス・フォー・ジェントルメン/小島麻由美のセクステット−ライブ』
(PONY CANYON/PCCA01412)


 これを聴いていていたら、そんなことを思ったりしたんだよん。「おしゃべり!おしゃべり!」の音のこもり具合が格好いいです。



2000年2月20日

 『happy voice*』vol.1にはお洒落なデザインのCDが付いています。どのようなCDなのか、文字で説明し難いので、絵で描いてみました。↓こんな感じのヤツです。


 グレーの部分は透明です。透明ですよ!透明。スケスケなんですよ! 向こう側が見えるんですよ!(←当たり前)…こんなCD、今までみたことありません。



 でも、どうやらこれはCDではないようです。以下『happy voice*』に記載される注意書き。

 「このCDは本誌の付録です。CDというよりも小物として考えたため、デザインを重視しました。CDを再生する際、オーディオ機器の種類によっては再生できない場合もあります。その際は、何卒、御容赦下さい。」



 音楽自体に消費される要素が全くないとは言いません。でも、物理的に音源の消費を助長するこのデザインには、ちょっとやりきれない気持ちになりました。うーん。音楽の作り手に対する、最大の冒涜ですね、これは。



 「君達の曲を収録したCD、場合によっては音が出ないかもしれないけど、いいよね?」



 …。私がミュージシャンだったら、そんなの許しませんけどね。



*****今日のHOPEちゃんも、A子ちゃんも、ヨーコさんも。

くるり 『図鑑』
(Speedstar Records/VICL-60530)


 Jim O'rourkeという「触媒」によって「化学変化」を起こしたくるり。とても美しい作品だと思います。