d i a r y
b a c k



2001年2月26日

today is …

小泉今日子 『KYO→2』
 (VICTOR/VICL-60698 ['01])

 6曲それぞれに魅力ある曲に仕上がっているのですが、個人的には小泉本人も絶賛しているM-4「ぼくはドロボー」がベストトラックですね。ピアノの即興演奏風の曲にチェロ、ヴァイオリン、そして様々な賑やかしい音が重なり、なかなか楽しい曲になってます。私はこの曲を聴くためだけに2,100円(税抜)を払っても良いとさえ思いますよ、本気で。

 咳をした反動で腰を痛めました。ああ我ながら情けない…。

   *

 小泉今日子の新作『KYO→2』が途轍もなく素晴らしいです。まだ聴いていない人は是非聴くべきだと思います。もうねぇ、私はこの素晴らしい作品に接して、彼女の最近の動向を熱心に追っていなかったことがとても恥ずかしくなりましたよホント。ああ、メディアに踊らされるがままに若い歌姫にうつつをぬかし、あなたのことなんてすっかり忘れかけていたこの下郎をお許してください、って感じでね。

 インターネットを使った楽曲オーディション第二弾のこの作品、選出された6曲はどれもクオリティが高く粒ぞろい。「アニヴァーサリー」がテーマということでコンポーザーも力が入ったのかもしれませんが、小泉今日子およびスタッフの力量・センスがあるからこそこれら原石をこんなにも名曲に昇華させることができたのでしょう。これだけ丁寧に仕上げてもらえれば、曲を応募した人たちも本望でしょうなぁ。

 とにもかくにも、奇をてらわずにあくまで歌謡曲に徹している彼女の姿は美しいとしか言いようがありません。「A」を否定することで「B」を肯定する、このような論法はできれば避けたいのですが、私はあえてこう言いたいと思います。椎名林檎だaikoだCoccoだなどととやかく言う前に、このような作品を聴きなさい。ホント必聴ですよ、コレは。

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 2月23日『温泉へ行こう2』最終回。内容はベタ過ぎてここで書くまでもないんですが、やっぱカワイイよぅ加藤貴子

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 デイジーのページにあるゲストブック、「だれも送ってくれないなぁ」と嘆いていたんですが、どうやらデコードがうまくいってなかっただけみたい。ジオシティーズのゲストブックを利用して再構成しましたので、「送れなかったよー」という方は再度チャレンジしてみてください。

 皆様の書き込み、心よりお待ちしております。



2001年2月22日

today is …

Primal Scream 『come together』
 (sire/9 26384-2 ['90])

 なんだかんだ言いながらも、当時はバカみたいに聴き狂ってました(本文中わざわざ太字で「今の」としているのはそういう理由。)。だから「One More Time」に狂喜乱舞している人たちの気持ちも分からないでもないんですよね。

 風邪が全然治りません。じゅるじゅる。

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 とはいえ仕事はしなくちゃならないものでして、今日は古川へとだらだら出張。嬉しいことに仕事が思ったよりも早く済んだので、隣町・岩出山に最近オープンした感覚ミュージアムへ行ってみることにしました。六角鬼丈設計ということを聞いていたので「はてどんなものか」と期待と不安が入り交じる気持ちで足を運んだのですが、外観・プランともに意外とシンプルなのでちょっと拍子抜け。もしかして最近の六角さんてこういうスタイルなの?

 この感覚ミュージアム、内部は大きく「身体感覚空間」と「瞑想空間」で構成され、それぞれに配されたインスタレーションが優しく出迎えてくれます。メディアテークでみたインスタレーションがあくまでも接触しないと答えてくれないものであったのに対し、ここのそれはどこまでも静的なものが中心。ボォーッとしているといつの間にか通り過ぎてしまうから要注意です。

 だけど大丈夫。感覚ミュージアムでは解説ボランティアが「こうしてこうしてこうするの」と1から10まで説明してくれるのです。ただあまりに親切すぎるので、受け手は好奇心を抱く暇さえないんですけどね(笑)。あーもう少しほっといてくれないかなぁ、と思ったりもしました、正直。

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 くるりの新作『TEAM ROCK』を聴いたら、Daft Punk「One More Time」そのまんまの曲があってビックリ。岸田繁が「One More Time」を評価していたことは以前から知っていたのですが、まさかここまでモロにやるとは…。若い!若いなぁ、岸田君。

 それにつけても「One More Time」。私も良い曲だとは思いつつも、これにはイマイチ乗り切れないでいたりします。「歳だよ、歳。」と言われればそれまでかもしれませんが、ただ私はこの曲を聴くたびにPrimal Scream「Come Together」を思い起こしてしまうんですよね。これら2曲はどちらもハッピーな気分にさせてくれる点で共通していますが、なんていうのかなぁ、その「ハッピー」とやらが「一時の…」というか、「かりそめの…」というか、なんだか「今の」私には嘘っぽく感じてしまうんですよ。

 たとえかりそめであっても幸福を感じさせてくれる曲はある意味で魅力であるし、さらにそういうものを音楽に期待したりするときも実際にあることはあるのです。だけど如何せん「今の」私はもう少し普遍的な響きがないと満足できないのですよ。

 …と、話を「One More Time」にすり替えてしまいましたが(笑)、くるりの新作は期待したほどではありませんでした。全体としてヴァラエティに富んだ曲が並ぶこの作品は聴いていて飽きないし、くるりの音楽的意欲も感じられてなかなか面白かったりするのですが、曲単体のポテンシャルが『図鑑』よりも、さらには先行シングルのよりも低いような気がするのです。

 これもひとえに「ばらの花」が名曲過ぎるから、かな?



2001年2月18日

today is …

鈴木さえ子 『科学と神秘』
 (VICTOR/BVCR-5020 ['84])

 ブックオフにて300円で購入。なぜかこれは買いそびれていたんです。

 今週は風邪っぴきの一週間。身体は怠いし、節々は痛いし、顔は浮腫むし、喉は痛いし、こんなにヒドイのはホント数年ぶりです。初めは身体を騙し騙し乗り切っていたものの、15日には敢えなくダウン。職場に休暇の連絡をとり、週の後半は自宅で寝て過ごしてました。

 タンスの角に足の小指をぶつけ痛さにもがき苦しむ姿が他者からみればひどく滑稽なものであるように、病気と縁遠い私がこのように寝込んでいる姿は普段の私を知っている人からみれば可笑しくてたまらないものだろうな。ベッドの中で天井のシミを見つめながらそんなことを思ったり。あ、ちょっと自棄になってますね、はい。

 でも、心配そうな顔をして「大丈夫ですか?」と声をかけられるよりも、「ははは風邪なんかひいてやがるよ!」と笑われるくらいのほうが嬉しかったりするのは事実。この痛みが笑いに転化するなら、ちょっとは救われるような気がするんですね。

 あーぁ、だれか私のこの姿を笑い飛ばしてくれないかなぁ。

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 えー辻希美てそんなに人気ないのー、と驚いてみたり。

 ただこのOngakuNET.com、レコード会社からの依頼でBon Joviのアンケートをとっていたりしているところをみると、その姿勢・そのデータをどれほど信頼できるかは分かろうてモンです。しっかしこのBon Joviのアンケート結果何よ?嘘くさ。

 それにしたってさーそんなに人気ないかぁ辻希美。(しつこい)

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 まちさん、ご出産おめでとうございます。



2001年2月13日

today is …

原緑/*come 『ブルーズ彗星』
 (COMPOZILA/PAR-50025 ['00])

 こうやってSpank Happy脱退後初のソロユニットを聴くと、「ハラミドリの声なしで、あのときのSpank Happyはありえなかった」という、当たり前すぎることを今更気づいたりするのです(少しセンチメンタルに)。
 しかしその一方、M-6のバック陣の名前を見て、「おぉ、東京少年!!!」と喜ぶ私もいるのですが(笑)。

 ここ最近購入するCDにいわゆる「ハズレ」的なもの続いたからでしょうか?なんだか久しぶりに「CDを売りたい」という衝動に駆られ、聴かなくなった、いや、買ってからほとんど聴いていなかったCDを20枚ほど処分しました。

 音楽を聴くことを生理現象に例えるならば、この行為はいわば「排泄」。…いや、実になっていないのだから「嘔吐」と言ったほうが正しいのか?…いやいや、ちゃんと実になっているし、これはある意味で慈善的な行為だから、「献血」と言うべきかな?…ていうか、言えたところでなんの意味もないんだけどさ。

 ただね、こうして手に入れた代金も結局CDの購入に費やしてしまう私は、明らかに「過食症」です。うん、これだけはハッキリと言えますね。

   *

 ちなみに何を買ったかというとですね、Miles Davis『On The Corner』、After Dinner『Paradise of Replica』、The Durutti Column『LC』、原緑/*come『ブルーズ彗星』という、なんだかいろんな方々の影響受けまくりの4枚です。でも、どれも素晴らしい作品でとても美味しゅうございましたよ(Milesはけいさんの言うとおりでした。)。

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 NTT傘下の某企業に勤めている友人から、「マイラインはNTTでお願いしますよぉ。」というメールが届く。どうやら彼は申し込み受付のノルマを20件も課せられているようで、知り合いに片っ端からメールを書いている様子。NTT傘下とはいっても、彼はいわゆる通信関係ではない職なのにね。もうホント、「ご苦労様」としか言いようがありません。



2001年2月9日

today is …

AMEPHONE(アメフォン)
 『ESQUISSE FOR THE BRANCH 2』

 「注意事項:このCDケースは石膏を素材としています。石膏を破壊して中のCDを取り出して下さい。」
 …むむぅ。割るのがもったいなくて、まだ聴いてません(笑)。

 さて、前回の続きです。

 ということで、26日に開館したメディアテークに行ってみました。市役所前から定禅寺通りのけやき並木を東へ歩いていくと…、あったあった、ありました、7階建てのガラス箱。いやはや、思った以上にデカイ(笑)。設計コンペ時の軽快な印象が強すぎるからそう感じるのかもしれませんが、7階建てともなるとそれなりに「重たさ」を感じさせるのも事実です。建築を軽くみせるっていうのも、ここら辺が限界なのかもしれませんね。

 広大な1階エントランスホールでは、人が行き交い、街路と一体化した広場にするという設計者の狙いはひとまず成功しているような気がしました。ただ、もともとこの敷地周辺には人の行き来を誘発する施設・ショップがあまりないので、まだまだ「人が澱んでいる」という印象を拭えないのも事実。このメディアテークが起爆剤となって、街の雰囲気が変わることを願いたいです。

   *

 建物だけを見ていても仕方ないので、上階で行われている「メッセージ/ことばの扉をひらく」という2つの展示をのぞいてきました。

 まず1つめは「メッセージの博物誌」。この展示は、(1)歴史が伝えるメッセージのかたち(2)地域や個人から集めたメッセージのかたち(3)さまざまなメッセージの送り方・受け方、以上3つのアプローチから「メッセージ」のあり方を見る者に考えさせるというもの。で、実際何が展示されているかというと、「18世紀の百科事典」「商店のチラシ」「牛乳瓶のふた」「真空管ラジオ」「活版印刷機」「仙台を歌ったレコード」「トーキングブック」…、ってこれは「メッセージ」というキーワードの連想ゲームですか?。うーん、なんだか散漫な内容で、主催者の意図がよく分からないなぁ。「メッセージ」の展示で主催者の「メッセージ」が見えないなんて、笑うに笑えないですよ、ホント。

 もう1つの「記憶の扉」は、複数のアーティストによるインスタレーション(で、いいのかな?)が展開されるもの。これはそれなりに面白かったです。ただ、いずれの作品も能動的に接触していかないと作品の意味が分からないものばかりなので、不案内な私は戸惑うばかりでしたけどね(笑)。

 この2つの展示を見て思ったのは、「感じ方を受け手にゆだねる」というコンセプトはときに送り手の意図を不明確にすることもあるのだということ。さらに、これは穿った見方かもしれませんが、このコンセプトを言い訳として送り手が甘えた行為をとる可能性もあるのだということ。送り手と同様、受け手も変わっていかないといけないんですね。

 残された時間で1階のショップを物色、AMEPHONE『ESQUISSE FOR THE BRANCH 2』を衝動買いしてしまいました。これ、100個限定生産なんだってさ。こんな私が買ってしまっていいのでしょうか?

   *

 帰りに立ち寄った本屋で『東京人』3月号を購入。「戦後モダニズム住宅10選」「同潤会の戸建て住宅」など、もろ私好みの内容。メディアテークの後の『東京人』って、食後のコーヒーみたいですね(笑)。



2001年2月6日

today is …

小川美潮 『4 to 3 pictures』
 (EPIC/ESVU 336 ['91])

 このヴィデオは大きく「ドラマ」「ノンフィクション」とに分かれますが、後者のほうが小川美潮の人となりを垣間見ることができて私は好きですね。特に板倉文とのリラックスした雰囲気の中での会話をながめていると、こちらまでポカポカと暖かくなってくるから不思議です。

 忙しいなんてのは単なる言い訳で、結局はやることなんてそんなにないものです。久しぶりでとった休暇、朝起きてまず思ったのはそんなことでした。

 とはいえボーっとしていても仕方ないので、久しぶりに小川美潮『4 to 3 pictures』(脚本・監督:市川準)を鑑賞。購入当時は「映像が歌にマッチしてないなぁ」と思いつつ観ていましたが、その思いは10年経った今も変わらず(笑)。おそらくこれは、彼女の歌に潜在するどことなくシャープな一面がそのように感じさせているのでしょう。まぁ、小川美潮というキャラ自体は市川準の映像と相性が良いので、純粋なドラマ部分は観ていてとても安心できますけどね。

   *

 職場のある女の子が鳥肌実フリークだということを最近知りました。先日の「玉砕演説」の時に購入した竹槍キーホルダーを嬉しそうに見せてくれる彼女をみて、「私も好きなんですよ」なんて嘘の一つもついてみたくもなる今日この頃。まったく、この惚れっぽい性格をどうにかせねばいかんですね。

   *

 と、そんなことをボーっと考えていても仕方がないのですよ!。ということで、ふらりと車に乗り込み、いざメディアテークへ!(続きは後日)



2001年2月3日

today is …

The Durutti Column
 『The Return of the Durutti Column』
 (Factory Once/Facdo14 ['96])

 水面に落ちる音の雫を集めたようなとても美しい作品。「Young Marble Giantsが好きだ」なんて言っておきながら、こういうの聴いていなかったんですから、片手落ちにも程がありますよ。>私
 なおクレジットはコンピCDのもので、オリジナルリリースは79年。

 正気なのか、あるいは狙っているのか。それを確かめるべく足を運んだ鳥肌実「玉砕演説」。…いや、嘘、「確かめる」なんて嘘です。そんなことこれっぽっちも思ってはいません。ちょっと行ってみようかな、とその程度です、はい。

 …まぁいいや。ともかく行ってきましたよ、2月2日の仙台電力ホール。

 開演時間ギリギリで到着すると、サブカル(笑)に枯渇する地方都市民がここぞとばかりに集まって1000人以上のキャパがある会場がほぼ満席状態。各人に温度差はあるのでしょうが、この会がこれだけ知れ渡っていたのには正直驚きました。

 で、肝心のステージはというと…。これがねぇ、ほとんど覚えていないのですよ。感想を言えば「面白かった/笑った」ということになるのでしょうが、どこがどう面白かったかと聞かれても全く説明できない。そう、私の中に気持ちいいほど何も残っていないのですね。うーんうーんうーん…。これはおそらく、彼が純粋なまでの「お笑い」であるからではないでしょうか?うん、きっとそうだ。

   *

 つーかさぁ、私がこうして鳥肌実を観ているときに、彼の地ではデイジーとかイノトモとかスパンクスとかがライブ演っているんだよねぇ。…はむぅ。

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 近況報告。今更ながらThe Durutti Columnに狂喜乱舞してます。