Review
Kinks / Low Budget
アメリカンキンクスの幕開け。。 / ★★★★★★★★ (8.0)
1. Attitude
2. Catch Me Now I'm Falling
3. Pressure
4. National Health
5. (Wish I Could Fly Like) Superman
6. Low Budget
7. In A Space
8. Little Bit of Emotion
9. A Gallon of gas
10. Misery
11. Moving Pictures
一体キンクスに何があったか知りません。
一体レイ・デイヴィスの頭の中で何があったかなんて知りません。

前作Misfitsは混乱の時期に作られたアルバムだった。
バンド編成はシンプルになったし、ダブルジョン時代は終わったわけだし。
もちろん駄作って事ではなく、「おとなしくてこじんまりした作品」であったのは間違いない。
そこで溜め込んだものが爆発したのが本作である。

1曲目のイントロを聴いてシビレた人はロックンローラーに間違いない。
本作以降のキンクスはアメリカで馬鹿売れのロックンロールバンドになっちゃってるからだ。
テンションが高すぎってくらい高い。レイの歌い方もハイトーンな感じだし。いわば初期AC/DC状態。
元々デイヴはハードなギターを弾く人だったので、この路線でのノリは抜群にイイ。
「低予算」という名前のアルバムにも相応しいガレージサウンドだし。ジャケも陳腐でカッコイイ。

この時期のいわゆる「ロックンロールバンド」というとエアロスミスやAC/DCやローリング・ストーンズなんだろうが
比べても全く遜色がない・・・というよりも、懐の深さという意味では群を抜いていると思う。

もちろんキンクスの事なので、トホホっぽいトコも山ほどあるのだが・・・。(笑)
まずA面、B面ともに曲が進むにつれてハード度が減って、キンクス節が顔をちらりちらりってトコ。
個人的にそういうのが大好きなんですけど、なんかとにかくトホホな感じ。
二つ目に5曲目の存在。キンクス=時代無視ってイメージと逆。79年発表だからサウンドがディスコっぽい。
コレはアウトだなぁ・・・。曲自体がいいだけに残念。The Whoもディスコっぽいのは苦手なの多いし。
3つ目の理由は個人的にはどうでもいいんだけど、とにかくパクりが多いところ。
2曲目なんて、ストーンズの「Jumping Jack Flash」のリフそのまんまだし
7曲目のイントロはジーザス・クライスト・スーパースターだったりするもんなぁ・・・。
他にもちょこちょこそういう部分が目立って。どっちもロケンローの名曲だから仕方ない。で済ませてるけど。


とにかく、キンクスの本当の意味での黄金期(金が一番入った時期?)はココからなのかもしれない。
全米で11位にまであがってるんだからねぇ・・・。キンクスのイメージとは違う音だが、確実にキンクスなのがイイ。

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