60's US Rock
数少ないマイ・フェイバリット・アメリカのバンドたち。
でもコイツら基本的にはイギリス人と同じことしてる。

Chocolate Watch Band, The  44
BIG BEAT (CDWIK 25)
 かっこよすぎで粘っこすぎ。粘っこすぎでかっこよすぎ。USガレージ〜サイケの先頭集団に位置 するであろうチョコレート・ウォッチ・バンドの44作目(ウソ)。『No Way Out』だけでもまずは必聴。チョコバン(略してみた)の 魅力が全て詰まった超名曲。日本レコード大賞を獲ってないのが不思議なくらい。そのくせ人並みにディランをカヴァーしちゃうあたりも 素敵。たま〜にストリングスを被せたスッキリした曲があるのは飛ばしだが。とにかくブルージーでワイルドなこのバンドを聴かずして 一人前の社会人だなんて言わせない。世間が認めても、だ。

Electric Prunes, The  I Had Too Much To Dream (Last Night)
RHINO (CCM-132-2)
 タイトル曲の『I Had Too Much To Dream (Last Night)』は邦題が『今夜は眠れない』である。 だが、(Last Night)であれば『昨夜は眠れなかった』のではないのか。今夜こそは眠れるのではないのか。眠れればいいのにな。そんな ことを考えたら夜も眠れない、そんなエレクトリック・プルーンズの67年リリースのファースト・アルバム。67年らしいサウンド・ エフェクトに歪みまくるギターの音色。爆音系ではないがガレージ臭は充満気味。ポップだったり退廃的だったり、いずれにせよ一筋縄で はいかないバンドです。

Kingsmen, The  Volume 3
SUNDAZED (SC6006)
 キングスメンのヴォリューム3。“ルイルイ”は無くともヴォリューム3。1も2も知らんがヴォ リューム3。コレとベストしか持っていないキングスメン。でも好きって言いたい。言わせてください。ギターもオルガンも歌メロも同じ リフがシンプルに続くキングスメン。思いっきり野蛮で低俗でソウルフル。たま〜にギターソロも味わい深く、メインヴォーカルに呼応する コーラスも愛嬌たっぷり。某大型レコード店の半額セールワゴンにこっそり佇んでいたキングスメン。買った瞬間ケースが割れている。 何度リピートしても今が何曲目だかわかんなくなる。これだけ賛辞の言葉をもっても語り尽くせぬ素晴らしさ。それがキングスメン。 抑制することを知らないロックの何と美しいことか。

MC 5  Kick Out The Jams
east west japan (AMCY-2563)
 「Mother Fucker」なんて言っちゃってるオチャメなデトロイト出身の5人組、MC5の茶目っ気で は済まされないファースト。過激でワイルドでタブー知らずで汗ビッショリなライヴ・アルバム。理屈もウンチクも一切寄せつけない唯一 無二のこの空気はとにかく聴いてみることでしか理解しえないし、聴かなきゃ始まらない。爆音の塊が心拍数を急上昇させる、とてつもな くロックなアルバムです。

Mitch Ryder And The Detroit Wheels  Breakout!!!
SUNDAZED (SC6008)
 ミッチ・ライダーって意外と味のあるソウルシンガーだと思う。ポップなソウルナンバーもこなし つつリトル・リチャードやウィルソン・ピケットあたりのナンバーではハードにシャウトしてみせるし。世間では認められてんのかなぁ。 このアルバムはそもそも何なんだべ? オリジナル盤か? 編集盤か? 調べるのが面倒だ。バンドの演奏もレコード的には軽いが、なかなか タイトでヴォーカルの引き立てには適度だ。モッズ好きにお薦めしたい1枚。

Shadows Of Knight, The  Dark Sides (The Best Of)
RHINO (R2 71723)
 イギリスの連中がアメリカの黒人音楽に影響を受けて、その連中の音楽にまたアメリカの奴等が 影響を受ける。よいなぁ。“元祖”とかいうくだらないプライドみたいなモンに固執するのって馬鹿げてるしね。いいモンは いいと素直に敬意を表することのできる人間でありたいものです。Shadows Of Knightが演った『Gloria』はそういった意味ではサイコー。 アイルランド最高のソウルシンガー、ヴァン・モリソンに対する最高のリスペクト。このバンドに国境は無し。イギリスのバンドって 言われても全く違和感ないもんねー。

Sonics, The  Psycho-Sonic
BIG BEAT (CDWIKD 115)
 USガレージの代名詞。「もしUSガレージに別の名前を付けるとしたら、それはソニックスだ…。」 って言い切れちゃうくらいのソニックス。すべてのロック・キッズが最も通ってはならない通る道、それがソニックス。このバンドの音に 触れた瞬間、その音楽的嗜好が13°くらいずれてしまう。極めて優れたロックというのは、その強烈なアジテーションで聴く者の 潜在的な破壊衝動を露呈させることができるものなのだと実感させられる。とにかく聴くべし。そして暴れるべし。

Velvet Underground, The  Loaded (Fully Loaded Edition)
RHINO (R2 72563)
 売れなかったけど素晴らしかったバンド部門・永遠の第一位、ヴェルヴェット・アンダーグラウ ンドのバナナのジャケの大名盤ではなく、どうでもいいラスト・アルバムを堂々好き宣言! 個人のホームページはこうでなくっちゃネ! しかもデモ&アウトテイクを収録した2枚組! どうでもよすぎ! スロウな「Sweet Jane」は気だるくてグッド! 「Lonesome Cowboy Bill」 なんかOKテイクより弾けてていいじゃん! バナナのジャケより生き生きしてるぞ、ルー・リード!

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