落下

空は走っていかない
腕で羽ばたきながら
安らかに落ちていく

涙はいつしか
宝石になり
静かな冬の朝にきらきらと
輝くのだろうか

私はいつしか
羽になり
誰かの足元にふわふわと
落ちるのだろうか

愛しい君に与えることの
できるものは
この冷えた腕の温もりだけ
だけれど それでも
いつか 君は私のために
泣いてくれるのだろうか

2001年12月18日