作品紹介

著者:西尾維新 あらすじ:京都——河原町御池交差点。蘿蔔むつみはそびえ立つJDC(日本探偵倶楽部)ビルディングを双眼鏡で一心不乱にみつめる奇妙な探偵志望者・虚野勘繰郎とめぐり合う。——それが過去に66人の名探偵の命を奪った「連続名探偵殺戮事件」の再起動(リブート)と同調する瞬間だとは思いもよらずに……!?新鋭西尾維新が御大・清涼院流水の生み出したJDCワールドに挑む!
 
キャラ :★★★☆☆
ストーリー:★★☆☆☆
 結 末 :★★★★☆
 総 合 :★★★☆☆

 西尾維新、といえば戯言シリーズ(クビキリ〜シリーズなど)で有名です。そもそもこの本を買うまでの経緯は、暇で読む本がなかった為に本屋へ行って西尾維新の本を探したところ、イマイチどんな感じかわかっていなかった為、一番薄いのを買いました。なんとなく不気味(失礼><)な表紙が少し気になったのですが、シリーズではないのなら最初に読むには丁度いいかな、というのが買った要因です

 まずキャラクターですが、一言で言うならば「可もなし不可も無し」という感じです。主人公虚野勘繰郎と、副主人公(っぽい位置付けの)蘿蔔むつみは良いとは思うんですが、正直な話ありがちな感じがします。勘繰郎は飄々としていて向こう見ずな感じはするけども、それでいて論理的な志向も持ち合わせているというもの。むつみは(実際は違いましたが)本当に脇役っぽい、サブの役割。主人公側のキャラクターはその二人のみ。そして敵役として『殺眼』 の逆島あやめと、『静』の椎塚烏龍。なかなかこちらはよくできていた(こちらも全くの斬新と言うわけではありません)のですが、さすがに椎塚の様な人間は存在しないでしょう。それに関しては無理があるなぁ、と思いました。

 ストーリーは、なんとも言えず退屈です。こちらも破天荒な主人公に巻き込まれる他人によって描かれる物語、というのはありがちなので^^;それと、文章があんまりな気がしました。私の場合作家の文章の上手下手はあまり気にしないのですが、それよりも表現やその美しさなどに着目します。それが平凡で、少し読みにくかった><あと、( )付けであとから説明するのが多いのは文章的に読みにくいし少し逃げている気がするのでやめた方がいいと思います。(私も結構多いほうですが…ああ!これもカッコを使った説明…TT)

 結末は結構よかったです。<ネタバレ>むつみが宇田川蜜だというのは途中(宇田川蜜の名前に『愉快な』とつけている所。別に愉快じゃないだろ、という感じ)でわかりました。<ネタバレ>最も、そうなると途中にある「勘繰郎の前で何かを誤魔化し続けること——勘繰郎の前にあって自分に不正直であることに、もう、我慢ならなかった」という一説がイマイチ説明つかない気が…「『私の目指した探偵』にはなれなかったので、『かつて探偵を志した者』と称する」みたいなことにしれば説明はつきますが… 勘繰郎の性別トリックは全く読めませんでした。それと、勘繰郎の「絶対に親しい人間には、好きな人間には見せたくない姿って、あるよなぁ」というセリフはかなりワクワクして、そして意外な行動に出る勘繰郎には驚かされました。結末はなかなかなものでした。そして、『ダブルダウン勘繰郎』という題名は言いたいことがひしひしと伝わってきて、度胸がある勘繰郎にはよく合っている題名で素晴らしいと思いました。
結論:どちらとも言えません。最初はなんだか読みにくいし、中盤は中弛みするし、という感じで本当に面白いところへ行くまでに時間がかかりすぎて読む気が起きなくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。終盤に関しては保証しますが、他は何とも言えません。ただし、キャラクターに関しては私の意見なのであまりあてにならないかもしれません。


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