足踏み
足踏みとは、射を行う場合の基礎となる足の踏み方である。矢を正しく的に当てるには、まず正しい姿勢が大切である。この姿勢の基礎は正しい足踏みにある。的の中心と両足拇指頭が一直線にあるように踏み開くことが原則である。その間隔は身長の半分(肩幅より狭くならないようにする)、角度はほぼ60度がよい。足底、土踏まずに重心をおろし、全身ゆるやかに構えることが大切である。植物の根に相当するのが足踏みである。土を踏み固めては根は張らない。同様にただ足を踏ん張っては上体は生きてこない。また土が軟らかすぎては木は倒れてしまう。足踏みではこの根のように、柔剛適度に上体を生かしていくことが、木が繁茂することに相当する。(『写真と図解による弓道』より)
(建前)弓道はただ立って直立不動で射つわけではなく、全身が安定するように足を一定の間隔に開いて立ちます。要するに、これからの諸動作の為の準備段階、それが足踏みです。下半身が安定しなければどんなにいい射も崩れてしまいます。つまり自らの実力を十分に発揮する為の最低条件、といえるわけです。
(本音)と、ここまで堅いことを述べてきたわけですが、外見上の動きは足を開く、ただそれだけです。もう少し細かく言えば、まず的の方向(左)を向き、左足を踏み出す。その後、右足を円を描いて左足に寄せてからその軌道のまま右足も開く。足の間隔は身長の半分、とか矢尺(腕の長さよりやや長め)などと言われています。本当にこれだけの動作です。しかも、これができなかったら矢所が安定しないかというとそうでもなく、危なくなったら意外に踏ん張れたり、それにあわせて弓手が的に向かったり…要するに当たりには大きな影響はないと思われます。先程の足の間隔に関しても、自分なりに安定する間隔を見つければよいと思います。つまり、安定しなければそれなりに自分であわせなければならない。だから、これから無駄な力を使わない為に(楽をする為に)足踏みをする、そういう気概でやっております。
(結論)射形の面から見ると、不安定にぐらついている射などきれいにまとまっていても論外。仮に当たりだけを気にしたとしても、余計な力をかけていると疲れが溜まってきた後半には当たりが落ちることは必至。両方の面で
考えて「安定しているに越したことはない」。だからこそ正しい足踏みは重要です。
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