作品紹介
著者:高里椎奈
あらすじ:真冬の雪浜家。屋敷内の不穏な空気に、依頼を受けて訪れた、深山木秋、座木、リベザルが見たものは?涸井戸の出火が口火となり、雪浜家の人間に次々と襲い掛かる殺意。しかし秋には、殺意の目的が見えてこない。村人が信じる”座敷童子伝説”はフェイクなのか?手がかりか?心震わす、シリーズ第6弾!(本書裏表紙より)
キャラ :★★★★★
ストーリー:★★★★★
結 末 :★★★★☆
総 合 :★★★★★
今回、既存のキャラクターである、秋、座木、リベザル、総和、高遠、御兄弟は相変わらずの出来。そして新キャラである雪浜虎鉄と木鈴直也がなんとも素晴らしいです!シバと小町もよかったです。特に虎鉄は大はまり。これからシリーズの重要キャラとなるのだなぁ、なんて思っていたら…<ネタバレ>死んでしまいましたTT本当に抜群の出来で、これからの活躍を期待していただけに残念ですが、そんな素晴らしい出来のキャラを簡単の切り捨てることが出来る高里先生には惚れ直しました。また、木鈴直也も結果、犯罪を犯してしまいました。そういうわけでこの人も出てこないんだなぁ…と悲しんでいたら、次巻で登場します。これは少し嬉しかったなぁ^^
ストーリーもばっちり完成していて、読者である私を恐ろしい程本の世界にのめりこませました。総和の口聞で雪浜家へ向かった深山木一行。そして待っていたのはいき過ぎなほど締め付ける教育をしていた母親と、頼りない父親。優しそうな祖父、そして少し不良っぽい虎鉄と、そんな家庭に育ちながらも素直な子供に育った兼定と菊丸。あと二人もいるのですが…それは割愛させていただきます。その様な環境で起こる連続殺人事件。キャラクターのよさに助けられてたせいもあるかと思いますが、今回のストーリーの完成度はかなり高いです。ただ、高遠達の話はなくてもよかったのではないかなぁ、と思います
結末はというと…とても意外でした。<ネタバレ>関係者は全員死んでしまったけど一体何が起こったのか、と思っていると実は香乃子が生きていた!さらにはそれに直也がからんでいて…というのは全く予想がつきません。素晴らしい!なんという新鮮で新しい結末だ!と思って感傷にひたっていると、実は似たような結末は既に合ったことを知り、少し残念でした…<ネタバレ>cf.)エラリー・クイーンの「そして誰もいなくなった」
結論:素晴らしいです!今作は何の文句の付け所もなく、薬屋の中でもかなりの完成度で、私的には一番気に入っている作品です。近梅の様な人間でも娘を想う気持ちはあって、あの様な行為に走ってしまったし、さらに言えばそれによって憎しみは連鎖していく…悲しい人間の性です。また、秋が本気になる場面もよかったです。まとめると、無条件にお勧めです。誰でも間違いなくはまるでしょう。
|
Bookend-Yasunariのページへ |
メイン |
今すぐ登録