作品紹介
著者:高里椎奈
あらすじ:葉月下旬、やたら元気な女子高生の身の上に、奇怪な事件が降りかかる。依頼を受けた秋、座木、リベザルは、非慈善事業の妖怪退治に乗り出すのだが……事件の裏には、心を曇らす悲しみの雨が。薬屋三人組は、暮れゆく夏に快晴を取り戻せるのか?ミステリー・ファンタジスタ 高里椎奈の傑作シリーズ・第5弾!(本書裏表紙より)
キャラ :★★★★★
ストーリー:★★★★☆
結 末 :★★★★☆
総 合 :★★★★☆
今回の登場人物は割と少ない方です。前巻までに出てきたキャラで、今回の登場人物は薬屋3人組、零一、花花の二人組のみで、(エリカと円も厳密に言えばそうですが…)あとは新登場。その中で、柚之助、エリカ、美浦(みほ)、栗東(りと)の4人が今回の重要人物です。その出来はと言うと…素晴らしいです!皆4人がそれぞれキャラが立っていて、ストーリーを担うだけの充分な役割を果たしています。今回は文句無しの満点。これらの人物はぜひとも再登場して欲しい物です。特にエリカが◎。全ての要素を兼ね揃えたこういうキャラクターは中々出せる物ではありません。さすがは高里先生!というところです。
ストーリーも非常に素晴らしいです。学校で起きている失踪事件を調査する
秋と座木。また、依頼を受けて福島へ避難させられたエリカ、それに付き添うリベザルと柚之助。秋達は調査の途中で美浦と栗東に出会うわけで、途中で美浦が失踪して、エリカが怪我をして…読んでて非常に興味を惹かれます。か○ぱえびせんのキャッチフレーズではありませんが「やめられない、止まらない♪」というのがよく似合う^^
結末はというと…学校の方は少し推理的要素に欠けていました。与えられた情報と、それを解決している様子を読むだけ。それまでがよかっただけに少々物足りない気がしました。ですが、最後の座木の「メモリーを消去しました」は切なくてよかったなぁ。それと、エリカ達の方は途中から「こうなるだろうな」という案が頭の中に浮かび、それを基本に読んでいたために最後は非常に意外でした。まさかこうなるとは、という感じで完全に意表をつかれました。まぁ確かにこうなるしかなかったのかな…と納得しましたが。その中でも、こうなった原因が非常に泣けました。最後の柚之助のセリフだけでも読む価値あり。特にリベザルとの別れ(?)見ていてジンときます。「資産が城」に関しては少し抜けていて場面に合っていなかったのでなくても良かったのではないかな…と思います。
結論:かなりお勧めです!あまり時間がない人でも1巻を読んだあとならば他は読まなくてもこの本はぜひとも読みましょう!これを読まないのは少々勿体無い。また、裏表紙の内容紹介の一文であり、帯に書いてある文章でもある「事件の裏には、心を曇らす悲しみの雨が」を全て読み終わったあとに頭の中に入れると全然見方が変わります。
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