銀の檻を溶かして(薬屋シリーズ第1巻)
作品紹介
著者:高里椎奈
あらすじ:とある街の一角に、その店は存在する。燻べたような色の木の床、木の壁、木の天井。まるでそこだけ時に取り残されたかのような——その店。騒然たる看板に大書きされた屋号は、『深山木薬店』。優しげな青年と、澄んだ美貌の少年と、元気な男の子の三人が営む薬種店は、だが、極めて特殊な「探偵事務所」で…!?メフィスト賞受賞作!!(本書裏表紙より)
キャラ :★★★★☆
ストーリー:★★☆☆☆
結 末 :★★★★☆
総 合 :★★★☆☆
薬屋シリーズの売り物であるキャラクターは文句なしに満点。整った外見とは対照的に皮肉屋の性格である飄々とした秋。優しい性格で家事のうまい座木。人見知りはするものの、思いやりのある子供のリベザル。メインのこの3人をはじめとして、取り巻く登場人物は皆個性的で読者を魅了します。
ストーリーは微妙。2つの事件が入り混じっていく、というのは悪くはないけれども、所々納得のいかない表現などがあったりして、今後に期待したいです。
結末は…言わないでおきますがとても意外で興味深かったです。これがあるので高里さんの本はやめられません。全270ページを一日で読み終わってしまいました。欲を言えば、メインキャラが人間にしか見えない妖怪、という設定をしているのだからもう少し妖怪を表に出したほうが良かったと思います。実際は(片方は)人間によるもの、というのでは平凡な推理小説になってしまう恐れがあるので…
結論:断然お勧めです!薬屋シリーズの中では
それ程いい方ではありませんが、やはり本全体から見ればとてもおもしろいです。もし暇で読む本がない、という方がいらっしゃれば読んでみることをお勧めします。多分私と同じ結論に至ると思います。
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