深山木 秋


深山木薬店の店長にして原形、出身地などその他諸々一切が謎に包まれている正体不明の妖怪。秋の他に「火冬」や「水夏」などの名前も使っていた。格好いい、の一言では片づけられない魅力と頼りがいと性格の悪さを持ち合わせている。リベザルをからかい、零一で遊び、剴と微妙な付き合いをし、座木にたしなめられ…そんな毎日をおくっていて、自分達がこの世界に住みやすくなるように、今日も「灰色の木を金色に戻す薬をください」を合言葉に妖怪専門探偵事務所を開いている。


1位  そんなコト知るか。ただお前が気に入らない、それだけだ

黄色い目をした猫の幸せP.266より

天上天下唯我独尊、まさしく秋を端的に表した言葉です。達観した価値観、言動、そして雰囲気、全てが秋の魅力であり脅威であります。これは本筋とは多少離れたところにある回想シーンとも言うべきシチュエーションで発せられた 言葉ですが、シリーズの中で秋を表現する上で外せない一言だと思います。物事の善悪を問う相手に対しての返答、ただそれだけを聞けば我侭ともとられかねない発言ですが、秋の信念にしたがった結果出た言葉、決しておかしくはありません。

2位  じゃあユノは間違ってないよ

緑陰の雨灼けた月P.286より

自分の大の恩人である七糸様の塚を護り続けるはずだった柚之助は、その塚を蹴り倒されたエリカに対して忠告するも、全く反省の見えない態度に対して憤慨し、復讐にはしろうとします。全ての真相が分かった後、七糸に対して自責の念に駆られている柚之助を救った秋の一言。弱気者の味方(?)である秋はその人にとって最もふさわしい言葉をかけてあげられます。強さと優しさと意地の悪さを持ち合わせた秋だからこそこれほどのカリスマ性を発揮できるのでしょう。

3位  飯——作りたければ作っても良いぞ

蒼い千鳥花霞に泳ぐP.291より

火冬(秋)のクールな態度により座木は誤解をし、二人の間にしばらく険悪なムードが続きますが、その誤解も全てが終わった後にリドルによってとかれます。そして、二人の間で微妙な雰囲気が走っている最中に発した火冬の言葉。完全無欠で無敵の秋ですが、素直でないことが言葉の節々からうかがえます。その中でもトップクラスのセリフで、珍しく内面が容易に想像できます。決して目を合わさないようにして独り言のように呟いたと思いますが、その時の火冬の顔を一度拝見してみたいものです。

4位  本当は僕も知らないのさ

本当は知らないP.285より

事は全て解決し、犯人も判明した後、病床に伏していた秋から一抹の不安を抱いた座木は先に死なないで欲しい、と頼みますが、秋はそれに対して問いかけをし、正解したら約束する、と言いました。しかし座木はそれに答えても、正解はどちらでもなく、本当は秋自身すらも知らないのだ、として話をはぐらかします。それは果たして真実であったのか嘘であったのか、そして問いかけをしたのは、ただ面倒で話題を変えたかっただけのか恥ずかしかったのか…それは秋のみぞ知る、と言ったところでしょうか。


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