厚生年金に加入している会社員などが障害を負った場合、要件を満たせば、障害厚生年金を受給することができます。

 ≪障害の等級≫
 重い順に1、2、3級に分かれています。
 
厚生年金の加入者は、自動的に、基礎年金(国民年金)の加入者にもなります。
 それより軽い症状の人が、一時金を受給できる場合もあります。
 
 基礎年金分の保険料は、厚生年金保険料の中に含まれています。
 このため、障害厚生年金の2級以上の受給者は、障害基礎年金も同時に受給できるのが基本です。
 

 ※ どのような身体の状態が該当するかの判定基準は、1級、2級ともに、障害基礎年金と同じです。
   ただ、障害基礎年金には1級と2級しかありません。
  
 障害厚生年金の3級または一時金に該当する障害だと、障害基礎年金は支給されません。

 ≪受給額≫
 人によって異なります。
 下図表のように、
 基本的には加入した期間が長く、その間の賃金が高かった人ほど金額が多くなる仕組みです。

 
■□ 障害厚生年金の支給額(1〜3級は年額、2006年度) □■
等級 計算式 最低保障など
1級  報酬比例部分×1.25+配偶者加給年金
               (22万7900円)
 加入期間が25年未満の場合、25年とみなす
2級  報酬比例部分+配偶者加給年金(22万7900円)  同上
3級  報酬比例部分  年59万4200円
一時金  報酬比例部分×2  116万8000円

報酬比例部分とは・・・
 賃金と加入期間の長さによって決まる部分。
 厚生年金加入期間30年、平均年収600万円の人で年額100万円程度
       ※ 受給条件などについて、詳しくは社会保険事務所で確認をしてください。

 ・1、2級には、65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者の年収が850万円未満であることなどの条件を
  満たせば、加給年金が付きます。

 ・障害厚生年金は、加入したばかりで障害を負った場合でも、25年間加入していたと見なして
  金額を計算してくれます。
   若いうちに障害を負った場合などに、年金が少なくなり過ぎないようにという配慮です。

 ・3級には年約59万円、一時金は約117万円(2006年度)という最低補償額も設けられています。
  
 ≪受給するための要件≫
 1.障害の原因となったけがや病気の初診日に、厚生年金に加入していた。 

 2.「障害認定日」に1〜3級の障害に該当する状態にあった。
    障害認定日とは、初診日から1年6ヶ月たった日、または症状が固定して治療の効果が期待できなくなった日のことです

 3.初診を受けた月の前々月までに、
   ①「公的年金に加入すべきだった期間のうち、未納が3分の1未満」か
   ②「直近の1年間に未納がない」
                            のどちらかに該当していることです。

 この三つは「保険料納付要件」と呼ばれ、障害基礎年金とも共通する重要な条件です。

 ずっと厚生年金に加入している会社員などの場合、保険料納付要件を満たせなくなる心配はありません。
 ただ、学生や自営業者が、会社に就職してまもなく障害を負った場合、国民年金保険料の未納期間があると、この要件を満たせない恐れがあります。


 
 公的年金には、一人一年金という原則があります。
 このため、障害年金と老齢年金を一緒に受給することはできませんが、2006年4月から、65歳以上に限り
 障害基礎年金と老齢厚生年金を併給できるようになりました。

 障害厚生年金をもらい始めても、会社で働き続ければ、障害厚生年金より老齢厚生年金の額が多くなり、
 老後の年金を増やすことができます。



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