◆◇◆◇ 自己免疫性肝炎 ◇◆◇◆
 私達の体は、外界から侵入してくるウイルスや細菌などを自分でないものに対して
 免疫反応を起こして排除しようとします。
 自己免疫性肝炎は、肝細胞膜の構成成分に免疫反応を起こしてしまう病気と考えられています。
 (これが細血管におこったものがSLE、関節に起こるとリウマチ関節炎になる)


 自己免疫性肝炎と診断される人の80%以上は女性で、男女比は1:7と女性に多い病気です。
 また中年女性に多く、40歳から50歳台が発症の中心となっています。

 欧米では10歳から20歳が最も多く、ついで40歳から50歳台が多い2峰性を示しています。          
 (この違いは、主要組織適合抗原で示される人種差が関係しているものと考えられる)
 また、最近では60歳以上の高齢者の発症も報告されています。

 特徴的な症状はあまりないのですが、多くの人が倦怠感を訴えます。
 また、ウイルス性慢性肝炎に比し黄疸を訴える人は、35%と高頻度です。
 他の症状としては、食思不振、関節痛、発熱などがあります。
 
 さらに甲状腺機能低下、慢性関節リウマチなど他の自己免疫性疾患が合併する場合も
 少なくありません。
 一方、こうした症状を全く示さず、血液検査での異常をきっかけに発見される人も
 少なからずいます。

 病気が進むと肝硬変になり、腹水、黄疸など肝硬変による症状が現れてきます。
 (ウイルス性の肝硬変に比べ、肝細胞癌の合併は大変少ないとされている)

 
 適切な治療を行えば、肝臓の炎症は良く改善し、進行もみられなくなります。
 治療をきちんと受けている場合(日本での調査)、10年の経過では殆ど進行はないようです。
 また、死亡率も高くありません。


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