衝撃












俺は、十番隊隊士、中村五郎だ。

アイツ、一番隊隊士神谷清三郎ははっきり言って女だ。自分では『男』だと言い張っているが、ぜったい、絶対女だ。他の奴らに言っても女なわけない。とみんな言う。

なんでわからないんだ?男なら、男か女なんて直感で分かるはずだ。あいつの口から正体は聞いてない。だけどあいつはぜっっっったいに女だ。絶対に。

・・・こんな話したくないのだが、俺は昔、道場の先輩に手籠めされそうになったことがある。それ以来俺は俺以外の男が苦手になった。数時間ひっついていると吐き気がするし、衆道というものにも寒気が走る。それぐらい女じゃないとダメだ。だから俺は男でも

・・・いや、女だから神谷にホレてる。正体をあばいてこの新撰組から追い出したい訳ではない。・・・・・・・そりゃ、怪我なんかしてほしくないけど・・・。

俺は、何でそんな格好して、月代まで剃ってここにいるのか聞いて、なにかアイツの手助けをしたいんだ・・・・・・!!







青く晴れた空、白い雲!そよ風優しく昔を語る!今日はとてもいい日だ。気持ちがいい。こんな日に仕事というのが少し残念だが、今はすごく気分がいいのでよしとしよう(?)!

「んん〜〜〜っきっもちぃ〜〜〜〜v!」

この日、セイは朝から同じ隊士の山口・相田の手伝いで、ある人(←誰かは不明。)への文を書いていた。その手伝いも昼頃にやっとこさ終わり、外の空気を吸っているところ副長、土方歳三に庭に放ってある洗濯物(褌、袴、その他モロモロ)を洗えと命じられた。お前が一番洗濯が早いから、と。そしてその仕事もようやく終わり、羽を伸ばしていた頃だった。

「ったく、あの鬼副長も相変わらず人使い荒いんだから。それに今日一日沖田先生と会え ずじまいだしぃ。でも、洗濯も終わったし、これから何もなくて沖田先生と稽古でもで きたら今日一日とっっっっても幸せなのになぁ。」

セイは洗い物をしたたらいを持ってまだ、燦々と輝く太陽に向かってため息をついた。

あのお方の不憫度もさることながら、この娘もだいぶんかわいそうな目に遭ってきた。

(沖田が原因だったり沖田が原因だったり沖田が原因だったり・・・・・・・・・)だが、近頃のセイの気苦労は別の人間にもあったりする。(笑)

「・・・っ神谷!」

—————————ほ〜らね・・・・・・。やっぱり来た。私の気苦労の一つ、中村五郎。

「何ですか?」

「・・・・・そんな嫌な顔すんなよ。」

セイは、思いっっっっっっきり眉間に皺を寄せて中村五郎の方を振り返った。

「用がないなら私は行きます。」

「ちょっ!待ってくれよ神谷!」

セイがその場を離れようとして五郎はセイの腕を掴んだ。

「俺は!お前に惚れてるんだよ。だからそんな格好でココに居る訳を聞いて何か手助けを したいんだよ!」

「〜〜〜〜〜っ、何度言わせりゃあ済むんだよ!!俺は男だって行ってんだろが!!」

神谷がまた、五郎に追求されたとき、丁度すぐそこの茂みから沖田が出てきた。

「そうですよ。神谷さんの言う通り中村さん、神谷さんは男です。」

「何でそんなところに居るんですか沖田先生?」

「何でそんなこと沖田先生が分かるんですか!?沖田先生は神谷と風呂にでも入ったん ですか。」

五郎にそんなことを聞かれた沖田は返事にとまどった。

『か、神谷さんと風呂っ!?入ってみたい気もしますけど・・・・って!何考えてるんですか私は!?いやいやそうじゃなくて、ええ〜〜〜??どうすればいいんですよ〜〜〜!?』

妙ことを聞かれた沖田はいつになく考えすぎで頭がぐるぐる回り、頭が痛くなった。頭の中でプチンという何かが切れる音がした。

「何ほざいてんだよこのボケッ!!」

五郎が神谷に殴られてから沖田の口が開いたのだった。

「み、みみみ見ましたぁぁっっ!!!」

「「っ!?」」

急な大声に二人はくるりと振り向く。声の主は沖田だった。二人はさらに目を丸くした。「・・・見た、って本当ですか?」

「ほほ、本当です!!」

「!?沖田先生!?」

「じゃあ、神谷の裸ってどんな感じですか?」

「中村!?」

「ええっと〜神谷さんの身体はやっぱり全体的に白くてー・・・。」

どちらからもセクハラ発言。聞く方も聞く方だが、答える方も答える方だ。神谷は顔を真っ赤にしてぷるぷると震えだした。

「・・・じゃあ、本当に男だったんですね?」

「はい!確かにありました!!」

ががががーんという効果音が聞こえて中村が唸りながら後退りする。

「そ、そんな、沖田先生と神谷がそんな関係だったなんて・・・・・・そんなの、

そんなの嘘だあああああああああああああああああっっ!!」

「妙な誤解してんじゃね—————————っ!!」

カラスの親子がからかうように鳴いた。中村五郎は涙を垂れ流しながら走り去っていった。「沖田先生・・・はっきり言ってセクハラですけど、一応、有難うございました・・・。」「うっ!す、済みませんでした・・・。」

「じゃあ、沖田先生、久しぶりに一緒にお団子でも食べに行きません?勿論奢りで。」

「はい!行きましょう!!ゼヒ!!」

二人は楽しそうにその場を後にした。そこには、その会話に不運にも出会してしまった者も居た。そのお方は偶々、隠密行動中だったのである。

『か、神谷と沖田さんが・・・。』

そう。やはりこの男、斎籐一だった。さすが不憫度NO,1。一部始終その会話を聞いていたのである。神谷に片恋中のこの男は大層のショックを受けた。周りの者達がポーカーフェイス★斎籐!の心境が分かるはずも無く、斎籐はさらに、変・・・否、不思議な人の印象を強めていったのだった。



「・・・でも、やっぱり信じられねえ!沖田先生が嘘を付いていたのかも知れねえ!!」この後、松本良順の登場。神谷が女か?という五郎の疑問は斎籐の言葉によってことごとく粉々にされると言うことを、この男はまだ知らない。(合掌。)



そこでは沖田と神谷が団子を頬張っていた。沖田の顔が空を向いた。

「・・・あの話、あながち嘘じゃあ何ですよね〜。」

「は?どういうことですか。」

「いや、神谷さんの裸を見た。って話なんですけど。」

「え?」

「随分前のことに成るんですけど私、夜中に厠に行ったんです。」

動きが止まっている神谷をちらりと見て、顔を掻いた。

「—————その帰りに神谷さんを見付けて、」

「・・・先生、まさか・・・?」

「あ、え、と、丁度、水浴びをしていたんです・・・・よ、ね。」

「見たんですか?」

「あ、えと・・・。」

「見たんですか。」

「・・・・・・・はい。」

沖田が顔を赤らめた瞬間、

辺りに何かが破裂したような音が響いた。

「最っ低!!私は先に屯所に帰ります!!」

「え、ちょっと」

沖田は自分の頬を押さえ、帰って行く神谷と、残っている団子を交互に目で追った。





「ま、待って下さいよう神谷さぁあ———————ん!!さあぁーん あぁ−ん」

沖田の虚しい叫び声が辺りに響いた。

その光景を見た者は、なぜか自然と涙が染み出てきたという。

哀れ、総司。云わぬが仏。・・・だな(涙)。



       終







——————————————————あとがき—————————————————

こんちは。終わりました。これを始めてから約、5ヶ月程経ちました。

いやあ、時が経つというのは早いものですな。(爺くさい)うん。

と、いうか。これを書いて手思ったのですが、五郎の過去って土方に檄似じゃない?

いやいや、土方はそれこそ道場の方々に手籠めにされるというこは無かったけど(あってたまるか。)

子供の頃手籠めにされそうになったて言ってたじゃない? (総司情報)何かそんなこと聞いてると土方さんのことが好きになっちゃうかもしれない。(変態)

はいはーい!!そしてそして最後の最後には絶対斉藤さん!!やっぱりこの方に限ります。なんかこの人の不憫な所を書くのが一番盛り上がったんですよね。自分的に。

やっぱり、なんか硬派な人たち(土方、斉藤など。)をいびるのがたのしいんですよね〜v

あわわ、なんかだらだらと長話してしまいましたね・・・。それでは!!

今後もよろしくお願いしま〜す!!



A HAPPY NEW YEAR!!!(遅!!)
















可愛いです〜!!
yuula様からの頂き物です★
総ちゃんの情けなさっぷりがイイ感じです〜。
素敵な作品有難うございます!!
Yuula様のHP創設楽しみにしていますね(^^)
絶対教えてくださいね!!泣いちゃいますよ!!(脅しかよ)