紙想





「…お願い事の理由、まだ話してませんでしたよね」



セイは、あ、といった風に顔を上げた。



間髪いれずに総司がきっぱりとNO!というふうに手を前に突き出した。



「あ、いいです、話さなくて。聞いちゃうと断れなさそうですし」







そこで、総司はしまったという顔をした。



セイがにんまりと笑っていたのである。









「何故かと言うとですね「あーーーーーーーー良いです良いです聞きませんからね!!」



二人の声が重なった。







二人、そのまま睨み合う。



心なしか総司がおされ気味だ。







「…もう、いいです」



しばし睨めっこをしてから、セイがいきなり顔を苔に押し付けた。



「えっ?!」



総司が慌てたように目を丸くした。





セイはうつぶせたまま動かない。







「…か、神谷さん?な、泣いてるんですか?」



総司が慌てたようにセイの傍に貼ってくる。







「か、神谷さん?あ、あの…嘘です、ごめんなさい、そんな深刻だなんて気づかなくって…あ、あの、昔から私、鈍いみたいで…ちゃ、ちゃんと、聞きますから…」







ぶふっ、と噴出す音。



「…ぶふ?」



嫌な予感とばかりに、総司が顔をしかめる。





「ほんとですか?」



セイが嬉しそうにがばりと顔を上げた。



キラキラと、瞳の奥に希望の光を携えて。





「…あの…神谷さん?」





「あのですね?聞いてくれますか?」





「…イエあの…神谷さん?だましましたね?」





「武士に二言は…





何処までも続く空に、雲が一筋。



総司の泣きそうな顔に、可笑しそうに揺れながら。

































----続く----

メリー★クリスマース!
うーん。季節は夏!!暑い!!なんといおーと夏っ!
誰かアホ管理人につっこんであげてー。