シンデレラさん












このお話は、シンデレラを元に作成した「風光る」小説です。


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あるところに、かわいそうな少女がおりました。


継母と、意地悪姉妹にいじめられ、豆を拾うシンデレラ。


「おほほほほ。ほら、豆をおひろいかわいいシンデレラ」


「ぜんぶ拾えたらお城に連れてってやるからさ、がんばんな」


そのいじわるな人たち(?)の姿にあきれてモノも言えないシンデレラ。


「……姉妹の伊藤先生と藤堂先生まではいいんですけど、ふ、副長…なにやってんですか?」


「うるせえ神谷!じゃねえシンデレラ!お母様だ、お母様。さっさと豆ひろえ!」


「役柄的には似合ってますけど、そのドレスはどうかと思いますよ。」


「うるせえっ!わらってんじゃねえ、藤堂!」


そこへ。


鳩の着ぐるみ(白鳥の湖、アソコに長い顔版をご想像ください)を着た原田、永倉、その他もろもろ登場。


「わ、わ、み、みんななんてかっこしてるんですかー!!」


シンデレラは、鳥肌ながらに叫びました。


「いや、なんかシンデレラの豆拾いを手伝う鳩の役らしいぜ。」


「なかなか似合ってんじゃねえか、ぱっつぁんもよう!」


そして、その後、シンデレラのおうちの庭では、むさくるしい鳩とかわいそうなシンデレラの
奇妙な豆拾いが行われました。


継母と、いじわる姉妹は先にお城のパーティーへ出かけます。


シンデレラは継母達を見送ります。


「副長、結局豆半分くらい拾ってくれちゃって、後で監督におこられますよ。」


「わっぱがつまんねえこと気にしてんじゃねえ!」


「シンデレラ、あとでおばあさんが来てくれるらしいからね、がんばってね〜」


「美しいシンデレラ、片時も君と離れるのは心苦しいが…」



ま、そんなわけで、魔法使いのおばあさんの出番です。


「あああ、斉藤先生じゃないですかあ〜!!」


そう、魔法使いは斉藤一。


「シンデレラ、頑張ってるか。」


「ええまあ、なんとか。」


魔法使いのおばあさんが、杖をひとふりすれば、まあびっくり、シンデレラのぼろっちい服が
綺麗なドレスにはやがわり。


そのシンデレラの綺麗なことといったら。


「わあ、斉藤先生、綺麗ですね〜!」


「う、し、シンデレラ、に、似合っているぞ**」


魔法使いは、「平常心」の張り紙を背景に飛び散らせながら答えます。


「ふふふ、斉藤先生が選んだんですってね、さっき聞きました」


シンデレラは魔法使いの袖をつかみながら見上げます。


「そ、そ、そうだがそれがなにか?」


(顔がまっかよ、斉藤はじめちゃん!)


「さすが兄上!」


(ごうううーんと、どこからか鐘の音も聞こえます)


「センスの良さも、兄上だからこそですね!」


シンデレラはとってもうれしそうです。


シンデレラは、局長自らの運転というありがたいカボチャの馬車に感激しつつ、お城のパーティーへと向かいました。


「シンデレラ、12時になると魔法が解けてしまうぞ。気をつけろよ」


おばあさんは、これから王子とのラブシーンの為お城に向かうシンデレラを、涙ながらに見送りました。(えらいかわいそう)






さて、お城のパーティーはとても華やか。


シンデレラは、おそるおそる扉を開けます。


ひょこりと顔をのぞかせたその時、聞き慣れた声がシンデレラを呼びました。


「あ、あ、あ、神谷さ…じゃなかった、シンデレラさん!はやくこちらへいらっしゃいよ!」


「は、はい、沖田先生!…て、………なにやってんですか


そこには、王子役と思われる格好をした沖田総司がいたのである。


「ほんとにおいしいんですよ!このごちそう!」


夢中でお皿にごちそうをもりつける王子(笑)。


「……沖田先生?」


不審そうにシンデレラは、王子のその行動を見守ります。


「ほら、シンデレラさんも食べなさいよ、見たこと無いモノばっかりなんですから!」


ぶちっ。


あ、シンデレラの血管が一つ切れたようです。


「沖田先生!ここは、シンデレラに一目惚れして、踊りに誘う場面じゃあなかったんですかっ?!」


シンデレラは、がに股になって頭に二本つのを生やすと怒りだしました。


そりゃそうです、役得☆と思って、楽しみにしてたんですから。


「ああ、ほ(そ)うでした、忘れてまひ(し)たよ、もぐ」


食べ物を含みながら、慌てて王子は向き直ります。


「もう…いいですよ、今からやってもおそいですから」


シンデレラは、悲しそうに言いました。






王子が、しまったと、シンデレラに手を伸ばしたその時。


ごおおおーん。斉藤先生の頭の為ではない(笑)、12時きっかりを知らせる
鐘の音がなりました。


「あ、行かなきゃいけませんので、では沖田先生!」


シンデレラはあわてて階段を走ります。


ちゃんと、脚本どうり、ガラスの靴を片方忘れたふりをして。かんぺきです、セイちゃん。


…が、しかし。


「ああっ、神谷さんだめじゃないですか、靴忘れてますよ〜」


そう叫びながら慌てておいかけてくるのは王子様。


そこまではいいんですが。王子様の足の速いこと。風のごとく、あっというまにシンデレラに追いつきます。


「沖田先生?!」


その早さにびっくりしながらおろおろ走るシンデレラ。


ふわり。


王子様はシンデレラに追いつくと、すぐさまお姫様だっこをしました。


「ほら、ちゃんと靴をはいていかなきゃだめですよ」


「…沖田先生、それは演技です!わざとです!もうっ下ろしてくださいよ!」


シンデレラは、もうかんかんです。


しかし、王子様はそんなシンデレラの口をしい、と人差し指で押さえるとささやきました。


「知ってますよ。このまま二人でどこか行きましょう」


「は?!」


シンデレラはなお叫びます。


「さっきのお詫びです。これから二人でたくさんイイコトしましょうね♪」


「はああ〜?!」


「ふふ、シンデレラさん、そのかっこ、いいですね。さすがの私もがまんできなくなりました」


なんだなんだと皆が階段の上で見守る中、二人は走り去っていってしましましたとさ。






めでたしめでたし…















シンデレラバージョンでした〜。

童話は増やしたいですね!

個人的に!!(オイ)