桜（セイ）
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沖田先生。
私はここにいます。
ここに、いますから。
沖田先生。
何度も幻を見たのです。
沖田先生の、そう、幻です。
沖田先生。
私達が初めて出会ったあの市ヶ谷八幡の桜を覚えておいでですか
この激情の世の中であの桜は見事に咲いています
今この私を見下ろすのはあの満開の桜です
沖田先生。
私はとうに姿も変わりもうあのときの私では無いでしょう
髪も伸び指先も伸びたように思えます
沖田先生。
沖田先生の指の先ものびたでしょうか
その手が幸せなものを包んでいますでしょうか
私が手にしたものはこの桜です
この桜と共に沖田先生
沖田先生を
消息もわからぬまま
桜
桜と共に
嫁ぐこともなく
縁は全て私を追い
それでも
それでも
私にはできませんでした
沖田先生
私に嫁ぐことは出来ませんでした
私が選んだのは
桜
あの桜だけなのです
もう桜と私は二人きり
誰もが怖がり近づきません
私はもう邪魔なのでしょう
沖田先生
あれからどのくらいの月日がたちましたか
私にはわかりません
でも
私はここにいます。
私はここに、いますから。
沖田先生
空が青いですね
沖田先生？
空が青いと泣けてくるのでしょうか
綺麗です
綺麗ですね
沖田先生
空が
桜が
桜が綺麗ですね————−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ええ 神谷さん 貴方は
また泣いて—————————−−−−−−−−−−−−−−−−−
沖田先生
指の先
指の先が
少し 伸びましたね
これは総司とセットです★
もうステキないただきものを頂いたんですよー！アヤメ様からですー。
こちらになりますv
