かぐや姫さん







このお話は、かぐや姫を元に作成した「風光る」小説です。






ある処に、おじいさんとおばあさんが、二人きりで、暮らしていました。



「神谷さ〜ん、ちょっと竹斬り修行に行ってきますから〜」



「沖田先生、私は今『おばあさん』っていう役なんですけど」



二人はいつでも仲良しです。



「それを言うなら私だって『おじいさん』ですよ。まぁいいじゃ無いですかそんなコト」



「はぁ…いってらっしゃい、おじいさん」



府に落ちない顔をして、おばあさんはおじいさんに手を振りました。





おじいさんは、ふんふん、と鼻歌を歌いながら山へ向かいます。



そうしておじいさんは修行を始めました。



「はッ!!」



その意気込みはものすごく、竹をばらばらと紙のように斬って行きます。



そうしておじいさんは、微妙に金色に光っている一本の竹に気付かずに、あっさりと斬ってしまいました。



「あれっ?」



途端におじいさんは汗をぬぐいながら、剣を降ろします。





そう、そこには、金色に輝く、黒い長髪のきれいな、美しい、おなごが入っていたのでした。





「土方さん、そんなところで何してるんです?」



おじいさんはかくれんぼですか?と娘に話しかけました。





「総司……俺を殺す気か」



娘は、少々切れてしまった髪の毛を揺らしながら、言います。



「すみません、あとちょっと間違ってたら切れちゃってましたね」



おじいさんはえへへと笑いながらそう言います。



きれいな娘は、竹の中であぐらをかきながら、ぼりぼりと首を掻きます。



「ぶっ、土方さん駄目ですよ今回はお姫さまの役なんですから、あぐらかいちゃ」



おじいさんはさもおかしそうに注意します。









もそもそと出てきた鬼ふくちょ…いえ、お姫様は、むっつりと不満そうに腕を組み、言いました。



「総司、おめぇ今日は雑だぞ、いいか、剣を振るときの角度は…」



「あ、すみません修行が足りませんでした…って違いますよ土方さん!!」



おじいさんは慌てて、奇麗な着物をはだけさせてがにまたになったお姫様を止めました。



「あ?」



「今日は、土方さんが主人公なんですから!!『かぐや姫』さんですよ、知ってるでしょう?」



楽しそうににっこりと笑うおじいさん。



それに感づいて眉をしかめるかぐや姫。



「良かったですね、いつもよりずぅーーーーっとマシな役…」



どこがだ!!











こうして、おじいさんは、無事かぐや姫を拾って、おばあさんの元へと戻ることができました。





「ああ、良かったちゃんと副長もいますね」



おばあさんはおじいさんが帰ってそうそうほっと胸を撫で下ろします。



おじいさんはむっとした様子で



「どういう意味ですか」



と反論しますが、



「だって、沖田先生稽古に夢中になって副長まで切っちゃうんじゃないかって心配してたんですよ」



とおばあさんに言われ、当たらずも遠からず、ぐっと喉を詰まらせました。







「でも、副長似合いますね、その着物とカツラ(つまんないなぁ…)」



意外そうにおばあさんはかぐや姫を誉めます。



「意外ですよねぇ(つまんないですねぇ…)」



おじいさんもおばあさんも(目でこっそりと会話しながら)まじまじとかぐや姫を見物します。



「ね、コレ塗ってみません?」



おじいさんは楽しそうに何所からか取り出してきたオシロイをおばあさんに見せます。



「あ、いいですね!じゃあ…これとかも!」



おばあさんも、紅差しを選び始めました。



「おまえら、何しやがんだ!!!!」



「コレとかもーーー!!」



「神谷さんセンスイイーーーーーーーー!!!!」











——————————3分間かぐや姫の雄たけびをお楽しみ下さい(リズムはご自由にお取りください)ーーーーーー













「………副長……ぷっ………似合ってますよ、そのナルトほっぺ…くっ」



「ええ…とってもおいしそ………くふっ」



「わ、笑っちゃ悪いですよ、沖田せんせ…ぶふっ」



「だ、だって…あのつながった眉毛書いたの貴方ですかぶはっ」



「そ、それをいうならふぐっ…、沖田先生だっておでこに『鬼は内★』って落書き…うっく」







かぐや姫は、



『今日はつらい役目だろうがどうか堪えてくれ、頼んだぞ   新撰組局長 近藤勇』



という完全に面白がっている局長からの手紙(脅迫状)を手にし、ぶるぶると肩を震わせていた。





……後のことは考えず、話を進めて参ります。















さて、おじいさんとおばあさんの駆使たる養育により美しく変身したかぐや姫には、たくさんの婿養子候補が詰め寄ります。



さァ盛り上がってきた!!(何が)ご紹介しましょう。



一番!!(ダララララーーーッッカーン★)女の雑食と言われるこの人、原田左ノ助—————!!

「土方さんのその頬のナルトがひきつった顔に歪んでまたセクシー!ってわけで惚れました★(ウインク)」



おおっと!!一番、副長の変わり果てた姿に動じず言い切ったーーーー!!(興奮アナウンサー風)

一番動じているのはおばあさんとおじいさん!!もう息もできない様子です!!





さてさて、お次は二番!!(ダララララーーーッッカーン★)あの癒しの笑顔が堪らない!藤堂平助—————!!

「え…えと……あー…その…ご愁傷さまです……(滝汗)」



おおーーーー?!なんと、藤堂平助、かぐや姫に同情している模様です!!!

そうくるとは思わなかった!!大穴婿候補!!

これはかぐや姫に効いてイル様子!!肩を震わせて耐えております!!これは望みありか?!

おじいさんとおばあさんには酸素マスクが無事手渡されました!!





気を取り直して次はーーーー三番!!(ダララララーーーッッカーン★)歳を取れば深み有り!井上源三郎————!!

「副長!ワシはそのつながった眉毛、男らしくてイイと思いますゾ!!そう落胆されるな!」



おおーーーーーーー!!なんと!!素で一本眉毛を誉めてかかったーーーーーーー!!

これは予想外!!しかし原田選手とご祖父母にはキイテいる様子であります!!

しにものぐるいで悶えております!!





これで最後だ!(本当は5人だがツッコムでない!)

その眉と目尻にファン多し!!これは強い!斎藤一——————————————————!!



「副長、その額の字、間違っているな。本当のトコロは『鬼は外』だ、知っているとは思うが(ふっ)」



なんとーーーーー!これには皆仰天!

一番突っ込めないトコロを真顔で突っ込んだーーーーーーーーーー!!

斎藤一、顔色変えず、言い切った!!これはスゴイ!しかも冷笑もおまけでついてきた!

イヤミも真顔、斎藤一!尊敬の目を集めております!!!拍手!!





……。



……………。



あれ?



かぐや姫さんの反応が…



「あぁっ!!神谷さん大変!!土方さんがいない!!」



「「「「はーーーーー?!」」」」



「さぶいぼの立てすぎって体に悪いんですかね?!」



「知りませんよ!!っていうかかぐや姫さんがいなきゃ話にならないじゃないですか!!」



「からかいすぎたかもしれんな」



「…………」



「…………」



いっこうにかぐや姫が帰ってくる様子はありません。







こうなったら、かぐや姫さんの代役を探すしか無いようです。





「じゃあ、俺らが着てみて決める?かぐや姫」



おっと!!ぱっつぁんが面白いこと言い出しました!!



代役は、誰の手に!!



かぐや姫役勝ち取り戦サバイバルゲーーーーーーーーム!!(んなおおげさな)



いそいそ…。



皆、着替え始めます。



「は?!私もですか?!」



「そうですよ〜。神谷さんのぶんも用意してあるんですから」



何故かおじいさんとおばあさんも参加!!











「…………」



「…………」



藤堂選手「イヤ、神谷はもちろん似合ってるよ」



おばあさん「藤堂先生も可愛らしいですね。意外」



おじいさん「神谷さん!!私は?!私は?!」



おばあさん「…沖田先生は気張りすぎでキモチワルイです」



左ノ選手「なんか重いんだな着物ってやつぁ」



藤堂選手「………ふんどし丸見えだよぱっつぁん」



井上選手「ど、どうかね、こんなもんかね(期待して輝く瞳)」



皆「…………………………」



藤堂「き、着こなし奇麗なんじゃないかな!」



皆「(ナイスフォロー!!!)(親指グッ)」











斎藤選手「………………(無言)」



おじいさん「あ、斎藤さんふぐ」



左ノ選手「皆まで言うな、総司!!」



おばあさん「さ、斎藤先生…イエ、お似合いですよ、お似合いなんですけど…」



藤堂選手「なんていうか、意外にノリノリ…?」



井上選手「その奇麗に塗れているでは無いか。どれ、ワシにも」



皆「やめといたほうがイイと思います!!!」





さて、この怪しいかぐや姫コスプレ同好会のグランプリは誰か。



審査員が必要です。



あの方に登場していただきましょう。







隣の国の、お殿様。



『やあ!!清三郎今日も麗しいね!!』



パカッパカッとひづめを鳴らしてやってくるはそう、言わずとも。



「「「「「ぎゃーーーーーーー!!」」」」」」



かぐや姫たちは雄たけびを上げます。



ハモルといっそう怖さ…、イエ、美しさが増します。



おばあさん「なななんで此処に伊藤先生がッ?!」



左ノ選手「知らねえよ!!ってか逃げろ!!」



おじいさん「ほら神谷さんこっち!!」







かぐや姫たちはものすごい勢いで逃げてゆきます。



かなりの数のふんどしがはためいて汚い絵づらですが、皆必死です。



その内ヒトリは、(神谷の白い足…)と頬を染めていますが、それどころでは無いので無視。







藤堂選手「あッ!!分かれ道!!」



井上選手「右に曲がってみてはどうかな」



左ノ選手「どっちでもいいって!!速くしろ!伊藤先生はえぇ〜!!」



ってことで、右を選択!!









しかし!!そこに(初代)かぐや姫土方歳三がまちぶせていた!!



「さて、ニセモノは始末しねぇといけねぇなぁ」



「「「「「あ"ーーーーーーーーー!!」」」」」



真剣を持ち出して鬼のごとく笑う土方かぐや姫!!しかしナルトほっぺは消せなかったと見た!!これは怖い!!





おじいさん「ど、どうしてここに土方さんがッ?!」



おばあさん「そんなコト知りませんよ!!」



パカッパカッパカッ……



藤堂選手「ああッ!!ひづめの音がもう追いついてきたよ?!」



左ノ選手「左!!左に逃げろッ!!」





おじいさん「あ!!アレなんですかね?!」



おばあさん「お城?」



左ノ選手「何にしろ逃げ込め!!」





かぐや姫たちは、城の中へ逃げ込みます。



斎藤選手「…ずいぶん警護の薄い城だな」



ウィーーーーーーーーーーーン……



「「「「「わ"——————————————!!!」」」」」



おじいさん「ななななんか地面が動いてますよ?!」



おばあさん「沖田先生おちおちますって!!揺らさないでください!」



藤堂選手「どこいくの、コレ!!」









カチャリ。



何かがはまったような音がすると、やっと地面は止まりました。





そして。

目の前には。





斎藤選手「……局長」









そう。近藤勇。



「いや、いちおう殿(伊藤先生)の父という役でな」



「きょ、きょくちょおう〜〜〜〜」



「近藤さ〜〜〜ん」



皆、この人の顔を見て安心した様子。



子供のように駆け寄ります。



ちゃっかり皆の後ろから無表情でついてきた斎藤選手もお忘れなく。(この人も内面うれしいんです)







「少しハメをはずしすぎたみたいだな」



ははっと大口開けてやさしく笑う殿の父君。



皆は少し落ち着いたのか、かくかくしかじかと今までの出来事を説明します。



「ふむ。」



父君はうなり、こう言いました。



「とりあえず、本物のかぐや姫は見つかったのだから、きみたちが代役になることもなかろう」



そのとおりである。



うんうんと皆うなづく。



「で、謝るのが一番だな」



うんう…とうなづきそうになって、皆顔を上げます。



左ノ選手「ムリ!!!!」



おばあさん「謝る前に殺されちゃいますッて!!」



殿の父君「まあ、ただでは駄目だろうが、それしか無いだろうからなぁ」



おじいさん「…近藤さんがそう言うなら…そうするしか無いですねぇ…」



おばあさん「沖田先生切り替えはやすぎ!!」







そういうことに、なったのであった。





トコトコ…。



ムサイかぐや姫集団は初代かぐや姫の元へと向かいます。







「おう」



そして、目の前にははやくも初代かぐや姫。



皆はたくさん謝りました。



…命に関わる問題ですので必死です。





初代かぐや姫は、条件を持ち出しました。



「左ノ、おめぇはちょっくらあの崖に飛び込んでから天竺の石鉢持って上がってこい」

「えーーーーーーーーーーッ?!そりゃないっすよーー!!!!」



「藤堂、お前はあれだ、どっか適当な木から白玉摘んであんみつ作ってこい」

「そんな木あるのーーーーーーー?!」



「源さんはそうだなぁ、火ねずみの皮衣をよろしく頼む。」

「火ねずみなんていたかねぇ……?(いないよ!!!!:皆同時ツッコミ)」



「斎藤さん、アンタは龍の首の五色の玉だ」

「……はあ…………」



「ばあさんにはツバメのコヤスガイと言いたいところだが…まぁ」

おばあさん「……『まぁ』…?(不安)」



「じいさんとばあさんセットで同じ課題にしてやる。1時間素振り3000本な」

にやりと笑う、かぐや姫の頬のナルトが歪みおじいさんはあやうく吹き出すところでしたが、おばあさんのエルボーによって堪え、おばあさんがなんとか「わかりました」と言ってみせ、無事交渉が成立しました。







こうして、皆ちりぢりに途方も無い旅へと去ってゆきました。







そして残るは、素振りをするおじいさんおばあさん。



「一時間に3000って…絶対ムリなんですけど」



おばあさんはぐちぐちと言いますが、真剣に素振りを行います。



隣では、思いのほか軽そうに素振りをするおじいさん。



「ねえ、土方さん」



「何だ」



「コレできたら、お願い聞いてくれます?」



「……まぁ、いいだろう」



おじいさんが、にやりと笑ったのを、残念ながらかぐや姫は気付きませんでした。













「できました」



50分後に、そうけろりと言って驚かせたのはおじいさん。



そして、それを見守っていたかぐや姫もそれを承知していたらしく、苦虫をつぶしたような顔をしていた。





「えーーーーー…?私まだ1000本もでき…ないん…でふ、けどーー……」



おばあさんはぼろぼろです。



ちっと舌打ちして、かぐや姫は、用件は何だというように目で言葉を促した。









おじいさんは、ニヤリと笑います。

私がやられっぱなしな訳無いでしょう?とばかりに。



「私がイイお婿さん見つけてきましたから、そのヒトに嫁いでくださいネ!!」







おもしろそうにそう言うおじいさんの言葉に、おばあさんはびくッと反応します。



「ま、まさか沖田先生、そのムコって………」







土方くーーーーー〜ん!!キミの麗しさには誰にも勝てまい!!我が姫ぎみどんなに会いたかったことか……!!』



美しい笑みをもらして、パカッパカッパカッと詰め寄せてくるは、そう、隣の国の、殿、伊藤!!!



「総司ッ!!てめぇ!!!」

「え〜、土方さんがイイって言ったんじゃないですか〜」



「っていうか、何であんなに家来を連れてきてるんですッ?!」

おばあさんはびっくりしながら何千といる部下を指差します。





「伊藤さんのことだから、チカラずくでかぐや姫さんを捕まえる気なんじゃないですかねぇ」

「冗談じゃねぇ!!!」

「何でですか?いいですよたまにはそういうプレイも。この前神谷さんとソレで盛り上が…アイタ!!」

「………沖田先生(怒)」

「なぐるコト無いじゃないですかぁ」





「それより副長、月がそろそろ迎えに来てくれるハズですから…」

「…どれだ」

「アレですよ、アレ」



おばあさんは空に光る月を指差します。



なんと、月が本当に迎えに来てくれているようで、どんどん近づいてきます。



「…助かった」



かぐや姫は月にのり、心底疲れたように座り込みます。



おばあさんは心底その気持ちがわかるといった様子で、やさしく手を振りました。



この点では、二人とも気持ちを分かち合えるようでありました。









その間にどんどん何千という部下に、殿が詰め寄ります。



矢が放たれますが、なかなか当たりません。



伊藤が自ら弓矢を構えた時でありました。







ピカーーーーーーーーーーーーーーーー!!!



なんと、かぐや姫のナルトがまばゆい輝きを発したのです!!



その光の美しいこと!!



あまりの美しさとまぶしさに、伊藤と何千の部下の目はくらみます。

















そうして、かぐや姫は月へと逃げ延びていってしまったのでした。









おばあさん「かぐや姫さんさようなら〜〜〜」









おじいさん「お土産はおもちですよ〜〜〜」









めでたし、めでたし。































おばあさん「あぁ、疲れた」



おじいさん「それにしてもソノカッコウ素敵ですね」



おばあさん「へ?」



おじいさん「だって、すごい着崩れてますよ、ソレ」



おばあさん「あーーー…そういえばかぐや姫のキモノ着たまんま…て何してんですか先生!!」



おじいさん「いいじゃないですかv着崩れついでにvvvv」



おばあさん「よくなーーーーーーーーーーーい!!!!」















* 終わり*



















かぐや姫、書いてみました!!

撃沈!!

残念!!

切腹!!!!

すいません、もうほんと途中から訳わかんなくなってきて、

かぐや姫は増えるは、話しは進まないわ…。

でも楽しかったのでヨシとします★(オイ)

…土方さんいじめすぎたかな………

それから、長閑様から素敵な絵を頂いたんですよ〜!

こちらからどうぞ★