「やっぱ乳は大きくないとなあ、」
「いや小さいからこそまた色気があるんじゃねえか、なあ総司」
「いえ、私は大きいほうがいいですねえ」
「お、沖田先生、そうなんですか?!」
神谷はびっくりして沖田に問う。私はそんなに大きくないのに、と、そんな可愛いことを思いつつ。
「ちょ、ちょっと、神谷さん、」
沖田はまた声をひそめて言った。
「うそですよ、参加しろと言ったのは神谷さんじゃあないですか」
神谷もまた声をひそめて言う。
「じゃ、じゃあ、本との所はどっちなんですか?」
「ええ?!そんな、どっちでもかまいやしませんよ〜」
沖田はなかば顔を赤くした。
二人は、しかめっつらで、じいとお互いの目をにらむ。
そんな二人を尻目に、新たな獲物、斉藤一を見つけた二人はまたどかどかと去っていった。
「か、顔はどんな人がいいんですか?」
沖田を慕う少女は、なおも聞く。
「顔って、なんですか、神谷さんたら」
ふう、と沖田は二人が去るその背中を見送ると、足をくずして肩の力を落とした。
「べ、別に、ただ……」
神谷は可愛く拗ねると、また同じように足をくずした。
「………それよりも」
「なんですか」
神谷は、はああ〜と息を吐きながらその場に寝ころんだ。
少し、疲れたように、目を閉じた。
「私もおとこですね」
沖田の声色が変化したのに神谷は気づかない。
「先生の性別くらいわかります」
「あんな本読んだら、おとこはうずくもんなんですよ」
「は?」
神谷がつぶっていた目を開けたその時。
もうすでに、沖田は寝ころんだ神谷におおいかぶさるように片手で少女の肩を抑えていた。
少女はびくっと痙攣し、沖田のその袖をつかみ何事か、とその瞳をまた開いた。
「お、おき……」
その声は遮られ、その赤い唇に、沖田の唇がやさしく降った。
やさしく、なでるように。少し離れると、また惜しむように口づけ、花のような少女の唇をぺろりとなめた。
そしてすっと体を離し、かすかに笑むと、
「そんなカッコしてるあなたの方がずっとそそられますよ」
沖田はそう耳にささやき、またその部屋を後にした。
ぱしん、と戸の閉まる音がひびく。
春、うららか。さわやかな風が、少女の前髪をふわりと揺らした。
春の作品、多いなぁ…
まぁいっか!!(オイ)
それから、ステキな頂きものあるんですよー!!
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