安西先生・・・


忘れられません・・・。
あれは陵南高校との練習試合、
庶民シュートが決まり、奇跡の逆転をしたのも束の間、
あっけなく仙道に勝利を持って行かれ、呆然とたたずむ花道。
彼の足元で泣いてるボロボロになった体育館シューズ!

スラム・ダンクを読んだことのある人なら、
ああ、あのシーンね!と思い出す、
体育館シューズです。

私も、忘れられません・・・
あれは某大学との練習試合、
会場に着いて、 「早く着替えてアップ行くよ!」とシーマ先輩に言われ、
私は急いでカバンを開けたのでした。

ない・・・確かに入れたはずなのに、ない・・・
「ナギちゃん、はよしぃ!」
「先輩・・・ハーフパンツ忘れましたぁぁ!」
「ゲゲッ!!」
ハーフパンツ(下着じゃないですよ)なかったら試合に出れません。
チーム全員で悩むこと、数分・・・
(すいません、私のために時間つぶれて・・・ウウッ・・・)

「あっ! 来る途中にニチ●があったやん!」
「あそこなら、何か売っとるんちゃう?」

私はハマーン先輩に連れられて急いでニチ●へ!
勿論、アップを兼ねてダッシュ片道1本ですよ。

お店へ着いて、物色が始まりました。
「・・・ナギちゃん、これあかんよねぇ?」
ハマーン先輩が探してきたのは、紺色のブルマーでした。
「・・・先輩、私・・・家に帰りたいです・・・」
「ごめん、ごめん、も少し探してみよ!」

「ナギちゃん!あったでぇ! これやったらえんちゃう?」
先輩の手には、
ダラダラ〜のジョギング・パンツが!
別に古いからダラダラ〜ってわけじゃないのですが、
パイル布でできたそのパンツは、ゆったりしてて足回りがスースーしてるのです。
つまり、ホーム・ウェアー、パジャマ代わり、おっさんのデカパン?みたいに、
デロ〜ン、ノビ〜ル、ダラダラ〜なジョギング・パンツ・・・
フィット感ゼロのゆるゆる感・・・

「贅沢言ったらあかん!ブルマー思えばええやんか!」
「・・・はい・・・」

何とか試合に間に合いました。
またぐりがスースーします。
気になってガバッ!と開脚できません。

「ファイト〜〜!」
あれは? あの声は?
チラっと見ると、そこには私のあこがれているギレン先輩とガトー先輩が!
男子部員は試合が終わって、応援に来ていたのでした・・・

いやぁぁ!
見ないでぇぇ!
お願いだから私を見ないでぇぇ!


私は心の中で叫び続けました。
こんな恥ずかしい姿、さらしたくない・・・
オマタあたりが気になって走れない・・

試合は惨敗・・・
お土産のジョギング・パンツは、
お風呂上りに履くと気持ちよかったです。
夏場の愛用品になりましたよ、はい。




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