大学時代、弱小ながら体育会系のクラブに所属してました。
弱小ながら毎年夏には合宿があり、大学の合宿部屋に1週間ほど監禁されてました。
夕食の後に夜食用のオニギリを握ることになり、先輩たちがテキパキと準備を・・・。
私はボールに入っているホカホカのご飯を目の前にして、固まってました・・・。
だって・・・私、生まれてこの方、オニギリ握ったことなかったんです!!!
そんな私の姿に目ざとく気づいたキシリア先輩は、
「ナギちゃん、オニギリ握れへんの? ちょっとヤバいんちゃう? 今夜は特訓やで!」
もう一人のシーマ先輩に訊かれました。
「お母さんの手伝いとかせ〜へんかったん?」
言えない、これだけは恥ずかしくて言えない・・・。
母親が型を使ってオニギリを作ってたなんて!!!
それから私は血のにじむような特訓を受けました。
いきなり三角型は無理だろうということで、まずは俵型から・・・。
先輩の隣に立って手つきを真似ることから始まったのですが、
「ナギちゃん、左ぎきやから教えにくいわぁ。」
「すいません・・・。(ぐすっ)」
「も少し固く握らな崩れるで。そう、そこで力いれて、ギュッとね!」
「はい!がんばります!」
「そんなに手でこねないで! 汚いやんか!」
「はい!気をつけます!」
特訓の甲斐あって、俵型をマスターしたときは、自分が少し大人になったような気がしました。
それから三角型も難なくマスターして、
今ではそれはそれは、見目麗しいオニギリが握れるように!
オニギリを握るたびに思い出す遠い日々。