1月6日
「はいはいはい、会議を始めるわよ!」ゼシカがポンポンと手をたたいて野郎どもを召集した。
お正月明けからチームの主導権はゼシカに完全に委譲され、会議も頻繁に開かれるようになっていた。
「はい、ヤンガズ、報告してちょうだいなっ。」
「うぃっす。ナギさんでげすが今夜はバッチリ、ギラギラしてるでげすよ。」
「それは確かな情報なのね?あの人イマイチ信用できないのよね〜。」
「そうだな。3日の夜も今宵もがんばります!なんて言っておきながら、寝ちゃってたしな。歳だから仕方ないか?」熟女想いのククールなのです。
「歳だからって仕事はやってもらわなきゃ困るのよ!ククール、あんたナギさんから何かいいことしてもらってるの?やけに肩持つじゃないのさ?」
「俺は世の女全てに親切なだけ!本命はメロンちゃん!君だけだ!俺は愛のために死ねる!
」
「はい、じゃ、2・3回死んできて!さぁ、今夜のミッションの説明に入るわよ。ほら、ジャイロ、モタモタしないで資料出して!」
「あっ・・・ごめん、ごめん。これが不思議なタンバリンの資料です〜。どうぞ、どうぞ。」 ジャイロはペコペコしながら資料を配り始めた。
「この不思議なタンバリンを使うと、テンションを上げることができるのよ♪」
「だからどうだって言うんだい?テンション上げは必要だけど別に普通に戦っても俺たち十分強いじゃないか?」
「はい、ジャイロ、説明してちょうだい。」
「あっ・・・ども。代わりに説明しま〜す。僕たちメタル狩りしてるじゃないですか?あれね、テンション上げて与えるダメージをデカくしてやらないと効率的じゃないわけですよ〜。」
「むむっ?要するにメタル狩りの効率化のために不思議なタンバリンが必要だと言う事でげすね?」
「ふふっ。さすが、ヤンガスはスマートね♪ わかった?ククール。顔だけじゃなくてオツムも磨かなきゃカスなのよ!カス!」
「くっ・・・俺だってこっそり赤ペン先生で勉強してるのに・・・。ところでその不思議なタンバリンはどこにあるんだい?」
「え〜っと、皆さんには今からレティシア近くのレティスの巣に登ってもらいます。あ、光の国の方です。そこでドクロの冠をゲットして〜。」
「はいっ!グダグダ言ってないで資料2ページを見てちょうだい!そこに詳しく書いてあるでしょ?錬金方法が!」
■不思議なタンバリンの錬金方法■
ドクロのかんむり+聖者の灰=太陽のかんむり
太陽のかんむり+まじゅうの皮+怒りのタトゥー=不思議なタンバリン
「うは〜っ!めんどくさそうでげすねぇ!」
「千里の道も一歩からと言うでしょ?ゴタゴタ言ってないでわかったらサッサとレティスの巣へ飛ぶわよ!」
レティスの巣到着。強い、強い、チーム・ゼシカ!
グリンガムの鞭さえあれば通常攻撃だけでも十分戦えるゼシカ様は、時々余興でハッスルダンスを踊ることこそあれ殆どMP使わないで済んでます。
ククールはますます姑息な戦い方を覚え、魅惑のまなざしや究極の弓技シャイニングボウで適度にMPを使う一方では精霊の矢で相手のMPを吸い取っております。
ヤンガスが、はおうの斧を振り回しているだけでOK。
ジャイロは適度にブーメランや奇跡の剣を使うだけでOK。神秘の鎧のおかげでHPはいつもフルに近い。
「はぁはぁ、やっと頂上ね!」
「あい。これが最後の宝箱でげす。」
ゼシカはカチャっと宝箱をあけた。
ゼシカはオリハルコンを手に入れた・・・
「??何で?ちょっと〜、間違ってるじゃないの?」ゼシカは眉間に皺を寄せてジャイロに詰め寄った。
「あれ〜?あれ〜?おかしいなぁ〜?確かにここにあるハズなんだけど〜。」
「はい、ククール!電脳世界へダイブして!いいこと?1分で調べなさいっ!」
・・・お気に入りメニューから・・・ドラクエ8完全攻略サイトへ・・・1分経過・・・
「お待たせ!メロンちゃん♪」
「わかったんでしょうね?ドクロのかんむりはどこ?」
「まぁまぁ慌てないで。この近くの高台にあるみたいだぜ。鳥になって探すしかないな。」
「ほら!ジャイロ。鳥よ、鳥!」
やっとドクロのかんむりをゲットしました。
「さぁ、錬金してる間にメタル狩りよ!」
「え〜?まだ働くのかい? 時には俺と午後の紅茶でも・・・グハッ!」
グリンガムの鞭に打たれ痙攣しながら跪くククールに、ゼシカは冷たい微笑みを浮かべながら言った。
「ククールよ、この薔薇の香りを愛でよ!」
「おぉぉ・・・ゼシカ様〜!」
「あいつ、完全に強化人間にされてるでげすよ・・・」ヤンガスはコソッとジャイロに耳打ちをする。
「そなたには今日から剣スキルを極めてもらう。よいな?」
「はは〜っ、ゼシカ様。仰せの通りに。」
「お言葉ですが・・・ククールは肉体改造希望だったはずでげす。」
ククールが格闘スキル養成講座なる本をこっそり読んでいる事をヤンガスは知っていたのだった。
「それは私も知っている。だが、メタル狩り成功のために彼には絶対メタル斬りを覚えてもらう必要があるのだ!」
「俺は・・・俺は・・・ゼシカ様の言う通りに動くぜ・・・それが騎士たる者の務め・・・。」
こうしてパラディンの夢ははかなく消え、今日からはエンドラの騎士の道を歩むククールなのでした・・・強化されすぎて壊れなければよいのだが・・・。
参考LV ヤンガス50、ジャイロ49、ククール49、ゼシカ48
作戦会議
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