透明のゼリー
固まっていない
通り抜ける
言葉や青春
見つけ出すハズだったもの
残りある実
割れて光る
どろりと…
太ももに伝う
涙にしか見えない
それが
僕の快感になる
君が一生をかけて
知る必要のないモノ
口にすれば
とろける、甘いハートも
賞味期限切れ
半額になる
茶色い箱 抱き締め
ぴったり
扉を開ける度
価値を失った ハートは
翌日に
冷蔵庫の中
私って 本当ベタ
やる事なす事
ほろ苦っ
いや、それはビター
少し伸ばせば
より良くなれるかな
more ベターに
思い切って
息を吸い
声を 空に
息を残さず、胸の奥使い切る
再利用できない
夢を追って
白くなって行く…消しゴムみたいに
小さくなる
声が
カスばかり増え貯まる
見苦しく
強く擦れば 頭が折れ
惨めな気分
ひび割れていく
細かく爪先で
必死に
投げつける
近づくな 触れるな
気付いてっ! と…
また練り上げる
カスを寄り集め
灰色の 新しいモノ
ネバつく、粘り、伸びて行く
役に立ちそうにない
結局はね
墜ちて行く月を眺め
笑顔がうつる
黄昏の中
薄っ平らな影身に
紅いが
たなびく か細い雲
何かを得ようとし、
必死に手を伸ばした
振り返る窓の中の空さえも
逆さの街
みすぼらしいとか
惨めとか
凡庸な蔑みで 微笑まれ
何気なく出した手に
見苦しく飛びついた
引かれる事
知ってるのに…
かけがえのない 簡単な物
今、手を放し
落ちて行く
認められたいと望み
掴むハズの何者かの手
陽炎が、幽かに笑う
猫に会った
丸くて太くて 超かわいい
いつも道端で 可愛く
いつか触りたいと
声掛けたいと
ニャア
産まれて初めて猫に触った…
優しくて
人なつっこくて
そして 怖い
まとわりつき ついて来る
わからない
顔が 声が
気持ちが
ご飯持ってないの…
コミュニケーションが怖い
にゃあ ニャア
だって猫語…
寒いのに、
お家にお帰り
救いを求める手を叩かれて
悲しい顔のフリ
何も感じてない
本気で全てを望んでもないくせに
惨めな欲望だけ
宙ブラリの
虚空に漂う
重りのせいにして、
足さえなければ
なんて考えてる
盲目なら詩人になれる?
生きて行く為の条件を
手に入れる卑怯さ
汚い。後ろ向きの闇に
憧れを酔いしれている
暗い海
一人うずくまる 砂の上に
潮の薫りのない 風
誰もいない、背後の光景
笑いざわめく
手を繋いでいても
肩にもたれる髪の重さを感じていても
遠く、隔たれた
ずっと…砂浜に立つ
真上の花火
白い波や 佇む黒い海
音だけが、僕の側に
悲しみが込み上げ
笑い声になる
口ずさむ歌
詩
見苦しいまでの
僕の母性本能が
引き寄せる腕
嫌がる顔を
見つめながら
悲しみだけが 一杯になる
又、一つ扉が閉じて行く
とても大きな扉
友達だった過去、笑い合ったざわめき
水滴の中に
だからもう…
全ての扉を閉めてしまう
追いつめる為
覆われたコンクリの壁
逃げ道はない
何の為?
行く先も決めてない
待ち合わせ
遅れないよう
僕だけが
狭い取り残された道
必死に走っているのさ
汗かき
嬉しそう
もうすぐ
全て…瞼を閉じるから
何で用意したのに、行かなかったの?
わかんない
楽しい笑い声が 電話口で響くのに
聞こえている?
わからない
いつもそう 玄関口で映す鏡
現実の姿に
幻滅し
座布団の上 寝転がるのさ
テレビの前
見たくもない、リモコンを手にして
いつまでも聞こえて来る
耳の中の笑い声を気にし
後悔と
言い分けの喜びを創り出す
行けばいいのに…
わかんない
扉を開けぬ理由も 閉めた理由も
何処に行くのかさえ
只、一つ希望だけに
しがみ付く