爪で字を書く
跡が残る
白い紙の上
伝えられなかった思い
ピンクのペン
一文字ずつ
左右の爪に
ありがとう
笑い込み上げる
もらう度
あの人に幸せを
降る物に
手を差し伸べて
潤う
冷たい匂い
緑の葉、溜まる水の波紋
手の平に、集まる雨のつぶ
電柱の灯
薄暗い情景に
ドキドキする
幸せであると知られると、
必死にフォローを
この感覚って何?
あまり喜ばないようセーブする
なぜ
後でロードして続きが出来るように?
↑
矢印がある
曲がり角に、道端に
誰もいない
何も言ってない
でも曲がれって 事
ここから
無言の圧力
好奇心
でも、大勢の人が行くなら
変えたくなる
こうやって
常識の名前 枠組み
窮屈な檻に
逃げ込ませはしない
何処かの毛を恥ずかしがって
うろたえ消滅する
愚かな美 価値観
DNAが制御する社会で
努力する 認められたいと
生存の価値のない人物に
愛され
私は
銅か錫の板で変化する
惨めなほど
愛されたいと
願い
白亜の腕に 磁器の肌を、
もろく割れ折れるような
危うい欲望
抱き締め壊す
陶器の髪に触れ
滑らかな冷たさを味わい尽くす
いやらしい指先で
言葉の意味をなぞれば
浮かんでく 青みがある
ふくらんだ胸の内
からっぽ 黒く暗く虚しく、はかない
桃の花弁
うつろい散り
水に沸く 黒い波紋
大きな声で打ち消す
誰にも聞かれたくない
無き人
ぷっくりと ハミ出した輪郭を無視し
映る
キリッとした目だけを
うっとりと、身悶える
かかる黒髪が美しいから
生えた毛を無視し
細い指先に見惚れ
自らの体を慰め
爪の快感を楽しむ
足先をぬるま湯につけ
ふぃ〜と
お尻のぷにぷにを握り
腹筋の割れ目をなぞる
変態?
そんなの
息までも…
覗く歯が白く
尖った八重歯に指を挿す
石鹸 この匂い
肌につけ 耳の後ろ 嗅ぐ
落ち流れる黒髪を梳き
あの子の体を、抱き締めるの
酸の海
瞼が、落ちる
剥がれる肌
捨てられ
分厚く、曇る
進化する
プログラムされたから…
腐敗する 痛み
剥き出た心臓
奥に 感情 レプリカント
残されたまま
あの日の出来事
恐怖 傷 想い
感情だけが掠れ
うつろう
恐怖だけが残る
あやふやな
焦燥感
傷跡が消え
叫び声だけが
私の後を追って来る
誰の声か
聞き覚えのある声が
切り取ってしまおうかとも思ったけれど、
幸せになる為に食べている
だからこれには
僕の幸せが詰まってる
溜め込んで
幸せを切り捨ててまで
自分を変える事など
出来ないのかな
誰が嘘つき?
言葉を意見を感想を耳に入れ過ぎて
わからない
誰が正しい事を言ってるの、
教えて、誰が悪い奴?
—自分で考えて見ることだ。
考えても見えてこない、教えてっ
—誰が正しいか悪いかは無い
全てが唯、そこに在るだけだ。
でもでも、どれが偽者で本物?
嘘を付かれていたら、誤った選択してしまう
誰なんです?
—先に進んでみたらいい
扉を開けねば先は見えぬもの。
でもでも、扉の先が谷底だったらっ?
—何処にでも行く道はあるものだ
動き、よく見、考える
一歩でも進めばその先に
新しい景色が待っている。
嘘、嘘、見えない 教えてよ
あっわかった 知らないんだ、そうなんだ
— …
もう、又嘘つきばっかで嫌になっちゃう
ここはまさに、パラダイス
誰も飢える事もなく
果実は街に溢れてる
水を奪い合う必要もなく
背中を刺される事もない
安心して眠りにつけ
暑さも寒さも思うがまま
そして 死ぬ事もない
墓だけが立つ
忘れた野獣を呼び起こしたいのかい?
まずは猛獣使いに相談してから
鎖もムチも手に入れたかい?
暴れ出したら手が付けられない
君も喰われて
野獣と化しちゃうよ
月に吼え 火を吐くかい?
撃ち殺され、鎖に繋がれるまで
駆け回る
鋭い爪も牙も君のものさ 忘れてただけ
何百年も暗い奥底の鎖に繋がれ
静かに眠る
覚悟はいいね
放したら誰も止められない
好きな人も喰い殺す
それも快感かい?
夜の闇に生き 静寂の中で暮らしてる
小心者の君には扱いは無理じゃない?
ヤバイ思いに耐えられる?
突き上げる激しい情熱に
我を忘れて真っ白に染まるよ
そんな顔しなくても大丈夫
君自身の姿
いずれ 何もかも…
全てが自由になる
現実に耐えかねて、
檻から出ちゃった
うさぎちゃん
ハンター達にはいい獲物さ
撃ち殺され 壁を飾るまで
鎖を外し
大空へ
腐臭、ドブ水
救いを求めたらいい?
いつも 冷たい何かを叩き付けられ
痛みも感じず
爪を立て喘ぐ、
笑っていた瞬間
暗闇の中、彷徨う
見えない透明な壁に取り囲まれ
見つめるものは何?
救いを求める相手さえ間違ってる。
答えられない問い掛けに、責めさい悩まされ
街中
溢れ返る 不幸の渦 つかる
這い出し、服を乾かしても
聞こえる
声 引き戻される
青空に、希望はなく
何も考えないままの空間がある
憶えている声 ふと耳を傾けて
暗闇の中に、一つ
光が