板に張り付いてる

  誰かのせいにすれば安心と

 剥がされるの恐れて

 言葉にも

   想いにも出来ず

 空ろな空間を

  欲しいと口にすれば

 全ての壁が 崩れ

 悲しみも 涙も

      全て受け入れてしまう

 平日の駅 静かに佇ずむ

 誰もいない 

  路地のポスターみたいに


 

 

古びた時計塔

 埃かぶった石畳

      階段

  暗い道続くよ

しっとり静かに佇ずむ

ただ言葉だけで

 悲しい想いをしたり

ただ、いさかいの言葉だけで

苦しい気持ちになったりもする

 どんなもんだろう

死の感覚 カウントダウン

無為な空間と

  ひそんだ暗闇

想いだけを口にすれば

偽善か悪の

酸っぱい味がする

なぜなんだろう

言葉に出すより歌うのが楽なのは、

 静かに風にのせ

解き放つのか、紡ぐのか

わからないけど


 

 

黄金の稲穂 揺れる波も

 静かな記憶の中

現実をバカにする様に

頭の中こびりつく

古びたオルゴールの蓋

 軋み金音が響くよ

遠く 金属のつぶ

回るよ、 いつだってここで

巻きつく糸にからまり

 見た事の無い

  青空が

      見える


 

 

腕に噛みつきたいほど淋しい気持ち

誰かに話したいけど

番号がない

突然襲ってくる無遠慮な

   暴力

心 掻きむしられ

  溺れ、弱く惨めな 水溜り沈むよ

己の か弱さに

絶叫、嗚咽を漏らし

夜に

  佇ずむ

ベランダから車騒、遠くに

  吹かれ

つたう水跡だけが

孤独の行き場を知っている

 

 

 

 

甘い夜の薫り

 レモンパイ

煌くピグミー達

点在する星

救ってくれる暗い木々を

 遠く響く

   覆う

光のマント羽織り

 約束の瞳

憶えていてくれたなら

鼻腔をくすぐる

  甘い薫りと共に


 

 

 

微かな光を頼りに 降りて行く

暗い階段を

赤く映る蛍光灯

出口を指し示す

わだかまり渦巻く感情を捨て切れず

声を呻き上げ

もう、尽き果て

   枯れ腐敗した

黒い絵の具の水を、愚かに

 スミの様に掠れては

半紙の上 物の姿を 捉えてる

何人も近付けぬ

 虚空に手を伸ばし

掴めない筈の闇を

 快感と歓びと間違う

すべてを捨て

何もかも

混沌の行き場 指差す    

 

 


 

優しい目が

優しく微笑み

砂嵐に遮られる

 手

掻き消える

暗い らせん階段を

 雨音 アスファルト

 響く

重い扉 閉じて行く 軋み  

 握った拳、擦り切れた皮膚

滲む

 疲れた 腕を抱え

聞こえる

 誰かの叫び

 慟哭

見えない物、見ようとし

暗闇

伝う頬 鼻から喉へ

 熱い嗚咽

悲しみと言ってはいけない何か

 鎖が

切り取った 黒い破片から

 覗く理性

どうか どうかと…

懇願している

マリアに抱えられたイエスなのか?

 甘えの海

  自由に溺れる

 

 

 

 

 

一体、何を信じたらいい

明日が無い

ねぇ みんな何処に行くの?

いつの間にか 周りを見廻すと誰もいない

 教えて、何処に行けばいいの?

取り残された町の片隅で

どこかに隠された道標見つけ出す

  …何処に行ったの?

迷い道の中、一体みんなは何処へ行くの

  私だけが取り残された?

繋いでいた手の温もりも消え

薄モヤの町を 彷徨う

急に込み上げる、胸の想いも

冷たいビルに 跳ね返り 木魂する

手を挙げ 瞳に映る 薄い灰色に

いつまでも想いを残し

人々の声も消え 

 いつのまにか一人

この街で 灰色の自由を味わいながら

 

 

 

 

田舎から出て、薄暗い

 都会の淋しい部屋の中に立った

バカだった 間抜けな夢を挫かれ

沢山の人々に傷つけられ

日々の生活に、 

忘れたけど

 瞳閉じると 浮かんで来るんだ

バカな夢、故郷の匂い

瞼の下の 魂の温かさが

 頬まで伝わって来る

 

小学生でさえ歌う

 眩しい夢の話

蜂蜜にクリームいっぱいの

 甘〜っい夢に酔いしれ

探し続け、やっと見つけ出した

 夢でさえ

守り切れず うなだれる

日々に言い分けを考え出し

 窓の外、見つめる

片ずけた部屋

引き出し

ビデオのパッケージ