×初夏の教室×
ふと、見上げた空は呆れるくらいの青空で
それは夏の訪れを密かに連れていた
はぁ〜
私は盛大な溜め息をついた
「何、あんた朝から気分悪いなぁ」
それを見た友人が私を小突く
まったくいつものに日常
「何もない」
「せやったらこれ見よがしに溜め息なんてつくなっての」
う、痛いツッコミしてくれるじゃないの
「だって〜」
「なんかあったん?」
「別に・・・」
特に何かあったわけじゃない
まったくいつもと変わらない日常
だからかな
「なんか、寂しいなって」
「はぁ?」
訳がわからないというふうにが声を上げた
「間抜けな声〜」
「あんたのせいやろが!」
と頭をはたかれる
わかってるってば
自分が随分支離滅裂なこと言ってることくらい
「もうすぐ卒業やろ。寂しいな〜って」
「もうすぐってあんた大丈夫?まだ夏休みにもなってへんで?」
そうなんです。
まだ、卒業まで半年もある
でも、もう半年しかない・・・
そう考えてしまう自分がいて
なんだか窪みにすっぽり見事にまっちゃったんですよ、私ってば
「名残惜しいねんな、きっと」
「名残惜しい?ってなにが?」
「うん。1年とか2年の時とかさ別なんとも思わへんかったけど
こうやってさ、あんたと教室で話したりするような
何気ない時間が名残惜しいわけよ」
「あほくさ」
彼女は心底呆れた声でそう言った
「そんなん考えてもしゃーないことやん」
不貞腐れ声でわたしは返事する
「わかってるっちゅうねん、んなこと」
「せやったらさ、あんたの言う『名残惜しい時間』?
むっちゃもったいないと思わへん?」
「あ・・・」
「そう言うこと。
おら、一時間目移動やねんからさっさと準備しいや。
こんなむっちゃしょうもない事で遅刻とか嫌やで」
「あ、忘れとった」
わたしは慌てて準備を始めた
「遅いわ。ほってったろ」
そう言って友人はすたすたと教室を出ていってしまう
「ちょっと待ってぇよ〜」
そういいながらわたしは必死に教科書と筆記用具をつかんで小走りにドアをくぐった
少し立ち止まって誰もいない教室を見る
「なにしてんの?ほんまにおいてくで!」
友人が廊下の向こうの方でそう怒鳴った
「せやからちょっと待ってっていってるやんか!」
私はそういって彼女の方へと駆け出した
2003/07/09
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<あとがき>
なんだかやっと書きたいなぁ〜と思っていたような話が書けた・・・
そろそろ、甘いものに飽きてきたご様子です(笑)
今回はちょこっと様子を変えて大阪弁にしてみたり
この文章には「あほくさ」の方があってるなっと思いまして
会話を大阪弁にしました
標準語(東京弁?)では「ばからしい」になるのかしら?
それがどうにも書いてて違和感があったので
あと「しょうもない」ってのも何になるんでしょう?
「つまらない」なんでしょうか?これにも違和感があったので
普段の会話そのままトレースしてる(つもり)なので大阪人以外の人は読みにくい・・・かも(苦笑)
ご意見お聞かせくださいな
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