深町正が中学時代から書き溜めた詩と小説を載せてます

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  深町正樹

 秩序正しく列を成している高層ビルを、リニアモーターカーのチューブウェーが、まるで網の目のように繋いでいる。
 西暦という年号は、すでに人々の記憶にはない。
 人口爆発がもたらした、食料危機・エネルギー危機・環境破壊・地域格差・その他諸事情は、人心に混乱と恐怖をう
み、頽廃と争乱を呼んだ。西暦2023年も半ばにかかり始めた頃それは起こった。核の3日間と人は呼んだ。110億
の人口が、スーパーノバとよばれていた超強化核兵器の大量使用によって、わずか3日間で6400万になっていた。
人々は自らの行為に恐怖し、呆然と立ち尽くした。だが、それはほんの序章にすぎなかった。人々が、真の恐怖と混乱
の地獄の風景を見るのはそれ以降であった。被爆による人口の減少は著しく、無論それは人類に飢えやその他自己
の生命維持という最も基本的で切実なエゴによる争いも要因となり、わずか1年で2300万人にまでなっていた。


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