深町正が中学時代から書き溜めた詩と小説を載せてます
ある。つまり、新天地の開拓や資源の供給を宇宙に求めたのだ。 利害や相違を生み、過当な開発競争になると予想された。 蔵にあるかのように一部の愚かな人類が湯水の如使用し、豊かさ追求してきた。その結果、鉱物資源・エネルギー資 源は枯渇し、確保することが急務になっていた。 ており、宇宙に人類の未来を見出せる者は多くいたが、自らの希望を重ねて生活圏を宇宙に求める者は少数であっ た。 間も例外ではありえなかった。 から離れることへの、生物としての本能的な恐怖感からかもしれない。 思いをはせ、欲望の迷宮に心を迷いこませた。 目的は宇宙移民計画実行のための基礎研究とデータ収集にあった。地球の衛星軌道上・月面・ラグランジュ均衡点・ 火星の地表・金星の地表・木星の衛星タイタンの地表、彼らはそのそれぞれにベースと呼ばれる拠点を作り、人類の 存亡をかけ、並々ならぬ決意で移住し、宇宙移民計画実行のための基礎研究とデータ収集に励んだ。 と欲望をあたえるのには充分たった。 を優先させ、経済的にまだ少し余裕のあるところは、こぞって宇宙開拓に着手した。ことに国レベルでは、『国益』という 大義名分の下、国家予算を投入し、推し進めた。国益と言えば聞こえはいいが、政財界の亡者たちの私利私欲の道 具として国家が存在すると言う、極めて顕著な例であろう。 されていった。 スを設けた。 制の役割もあり、軍備も保有していた。 地表での開拓競争が激化し、愚かしいが、ついに各国が占有権・領有権を主張し、何の根拠も無く理性も無く無秩序に 国境線を引き始めた。 いくが、大多数の国は貧困にあえいでいて宇宙開拓に手をつけれないと言う格差が大きくなっており、国際紛争の火種 になりつつあった。『我々は莫大な国家予算を投じて宇宙開拓プロジェクトをすすめており、それで得た情報・データ・そ の他により取得した領域の権利は当然我々か有する』という国家予算に余裕があり宇宙開拓に着手している国々の主 張に対し『宇宙空間は誰のものでもなく人類か等しく権利を共有しており、国家・企業、団体または個人に所有権は無 い』という所有権は無い』という、貧困にあえいでいる大多数の国々は主張した。国益という国の根幹に係わる部分で あるから、双方、主張譲れず、議論は平行線をたどった。 源の枯渇で経済的に冷え込んできて、各国政権への国民の支持か急速に低下してきたことと、『今戦うより紛争を回避 して宇宙開拓を進めたほうがより利益が大きい』という財界の金の亡者たちと、『今戦うより紛争を回避して宇宙開拓を 進めたほうが財界からのみかえりも大きいし、しいては支持率も上がり政権は確保される』という権力欲の亡者たちの 打算の結果であった。国連は、全ての国の地球上での領土の面積率を基準に、月面・火星の地表・金星地表・木星の 衛星タイタンの地表を各国に分配した。非常に馬鹿げた安易な発想ではあが、各国の妥協できるのがこんなところで あった。地球上の国家の単位を宇宙まで持ち出すことの愚かしさはわかっていたが、誰もがそのときは口をつぐんだ。 紛争回避と人類の未来のために・・・・・。 開拓には賛成したものの参加する者は少なく、各国、即労働力不足に陥った。考えたあげく各国の思考は同一方向を 向いていた。各国共、月面・火星の地表・金星地表・木星の衛星タイタンの地表に最低限の生命維持プラントを設けた 後、初めに建設した長期滞在・居住・永住施設は刑務所であった。無論、国力によってその規模が異なるのは、言うま でもない。独自開拓できない国も少なくは無かった。 っていた。独自で開拓できない国も、資金や技術面で豊かな国からの供与を受けることで開拓を進め、それなりにうる おった。 があり、地球上の人々の要求を満たすため、彼らは過酷な労働を強いられていた。死者も多く出ており、受刑者たちの 不満はつのるばかりである。月面・火星の地表・金星地表・木星の衛星タイタンの各国の刑務所で暴動はおきるだが、 彼らの生命維持に無くてはならない酸素・水・食料の5割は地球に頼らざるを得ない状態にさせられており、散発的なも のでしがなかった。自らの生命を守るには、過酷な労働を耐えしのぐよりなかった。 務所の供給が追いつかない。計財の伸びも悪くなり、立て直す必要に迫られた。 能な者の指導の下に他の者は宇宙に移住すべで、それが種の保存の唯一残された道である』という愚かしい思想が、 人々の間に万延しつつあった。これは、後に人類社会を蹂躙する『地球中心主義』の基本思想になった。 であった。 けられ、総人口に対する宇宙移民の率は確実に増していった。宇宙における住環境も飛躍的に改善され、地球と月の 引力バランスのいいラグランジュ均衡点付近では、スペースコロニー群が造られていった。 球に住むことがステータスであり、富と権力の象徴となっていた。そういった人々は、疑いも無く人類社会の中心いや宇 宙の中心は地球だと確信していた。 た。
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