深町正が中学時代から書き溜めた詩と小説を載せてます

112 「ある日僕は」


「ある日僕は」

ある日僕は鳥になった
鉛色の空に切り裂かれた羽をはばたかせ
風に逆らい飛んでいた
太陽は見えない
悲鳴のような雑踏の騒めきが聞こえてきた
見下ろすと
おびただしいコンクリートと鉄が大地を埋め尽くしている
その中で 感動も無く 情熱も無く
動めく無表情な人間(ヒト)の群・・・・
見覚えのある光景だった
突然脱力感に襲われた僕は そんな無機的な世界へ落ちて行く
枯れ葉の様に ゆっくりと 空中を去迷いながら
ある日僕は鳥になった
そんな夢を見て目覚めた
いつもと変わらない朝だった


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