眠りなれない寝台車。前日3.5時間しか眠れなかったのに、結局2時ぐらいまで寝つけなかった。おかげで、スイミンスイミンスイミンスイミンすいみん不足である。で、朝起きると北海道には一面の銀世界が広がっていた。おお、感動である。『MOTHER』の「スノーマンのテーマ」がよく似合う。MDウォークマンでその曲を聴きながらムード満点だぞよ。
札幌駅到着。用意してきたダウンジャケットを羽織って列車を降りる。ダウンジャケットのおかげで思ったほど寒くはなかったが、さすがに人が多い。まずはみどりの窓口に向かい、「北海道フリーきっぷ」を購入。このきっぷは23750円で、7日間、北海道のJRに乗り放題というきっぷなのだ。普通列車だけでなく、とることができれば特急の指定席にも乗ることができるお得なきっぷである(もちろん特急の自由席も乗れる)。最初は青春18きっぷで回ろうかと思ったのだが、北海道は列車の本数が少なく、どうしてもそれでは不便になってしまう。そこで思い切ってフリーきっぷにしたのだ。値段にすると1日あたり3400円程度である。青春18きっぷの値段が1日あたり2300円ということを考えると、1000円程度上乗せして特急にも乗れるのだからこちらがよいだろう。ちなみにフリーきっぷには、もう少し値段が高くグリーン車にも乗れるやつもあるのだが、さすがにそこまでリッチには振舞えない。
さっそく特急の指定席をゲットし、網走へと向かう。旭川—網走間は途中山の中を走るわけだが、この景色は最高である。全く人家のない場所を30分近く走り続けるのだ。同じ国内とはとても思えない。本州に住んでいたらまずありえない光景である。基本的に北海道というのは、ドラクエの世界に似ている。広い大地に町が点在し、町と町の間には何もない場所が続くのだ。なんかイイ感じである。ただ、ちょっと曇った天候だったのが残念である。
ところが、そんないい感じのわたしを乗り物酔いが襲った。旭川—網走間でかなり気分が悪くなったのだ。昔はバス酔いをよくしたものだったが、最近では酔わなくなっていた。しかも列車酔いである。信じられん。だが、前の席に座っていたオッサンが北見で降りると、気分の悪さはおさまった。どうやら前のオッサンのコートが発する異臭が気分を悪くしていたようだ。間違いない!(長井秀和)
網走に到着。駅前の歩道はすべて氷結していて歩きづらい。これが北海道なのだなと妙に納得。さっそくバスに乗ってオホーツク流氷館というところへ向かう。ここは展望台からオホーツク海が見渡せる場所と聞いているので楽しみである。途中、網走刑務所が窓から見えたが、こんなものかという感じ。ま、刑務所ってそんな感じだよな。外観は普通の建物だった。ちなみに網走刑務所に凶悪犯はおらず、比較的刑の軽い人が多く、刑の重い囚人は旭川刑務所の方に多いらしいよ。へえ、へえ、へえ。
展望台到着。到着したはいいが、見学時間がほとんどない。4時半までしか開いていないとは思わなんだ。とりあえず流氷館内の見学は諦めて、展望台に行く。なかなかの絶景であるが、風が強い。遠くに流氷らしきものが見えたが、本当に流氷だったのかどうかは不明。わずか20分ほどしか滞在できず不完全燃焼のまま流氷館を後にするのだった。