北海道旅行記 1日目(2/28)

いよいよ北海道の旅に出発。最初は飛行機で一気に北海道入りしようかとも考えていたのだが、寝台列車に乗ることに。やはり寝台ってあまり乗る機会がないからチャンスなので。っていうか、旅行会社に行って聞いてみたら、トワイライトエクスプレスの席がとれたというのも理由の一つにはある。とれないだろうと思っていただけにラッキーである。トワイライトは大阪を昼の12時に出発する。福山を出るのは朝7時頃。ケチなわたしは新幹線を使わず、在来線で大阪まで向かうのだった。それにしても土曜だというのに人が多い。中高生が多い感じだ。ま、考えてみれば福山—岡山間というのは、中国地方で人口2位〜4位の都市が終結している地帯だから利用客が多いのも仕方ないことなのか。岡山を過ぎると人は減った。

 そうこうしているうちに大阪に到着である。トワイライトエクスプレスがやってくる。ホームに入ってきたとき、何人かが写真を撮っていたが、わたしは撮らなかった。そこまでわたしの感動を誘うような外観ではなかったからである。そしていよいよ乗車。わたしが寝るのは4人部屋の上の方。いわゆる個室とかではなく、フツーの寝台車の寝るところって感じ。豪華列車の印象は微塵もないような場所だった。ま、ケチったのだから仕方がない。

 トワイライトエクスプレスの停車駅は、大阪→新大阪→京都→敦賀→福井→金沢→高岡→富山→直江津→長岡→新津と夜になるまではけっこう駅に停車する。そのあとは北海道までノンストップで走るというわけだ(実際は、列車待ちなどさまざまな理由で停車はする)。大阪出発の時点ではわたしの部屋にはわたしと、60代のオバチャンだけであった。おそらく残りの2人は別の場所から乗ってくるのだろう。このオバチャン、関西人らしくよく喋るオバチャンだった。話によるとなんでも北海道まで行くのではなく、新津で降りるらしい。東北に行きたいそうだが、トワイライトに乗ったことがないので、折角なのでトワイライトに乗って行こうということらしい。適当に話を合わせる。

 大阪を出発すると、すぐに山口百恵の『いい日旅立ち』が流れる。「雪解け〜間近の〜北の空に向かい〜」ってまさに今の状況を表しているようである。その後、昼食の時間となる。別に予約制というわけでなく、食堂車に行けばいつでも食べられる。食堂車というのも、ドッキドキ初体験である。同室のオバチャンも一緒に来るというので、しょうがないので相席で。まわりからは親子のように見えただろうね。カレーを注文。というか、メニューが極端に少ない(カレーとスパゲティとサンドイッチしか食い物がなかったような気がする。しかもスパゲティは品切れときたもんだ)。列車で飯を食べるというのは、なかなかに乙なものである。さて、オバチャンと話を合わせていたのが功を奏したのだろう。オバチャンがメシ代をおごってくれた。今後お金を使うかもしれないこの旅行においては有難いことである。「しめしめ」などと思ってはいません(笑)。

 福井に着いたとき、同室の残りの2人がやってきた。うち一人はヤンキーっぽい青年。無愛想な感じで、部屋に入るなり、カーテンを閉め、自分の寝台に引っ込んでしまったため、ほとんど話はできず。ま、こんな奴と話をしたいとは思わないが、あの気さくなオバチャンとは大違いである。

 あとはひたすら外の景色を見ながら北海道を目指していく訳なのだが、途中の景色でいいと思ったのは富山。北に日本海、南に北アルプスを望む景観は素晴らしいの一言。ここに住んでもいいとさえ思った。

 日本海岸をひたすらトワイライトは走る。ちなみに「トワイライト」というのは夕暮れのたそがれ時を意味する英語である。列車から見える日本海の夕焼けはなかなかに素晴らしい。この日は晴れていたので、よいトワイライトを見ることができた。トワイライトが見える時、ちょうどアナウンスが流れ、トワイライトの紹介をしてくれる。その後、鬼束ちひろの『いい日旅立ち・西へ』が流れてきた。東に向かうんだけどね(笑)。以前はどんな曲が流れていたのか、いささか気になった。

 夜になってしまえば、外の景色を楽しむ時間もおしまいである。寝台に引っ込みお休みタイム。前日あまり寝ていなかったため、すぐに熟睡できるかと思いきや、慣れない寝台列車のため、全然眠れやしねえ。結局、頭の中で1万匹ぐらい羊を数えることになるのだった。北海道旅行記といいながら、初日は全然北海道の話題が出ていないが、明日からはいよいよ北海道。一面の銀世界に期待しつつ就寝。



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